【オミクロン株】国内でも2例確認
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」をめぐって、ナミビアから成田空港に到着した30代男性が感染した例を含め、これまで国内で2例の感染が確認されました。このニュースについて中路医師に伺いました。
監修医師:
中路 幸之助(医師)
今回報じられた内容は?
まず、今回報じられた内容について教えてください。
中路先生
新型コロナウイルスの新しい変異株であるオミクロン株は、南アフリカやナミビアのほか、欧州各国でも感染者が相次いでいますが、日本国内では2例が確認されました。
1例目は、11月28日夕に成田空港に到着した男性で、空港検疫で新型コロナウイルスへの感染が確認されたため、国立感染症研究所がゲノム(全遺伝情報)解析した結果、オミクロン株の感染が判明しました。なお、男性は発熱症状があり、検疫所が用意した施設で療養しており、同行していた家族2人は陰性でした。
2例目は、11月末に成田空港に到着した外国人の男性で、こちらも検疫所で新型コロナウイルスへの感染が確認され、その後、国立感染症研究所で検体の遺伝子を解析した結果、オミクロン株への感染が確認されたということです。
オミクロン株の感染者は国内で今後増える?
これまでは、空港の検疫所で感染した2例が確認されているだけですが、今後国内で感染者が増える可能性はあるのでしょうか?
中路先生
オミクロン株の感染力については、まだ不明です。南アフリカでの疫学調査においても、サンプルサイズが小さく、その情報をもっての判断は困難です。
しかし、現在流行中のデルタ株に取って代わって感染拡大したことより、オミクロン株の感染力は増してきている可能性はあると思われます。現在点での政府対応は、世界のすべての国や地域を対象に外国人の新規入国を原則停止するなどの水際対策を徹底し、1日あたりの入国者数の上限を今の3500人程度から引き下げることも検討しています。また、モニタリングの強化としてオミクロン株にかかる指定国や地域からの帰国者・入国者についてフォローアップの強化を示しています。
ただし今後、市中感染が起きるのを完全に防ぐのは難しいかもしれません。オミクロン株には、スパイクタンパク質の変異が少なくとも30もあり、ワクチンが効きにくい性質や高い感染力を持つ可能性が指摘されています。
オミクロン株に関する情報に対して気をつけたいポイントは?
まだ明らかになっていることが少ないオミクロン株ですが、今後出てくる情報について注意すべきポイントを教えてください。
中路先生
オミクロン株に対するワクチンの効果については、今後の疫学的な情報を注視していく必要があると考えます。状況によっては、2回目の接種との間隔を原則8カ月以上とした方針を見直すことも検討されます。
今後の多くのオミクロン株に対する様々な情報が出てくると考えられますが、「3密を避ける」、「手洗い」、「アルコール消毒」、「マスク着用」などの基本的な感染防御を忘れないことが肝要と考えます。
まとめ
新型コロナウイルスの新しい変異株であるオミクロン株が、国内で2例確認されたことが明らかになりました。今後、この新たな変異株が社会にどう影響を与えていくのか今後明らかになる変異株の特性などに注目が集まります。