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モデルナ製ワクチン、6~11歳に強い免疫反応を確認

 更新日:2023/03/27

新型コロナウイルスワクチンの接種年齢の拡大に向けて、臨床試験が行われています。アメリカのバイオ技術企業モデルナは、6~11歳を対象とした新型コロナウイルスワクチンの臨床試験における免疫反応について発表しました。今回の発表について、中島先生に詳しくお伺いします。

中島 由美 医師

監修医師
中島 由美 医師

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金沢医科大学医学部卒業後、同大学病院にて小児科・内科として研修を積む。その後は複数の病院で内科医や皮膚科医として勤務。2018年より福岡市中央区に「国を超えた新しい形の医療を提供」をコンセプトに、クリスタル医科歯科クリニックを歯科医師である夫と開院。

今回の発表の詳細は?

今回の発表について、詳しく教えてください。

中島 由美 医師中島先生

モデルナ社は同社の新型コロナウイルスワクチンの対象年齢拡大に向けて、臨床試験を行っていました。10月25日、6~11歳を対象とした臨床試験において、接種後に強い免疫反応が確認されたことを発表しました。今回のデータは、各国の規制当局へ提出されます。

なお、モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンは、アメリカでは18歳以上、日本では12歳以上への接種が認められています。

臨床試験の結果は?

今回の6~11歳に対する臨床試験の結果について詳しく教えてください。

中島 由美 医師中島先生

モデルナ社によると、6~11歳の4753人を対象とした臨床試験です。通常量の半分を2回投与した結果、軽度から中等度の副反応が現れました。また、抗体も大幅に増加しています。この抗体量の増加は、新型コロナウイルスワクチンの効果があったことを示します。

モデルナ製ワクチンの副反応の種類

モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンには、どのような副反応が現れるのでしょうか?

中島 由美 医師中島先生

モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの添付文書に掲載されている副反応とその発症割合は、次のとおりです。

50%以上……接種部位の痛み、頭痛、疲労、筋肉痛
10~50%……関節痛、吐き気、嘔吐、悪寒、リンパ節症、発熱、接種部位の腫れ、発赤、紅斑
1~10%……接種後7日以降の接種部位の痛みや腫れ、紅斑

このように、半数以上の人に疲労や頭痛など全身の症状が現れています。6~11歳への接種時の副反応の詳細は公開されていません。

まとめ

モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンを6~11歳に接種した結果、ほかの年代と同じく副反応が現れました。接種年齢の拡大については、今回の臨床試験を含め慎重に進められています。今後、臨床試験によって6~11歳への接種における安全性が認められた場合は、日本でも接種年齢が拡大される可能性があります。今後も、モデルナ製の新型コロナワクチンをはじめ、その他の臨床結果についても随時チェックしておきたいところでしょう。

この記事の監修医師