【新型コロナウイルスワクチン】18歳以上を対象に3回目接種を特例承認
新型コロナウイルスワクチンの3回目接種について、厚生労働省はファイザー製のワクチンを使用することを特例承認しました。このニュースについて工藤医師に伺いました。
監修医師:
工藤 孝文(医師)
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。
3回目接種の特例承認とは?
今回、特例承認された新型コロナウイルスワクチンの3回目接種のニュースについて教えてください。
工藤先生
厚生労働省は11月11日、新型コロナウイルスのファイザー製ワクチンについて、18歳以上を対象に、3回目の追加接種に使用することを特例承認しました。
18歳以上の希望者を対象におこなう方針で、医療従事者は12月から、高齢者は来年1月から接種が始まる予定です。接種の間隔については2回目の接種から8カ月以上間隔を空けることを標準としつつ、6カ月が経過した人も、自治体の判断で対象とすることができることになりました。
この承認に伴い、11月15日には全国の自治体や医療機関などに向けて3回目接種用のファイザー製のワクチンの配送が始まっています。厚生労働省によると、今回準備されたワクチンは全国で412万回分で、各都道府県の必要量に応じて、東京都はおよそ42万回分、神奈川県はおよそ23万回分、大阪府はおよそ22万回分が配送されるとのことです。
3回目のブースター接種の効果は?
3回目のブースター接種の効果について教えてください。
工藤先生
ファイザー製のワクチンを2回打った16歳以上の1万人以上が参加してブースター接種の効果を検証した臨床試験の結果が発表されています。
参加者は2回目の接種から平均11カ月を過ぎた時点で、3回目のブースター接種か偽薬を打ち効果を比較したところ、3回目のブースター接種で同じファイザー製を打ったグループでは5人が新型コロナを発症しましたが、偽薬を打ったグループでは109人が発症しました。発症を防ぐ有効性は95.6%だったそうです。また、デルタ株にも効果があるとの見方も示されています。
今後接種対象年齢が引き下がる可能性は?
今回決まった追加接種の対象は18歳以上ですが、今後対象年齢を引き下げる可能性はあるのでしょうか?
工藤先生
実際にどうなるかは、今後の臨床試験や先行して追加接種をおこなっている海外諸国の報告を待ってからになると思います。
小児に対しても接種される可能性はある一方で、18歳以上の追加接種で十分に感染が抑え込めるということになれば、小児に対する追加接種は不要という結論になる可能性もあります。
まとめ
ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が特例承認され、医療従事者に対しての接種は12月から始まることになります。臨床試験では有効なデータが示されており、その効果に期待が集まりそうです。