後藤厚生労働大臣、濃厚接触者の待機時間を10日間に短縮の方針を明らかに
後藤厚生労働大臣は、新型コロナウイルスの濃厚接触者に求めている宿泊施設や自宅での待機期間を、現在の14日間から10日間に短縮する方針を明らかにしました。このニュースについて工藤医師に伺います。
監修医師:
工藤 孝文(医師)
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。
後藤厚生労働大臣が明らかにした方針とは?
今回、後藤厚生労働大臣が明らかにした方針について教えてください。
工藤先生
今回の後藤厚生労働大臣による発表は、1月14日に総理大臣官邸で行われた濃厚接触者の待機期間をめぐる対応協議の後におこなわれました。後藤厚生労働大臣は、社会機能を維持できるように現在14日間とされている濃厚接触者の待機時間を10日間に短縮する方針を明らかにしました。
さらに医療従事者、警察、消防、公共交通、それに介護や保育などのエッセンシャルワーカーについては、自治体の判断で感染者に最後に接触した日から6日目に実施するPCR検査や抗原定量検査、または6日目と7日目に実施する抗原定性検査で連続して陰性であれば待機を解除できるようにする方針も明らかにしました。
加えて、オミクロン株への置き換わりが進んだ自治体では、現在デルタ株への感染者以外を対象におこなっているゲノム解析などを省略し、すべての感染者をオミクロン株への感染者とみなして扱うことができるようにすることも明らかにしました。
待機時間短縮の背景とは?
今回、濃厚接触者の待機時間が短縮された背景について教えてください。
工藤先生
国立感染症研究所の報告によると、オミクロン株の潜伏期間は3日程度と従来株より短く、99%が10日以内に発症していたと示されています。1月13日に開かれた厚生労働省の専門家会合で、潜伏期間が従来のウイルスよりも短いことなどから、待機期間を短縮するよう求める意見が出されたのが背景です。
待機時間短縮への評価は?
今回示された濃厚接触者の待機時間を短縮する方針をどのように評価しますか?
工藤先生
急速に感染者が拡大している中で待機時間を短縮することで、医療のひっ迫や経済活動の縮小を抑えられるので、データに基づいてこのような決定をするのは有益だと考えられます。
まとめ
新型コロナウイルスの濃厚接触者に求めている宿泊施設や自宅での待機期間を、現在の14日間から10日間に短縮される方針であることが今回のニュースで明らかになりました。待機時間が短縮されることで社会機能維持にどれだけ効果が出るか注目が集まります。