【新型コロナウイルス】5~11歳へのワクチン接種、早ければ来年2月にも
厚生労働省は、5〜11歳への新型コロナウイルスのワクチン接種について、早ければ来年2月に始まる可能性があるとして各都道府県などに接種体制の準備を行うように文書で通知しました。このニュースについて工藤医師に伺いました。
監修医師:
工藤 孝文(医師)
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。
厚生労働省が出した通知の内容とは?
まず、厚生労働省が出した通知の内容について教えてください。
工藤先生
この通知は11月16日、各都道府県などに向けて出されたものです。5〜11歳向けの新型コロナウイルスワクチンについて、「早ければ来年2月頃から接種する可能性がある」として、接種を担う自治体に準備を進めるよう求めたものになります。
ファイザー社が5〜11歳向けに接種できるよう、11月10日に厚生労働省に対して承認を申請していますが、今回の通知でファイザー製が承認された場合、5〜11歳は1回の注射量が少ないため、12歳以上のワクチンとは別の種類として明確に区別して扱うよう求めています。
厚生労働省の専門家分科会は、11歳以下の子どもを接種対象とするかどうかの議論を始めていますが、方針は固まっていません。
ワクチンの接種年齢の引き下げで期待できる効果は?
現在、ワクチンの接種年齢は12歳からですが、5歳に引き下げることで期待できる効果について教えてください。
工藤先生
小児に対してワクチンの接種が可能になれば、社会的により一層の感染拡大予防となることは間違いありません。
また、学校教育の中でもコロナによって制限がされるような活動(運動会や体育、水泳の授業など)についても制限の緩和ができるようになるかもしれません。そのため、特に学校や教育に関係する方々や、小児の保護者における負担の軽減に役立つと考えられます。
子どもがワクチン接種する際に気をつけるべきことは?
5〜11歳の子どもがワクチン接種する際、気をつけるべきことはありますか?
工藤先生
小児に関しては、思いがけない副反応が出る可能性もあります。
また、長期的発育に関わる副反応が出る可能性もありますので、何か変だと思った際にはすぐに受診・相談をする必要があります。加えて、ワクチンを接種した子どもとそうでない子どもの間に差が生まれる可能性があります。そのため、精神面や社会面での配慮も大人以上に必要になってくることでしょう。
以上のような安全性と有効性を保護者が慎重に判断して、接種を検討するべきだと考えます。
まとめ
5〜11歳の子どもへのファイザー製新型コロナウイルスワクチンの接種は、アメリカやイスラエルなどの海外で既にスタートしています。今回明らかになった厚生労働省の通知によると、早ければ来年2月から日本でもスタートする可能性があるとのことで、今後の動向に注目が集まります。