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初回から「オンライン服薬指導」恒久化へ

 更新日:2023/03/27

厚生労働省がスマートフォンやパソコンなどの画面越しに薬剤師が薬の使い方を説明する「オンライン服薬指導」を初回からの適用することを恒久化すると読売新聞が報じました。近く省令や通知の改正案を示し来年度からの運用を目指すとのことです。このニュースについて井筒先生に伺います。

井筒 琢磨 医師

監修医師
井筒 琢磨 医師

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江戸川病院所属。専門領域分類は内科(糖尿病内科、腎臓内科)

オンライン服薬指導とは?

オンライン服薬指導について、詳しく教えてください。

井筒 琢磨 医師井筒先生

スマートフォン・パソコン・タブレットなどのビデオ通話機能を使って、自宅にいながら薬剤師からお薬の説明を受けたり、外出することなくお薬を受け取ったりことができるサービスです。服薬指導は、処方された薬の用法・用量や、副作用を薬剤師が対面で患者に説明するものです。これがオンラインの場合、医療機関から薬局に対してファクスで処方箋を送ります。その後、薬剤師がスマートフォン・パソコン・タブレットなどのビデオ通話機能を使って患者と会話して、お薬手帳などで過去に使った薬の情報を確認しながら服薬指導を実施することになります。薬は、郵送などの方法で患者に届けられます。新型コロナウイルスの流行で、厚労省は昨年4月から特例的に初回からの利用を認めていました。

取り扱いに注意が必要な医療用麻薬などを除く全ての薬が対象となるといいます。また患者の理解度を的確に把握するため、電話での対応は認めない方針とのことです。

恒久化するとどんなメリットが?

恒久化することでのメリットについて、詳しく教えてください。

井筒 琢磨 医師井筒先生

①好きな時間、場所で薬の説明を受けることができる(要事前予約)
②周囲を気にしないで相談・質問ができる
③自宅で薬の受け取りができる
④オンラインで決済ができる

対面だと密になっているのかも気になるところですが、オンラインだとその心配もなさそうですね。自宅での薬の受け取りも便利なように感じます。

実際にどれくらいの人が利用している?

オンライン服薬指導の実際の利用状況について教えてください。

井筒 琢磨 医師井筒先生

これだけメリットがあるオンライン服薬指導であれば、さぞ多くの人が利用しているのではないかと思いますが、実は利用がほとんど進んでいないことがわかっています。

2021年5月23日~25日にデロイトトーマツグループが20歳以上の1324人に対してWebアンケートを実施したところ、オンライン服薬指導の認知度は52.2%と過半数を超えたのに対して、利用度はわずか6.1%と普及が進んでいないことが明らかになったそうです。
調査では、医療従事者からの推奨があれば使いたいと答えた人が27.4%と最多になっているそうです。

まとめ

オンライン服薬指導は自宅で受けることが可能で、診療や薬局に同伴していない家族とも情報を共有しながら、服薬指導を一緒に聞けるといったメリットもあります。また処方された薬を取りに行くことが困難なケースでは、薬の郵送を合わせて用いることであらゆる世代でより医療へのアクセスが良好となり、治療へのコンプライアンスを改善することへも繋がっていくことが期待されます。
懸念点としては患者が複数の医療機関や薬局に通院している場合、正しく情報共有がされず薬剤の重複や併用注意の薬剤を用いてしまう可能性もあるため、通院歴や処方歴などをオンライン上で正確に判断する技術も求められます。

この記事の監修医師