緊急事態宣言で東京の暮らしどうなる 休業要請業種・施設まとめ

安倍晋三首相は7日、新型コロナウイルスまん延阻止のための「緊急事態宣言」を発令した。期間は5月6日までの1カ月間で、対象となるのは、東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県。同宣言により、該当する都府県の首長は、感染防止に必要な協力を要請、指示できるようになる。今後、市民の生活はどう変わっていくのだろう。首都圏1都3県で制限される私権の範囲についてまとめた。
※この記事は4月10日時点の編集部調査にて作成しております。正確な内容については、各行政・団体の発表等を必ずご確認ください。
目次 -INDEX-
強制力を伴わない「要請」
「緊急事態宣言」が強制力をもつのは、①医療施設開設を目的とした土地・建物の収用、②医薬品や食品の売り渡しの2点のみ。これらは、一般的な市民に“ほぼ”無縁な項目だろう。問題は、学校なども含めた「外出先の業種」と思われる。
ところが、特定業種に絞りこんだ強制措置は、現行法で規定されていない。つまり、「どこへ出かけようと、どのような施設を営業しようと、それに対する罰則がない」ということだ。ただし、都道府県立の学校に関しては、特措法45条の2に基づき、知事の判断で休校できる。しかし、これについても罰則はない。また、過去にクラスタ感染が認められた「クラブ」や「イベント施設」などについても自粛要請にすぎず、私権が侵されることはない。なお、要請に応じなかった施設は、その後の指示を受けると、施設名が公表される。
もう1点、指示・要請が認められる要件として、「1000平方メートルを超える床面積」という項目がある。より広い施設のほうが、より多人数の来場につながり、より感染率を高めるという発想によるものだろう。しかし、あくまで「要請」という趣旨からすると、1000平方メートル以下の施設であっても「呼びかけ」はできる。
小池都知事が国に要請した「業種指定」
「緊急事態宣言」を受け、東京都を除く6府県の知事が出した声明は、具体的な業種に触れていない。国は7日、急きょ変更した「基本的対処方針」のなかで、「(具体的施策は)自粛の効果を見極めてから」との方向性を示したからだ。他方、東京都の小池知事は、実効性のある“業種指定”を要望。その内容について国と調整を図ったため、他府県の発表に一歩遅れた形だ。結局、10日の段階で示された都の方針は、以下の通り。
新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等 https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/661/2020041000.pdf
休業協力要請の対象施設(東京都)
遊興施設等
キャバレー、ナイトクラブ、バー、インターネットカフェ、漫画喫茶、個室ビデオ店、公衆浴場、カラオケボックス、射的場、場外車券売り場、ライブハウス、ストリップ劇場など大学・学習塾等
大学、専修学校、自動車教習所、学習塾など ※床面積の合計が1,000㎡を超えるものに限る運動・遊戯施設
体育館、水泳場、ボウリング場、スポーツクラブ、マージャン店、パチンコ店、ゲームセンターなど劇場等
劇場、観覧場、映画館、演芸場集会・展示施設
集会場(ホテル等の集会場含む)、公会堂、展示場、博物館、美術館、図書館など ※床面積の合計が1,000㎡を超えるものに限る商業施設
生活必需品の小売り関係以外の店舗など ※床面積の合計が1,000㎡を超えるものに限る 小池都知事は10日の会見の中でとくに「居酒屋」に触れ、営業は夜8時まで、酒類の提供は夜の7時までと具体的な時間を示した。大手チェーン・施設などの営業実態
自治体の要請を受けずとも、自主的な臨時休業に踏みきった民間商業施設がある。主だった業種・施設名は、以下のとおり。なお、とくに注記のない限り、対象となるのは7都府県の各店舗。総じて、マスクを外しての飲食や会話が想定される「カフェ」の臨時休業が顕著だ。なお、再開時期の目安は、ほとんどの企業が「未定」としている。


