熊本の製薬会社、新型コロナワクチンの2000人規模の治験を開始
熊本の製薬会社「KMバイオロジクス」は、新型コロナウイルスワクチンの治験を開始したと発表しました。同社が開発中のワクチンは、国産ワクチンとして注目を浴びています。今回の発表について中島先生に詳しくお伺いします。
監修医師:
中島 由美 医師
目次 -INDEX-
今回の発表の詳細は?
今回の発表について、詳しく教えてください。
中島先生
熊本市に本社がある製薬会社のKMバイオロジクスは、新型コロナウイルスワクチンを開発中です。開発中のワクチンは、毒性や感染力を人工的に失わせたウイルスを使用する「不活化ワクチン」というものです。国立感染症研究所や東京大学などと共同で開発しており、2022年度中の実用化を目指して10月22日に中間段階の治験を開始したことを発表しました。
治験の内容は?
KMバイオロジクスが実施する治験の内容について、詳しく教えてください。
中島先生
治験の対象は、他社の新型コロナウイルスワクチンを接種していない18歳以上の男女2000人です。27日間隔で2回接種し、抗体量の変化や安全性を調査します。治験でワクチンの有効性と安全性を確認できた場合は、より多くの人を対象とした最終段階の治験が行われます。その後、2022年7~9月頃にワクチンの製造・販売の承認を厚生労働省に申請する予定です。
KMバイオロジクスの会社概要
そもそも、KMバイオロジクスとはどのような会社なのでしょうか?
中島先生
KMバイオロジクスは、インフルエンザワクチンや血漿分画製剤などを開発した製薬会社です。人だけではなく、動物用のワクチンや医薬品を開発した実績があります。免疫学や微生物学、血液学、獣医学など、さまざまな知識をベースにバイオ技術を活用し、時代のニーズに応える先端的な研究に取り組んでいます。常に最新の技術の構築を目指しており、過去には日本初の遺伝子組み換えB型肝炎ワクチン「ビームゲン」を開発しました。
予防、治療のプロフェッショナルとして生命科学の可能性に挑戦し、世界中の人々の健康で豊かな未来に貢献することを企業理念としています。
まとめ
KMバイオロジクスが開発している新型コロナウイルスワクチンの治験が始まりました。良い結果となった場合は、大規模な治験へと移行する予定です。KMバイオロジクスはこれまでにさまざまな医薬品やワクチンを開発してきている社会的信頼性が高い企業と言えるでしょう。今後も、治験の結果や進捗に関する報告を随時チェックしておきたいところですね。