ファイザー製コロナワクチン、ブースター接種で有効性95.6%
アメリカの製薬大手ファイザーとドイツのバイオ企業ビオンテックは、共同開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、3回目のブースター接種に95.6%の有効性があると発表しました。このニュースについて中路医師に伺いました。
監修医師:
中路 幸之助(医師)
発表された臨床試験の結果とは?
今回発表された臨床試験の結果について教えてください。
中路先生
今回発表された臨床試験は、ファイザー製のワクチンを2回打った16歳以上の1万人以上が参加してブースター接種の効果を検証したものです。
参加者は2回目の接種から平均11カ月を過ぎた時点で、3回目のブースター接種か偽薬を打ち、効果を比較されました。3回目のブースター接種で同じファイザー製を打ったグループでは5人が新型コロナを発症しましたが、偽薬を打ったグループでは109人が発症しました。発症を防ぐ有効性は95.6%だったそうです。デルタ株にも効果があるとの見方も示されています。
ブースター接種とは?
今回の臨床試験で調べられたブースター接種について教えてください。
中路先生
新型コロナウイルスのワクチン接種を終えた人の免疫をさらに強化するため、3回目の接種をすることです。
ファイザーやモデルナなど新型コロナワクチンの多くは2回の接種が基本ですが、感染力の強いデルタ型などの流行でワクチンの効果が下がるとの懸念が出ており、イスラエルや英国など一部の国が追加接種に動き始めています。日本では早ければ12月にも開始される予定です。
今年2月から先行接種した医療従事者ら約104万人を最初の対象者に想定しています。来年1月に医療従事者や高齢者、一般住民ら約304万人、同2月に同じく約1399万人の接種が見込まれています。
ブースター接種を受ける際の注意点は?
ブースター接種を受ける際に注意すべき点などはあるのでしょうか?
中路先生
やはり、発熱などの副反応ですが、海外からの報告では2回目とさほど変わりません。また、今後3回目以降のさらなる接種に関してはその時の感染状況により、リスクとベネフィットを考え総合的に判断すべきと考えます。
まとめ
今回の臨床試験により、ファイザー製のワクチンをブースター接種することで95.6%の有効性があることが示されました。日本政府もブースター接種のために来年1月から新型コロナワクチン1億2000万回分の追加供給を受ける契約をファイザー社と結んでおり、今回の有効性は注目を集めそうです。