新型コロナワクチン接種年齢5~11歳へ引き下げの準備に
ドイツのビオンテック社は、新型コロナウイルスワクチンの5~11歳への接種ができるよう、準備を進めていることを公表しました。今回の発表の詳細について中島先生に詳しくお伺いします。
監修医師:
中島 由美 医師
今回の発表の詳細は?
今回の発表の詳細について、詳しく教えてください。
中島先生
新型コロナウイルスワクチンを米製薬大手ファイザーと共同開発したドイツのバイオ医薬品企業ビオンテック社の最高医療責任者エズレム・トゥレジ氏が、新型コロナワクチンの5~11歳を対象とした臨床試験の結果、有効性を期待できる強い免疫反応と安全性を確認したことを踏まえ、近く米食品医薬品局(FDA)など各国の規制当局へ使用の許認可を申請する意向を示しました。また、生後6ヶ月以上の乳幼児を対象とした臨床試験のデータも2021年中に得られる見通しとのことです。
同氏は、ワクチンを接種していない人の間で感染拡大が続いている事態を懸念しており、冬を迎える前にワクチン接種のペースを加速させることが重要であるとの見方を示しています。同時に、ワクチンの生産が接種のペースに間に合わなくなる事態を防ぐために、生産能力の大幅に向上させていることも公表しました。
0歳~10代のワクチン接種の状況は?
0歳~10代のワクチン接種について、世界の状況を教えてください。
中島先生
デルタ株をはじめとする変異ウイルスの感染拡大を受け、10代のワクチン接種が各国で急がれています。その一方で、12歳未満へのワクチン接種は日本を含め対象としている国はありません。
エズレム・トゥレジ氏は、5~11歳向けのワクチンは成人が接種するワクチンと同成分であり、接種用量を12歳以上の3分の1に減らすだけで対応できるとして、すでに生産に向けて準備を始めています。
子供のワクチン接種の副反応は?
ワクチン接種対象の年齢が引き下げられた場合、副反応を懸念する声が相次ぐ可能性があります。子供のワクチン接種における副反応について、詳しく教えてください。
中島先生
日本においては、12歳以上を含めて子供へのワクチン接種による副反応についての十分なデータが集まっていません。ただし、接種部位の痛みは全接種の約90%と高いことに加え、発熱や倦怠感、頭痛などが15歳以上の若年成人に多く報告されています。
まとめ
今後、ワクチン接種の対象年齢が5~11歳へ引き下げられる可能性があり、日本でも接種対象年齢が引き下げられる可能性も出てきました。特に子供がいる家庭では、子供に対するワクチン接種の効果や安全性について随時チェックしておきましょう。