新型コロナ抗体保有率を厚労省が発表
厚生労働省は無作為に抽出した一般住民に対して抗体検査を行い、新型コロナウイルスに感染したことがある人の割合を公表しました。現時点では、感染率よりも抗体保有率が高いことがわかっています。ここでは、新型コロナ抗体保有率について中島先生に詳しくお伺いしました。
監修医師:
中島 由美 医師
抗体保有率の調査方法と結果は?
新型コロナウイルスの抗体を保有している人の調査方法について、詳しく教えください。
中島先生
今回の調査対象は、東京都と大阪府、宮城県です。感染者が多い地域として東京都と大阪府を、感染者が少ない地域として宮城県を選びました。実施期間は6/1~6/7で、対象者は無作為に抽出された一般住民です。
調査の結果、新型コロナウイルスの抗体を持つ人は、東京都約1971人のうち0.1%(約2人)、大阪府は2970人のうち0.17%(約5人)、宮城県は3009人のうち0.03%(約1人)と判明しました。
東京都の人口推計は令和2年4月1日時点で1398万2622人です。今回の結果を踏まえると、約2万人が新型コロナウイルスの抗体を持っている可能性があります。
抗体保有率の調査が行われた理由は?
今回、なぜ抗体保有率の調査が行われたのか、その理由を詳しく教えください。
中島先生
人は、感染症にかかると体内で抗体が作られます。抗体は、同じ細菌やウイルスが再び侵入したときに身体を守る役割を果たしているのです。
抗体検査を無作為に抽出した人に対して行うことで、どの程度の人が新型コロナウイルスに感染したことがあるのかがわかります。その結果、ワクチン接種が必要な人数や第二波で感染する恐れがある人の推計が可能です。
新型コロナウイルスの第二波への警戒やワクチン開発などを踏まえ、抗体保有率の調査が行われたのだと思われます。
今回の結果に基づいて国民がとるべき行動は?
今回の調査で新型コロナの抗体保有率がわかりましたが、私たち国民としては何に注意すればよいのでしょうか。
中島先生
抗体保有率は感染率より高かったものの、大半の人が新型コロナウイルスの抗体を持たないことがわかりました。そのため、国民としては感染症対策のために手洗いや消毒、換気などを続けていくことが大切です。このような対策は、新型コロナ以外の感染症予防としても役立ちます。
まとめ
感染者が多い東京は約0.1%、大阪は0.17%、感染者が少ない宮城では0.03%が新型コロナウイルスに感染していることが判明しました。多くの人は新型コロナウイルスに感染していないことがわかったため、国民としては気を緩めずに感染症対策を続けたいところでしょう。