「リベドー(網目状で赤紫色の模様)」ができる原因はご存知ですか?医師が監修!
皮膚に網目状で赤紫色の症状が現れることを、リベドー(細網状皮膚)といいます。皮膚の末梢循環不全により起こる症状で、大理石様皮膚、細網状皮膚、分枝状皮斑などの分類があります。
感染症や血管炎など、ほかの疾患が原因でリベドーが現れることも多いため、原因となる病気の治療が重要です。
今回はリベドーの症状や原因、検査や治療方法などについて詳しく解説します。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
リベドーとは
リベドーとはどのような疾患ですか?
まず、皮膚の末梢循環について解説しましょう。皮膚の深部から表皮に向けて小動脈が伸びています。その小動脈は枝分かれして毛細血管となりますが、近くにあるほかの小動脈から枝分かれした毛細血管とくっついて小動脈となります。
この毛細血管は血流が弱くて遅いため、寒さやさまざまな疾患によって末梢循環不全を起こしてしまうのです。末梢循環不全を起こすと、毛細血管が拡張したり赤紫色に変化したりします。これらの毛細血管は網目模様をしているため、末梢循環不全を起こしたときに網目模様で赤紫色の症状が現れます。
リベドーは、3つに分類されます。
リベドーの分類を教えてください。
ここで器質的変化があるとは実際に毛細血管などで(目で見てわかるような)障害が生じていることを指します。
リベドーの症状
リベドーの症状を教えてください。
大理石様皮膚の症状
大理石様皮膚の症状を教えてください。
症状は一時的なもので、器質的な変化はありません。
細網状皮膚の症状
細網状皮膚の症状を教えてください。
リベドーは消えにくい傾向ですが、気温が高い夏に消失することもあります。
器質的な変化はないことが多いのですが、静脈が詰まってしまった所見などが見られることもあります。
分枝状皮斑の症状
分枝状皮斑の症状を教えてください。
うっ血や拡張だけではなく、さまざまな基礎疾患によって小動脈に炎症が起こることで、網目模様が途切れます。
進行すると皮膚に炎症や潰瘍が起こることもあるリベドーです。このように器質的な変化があることも、大理石様皮膚や細網状皮膚との違いです。
リベドーの原因
リベドーの原因を教えてください。
特にうっ血、塞栓、血管壁沈着、血管壁の炎症などの血管系の機能異常や器質的異常によってリベドーは起こります。
血流障害
血流障害を起こす疾患には、どのようなものがありますか?
ほかにも、寒冷凝集素疾患などが血流障害の原因になります。
血管壁障害
血管壁障害を起こす疾患には、どのようなものがありますか?
また、梅毒や結核、C型肝炎などの感染症や、高カルシウム血症や副甲状腺機能亢進症など、さまざまな疾患が血管壁障害の原因となります。
特発性
特発性には、どのようなものがありますか?
その他疾患
ほかには、どのような疾患が原因となりますか?
リベドーの受診科目
リベドーが疑われる場合、何科を受診すればいいでしょうか?
リベドーの検査
リベドーの検査方法を教えてください。
また、静脈瘤のようなほかの疾患との鑑別が重要です。鑑別が必要な場合は、皮膚の一部を切り取って顕微鏡で調べる生検が有効です。静脈瘤も疑われる場合には静脈機能の評価も有効です。
リベドーの治療方法
リベドーの治療方法を教えてください。
原因となる疾患がない場合でも、薬の内服による対症療法を行います。基本的には血液凝固を予防する薬の内服ですが、ステロイドを併用する場合もあります。
リベドーの症状を軽くするには
リベドーの症状を軽くする方法はありますか?
また、長時間の歩行はよくありませんが、血流を助ける程度の軽い歩行は必要です。
編集部まとめ
リベドーは、皮膚に網目状で赤紫色の症状が現れる疾患です。皮膚の末梢循環不全により起こる症状で、大理石様皮膚、細網状皮膚、分枝状皮斑などの分類があります。冬の寒い時期に多い疾患です。
大理石様皮膚は寒い季節に小児が発症することが多く、精神的な影響で現れることもあります。細網状皮膚は、大理石様皮膚よりも持続時間が長いことが特徴です。どちらも網目模様が保たれて、器質的な変化はありません。
一方で分枝状皮斑は網目模様が保たれず、器質的な変化があります。
リベドーの原因は主に血流障害や血管壁障害、特発性などが考えられ、さまざまな疾患が原因となります。
リベドーの診察は比較的容易で、治療は薬の内服による対症療法が中心です。リベドーが現れた場合、ほかの疾患が原因の場合もあるので、早めに皮膚科を受診しましょう。