【英・オックスフォード大学発表】異なる2種類のワクチンを接種すると副反応の頻度増加
2種類の新型コロナウイルス感染症のワクチンを1回ずつ接種した場合、発熱や悪寒、倦怠感といった副反応が現れやすくなることをイギリスのオックスフォード大学などの研究チームが発表しました。今回は、異なるワクチンの接種による副反応への影響について中島先生に詳しくお伺いします。
監修医師:
中島 由美 医師
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今回の発表の詳細は?
異なる種類の新型コロナウイルスワクチンを接種すると副反応が現れやすくなる件について、詳しく教えください。
中島先生
イギリスのオックスフォード大学などの研究チームは、同じ新型コロナウイルスワクチンを接種した場合よりも異なるワクチンを1回ずつ接種した場合の方が、副反応が現れやすくなるという研究結果を発表しました。
臨床試験の対象者は、イギリスの50歳以上の463人です。1回目がアメリカのファイザー製、2回目がイギリスのアストラゼネカ製のワクチンを接種するグループと、2回とも同じワクチンを接種するグループに分けました。異なるワクチンを接種したグループでは、2回目の接種後に41%に発熱が現れ、反対の順番で接種した際は34%に同様の症状が現れました。一方、1回目と2回目のどちらも同じワクチンを接種したグループのうち、発熱が現れた割合は10~21%と有意に低くなっています。
さらに、悪寒や倦怠感などの副反応に関しても、1回目と2回目ともに同じワクチンを接種したグループよりも、1回目と2回目で異なるワクチンを接種したグループの方が高頻度で現れました。
なお、入院が必要になるほどの重い副反応は起きていません。臨床ウイルス学の専門家である北里大学の中山哲夫特任教授は、「違うワクチンを併用しても新型コロナウイルス感染症の発症を抑える効果は期待できるが、基本的に1回目・2回目ともに同じワクチンを接種すべきだ」と話しています。
どのような副反応がある?
新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種すると、どのような副反応が起きる可能性があるのでしょうか。
中島先生
ワクチンによって副反応の種類と発生頻度が異なります。ファイザー社の新型コロナウイルスワクチンの副反応は、次のとおりです。
・接種部位の痛み、腫れ
・疲労
・頭痛
・筋肉痛
・悪寒
・関節痛
・下痢
・発熱
・吐き気
・嘔吐
ワクチンの接種後、2日以上の発熱が続いたり重い副反応が現れたりした場合は、医療機関を受診してください。
まとめ
新型コロナワクチンは、異なるワクチンを1回ずつ接種しても効果は期待できるものの、副反応が現れやすくなることがわかりました。異なるワクチンを1回ずつ接種するメリットは、現時点ではわかっていません。専門家は、副反応のことを踏まえると、2回とも同じワクチンを接種した方がよいとの見解を示しています。今後も、ワクチンの副反応について最新情報を随時チェックしたいところですね。