長年培った技術で、母体も胎児も安全な自然分娩【千葉県木更津市 重城産婦人科小児科】
近年、帝王切開による出産が増えているという。とはいえ「帝王切開は赤ちゃんや母体に大きな負担がかかるのでは?」と、不安を感じる女性も多くいる。特に逆子など、帝王切開を余儀なくされる可能性のある人にとって、そうした懸念はぬぐえないだろう。そこで、「胎児と同じくお母さんの体も大切に」をモットーに、長年自然分娩を推奨している重城産婦人科小児科の重城利國先生に話をうかがった。自然分娩を推奨される理由、そして今、帝王切開が増加する真相は何なのだろうか?
重城 利國(じゅうじょう としくに)
重城産婦人科小児科 院長
1971年群馬大学医学部卒業、同大学医学部附属病院 医員になり内分泌を研究。72年より、群馬中央合病院 産婦人科で医員に。73年には榛名女子学院 医務課長に就任、74年より群馬大学医学部助手に。4年後の78年、同大学医学博士を授与、同年、伊勢崎市民病院 医長に就任。79年、群馬大学医学部講師を経て、80年に婦人科内視鏡研修にて西ドイツ キール大学産婦人科へ留学。同年、高崎総合医療センター 医長に就任。87年、群馬県済生会前橋病院 産婦人科部長(内視鏡、体外受精)になった後、重城産婦人科小児科を開業。
目次 -INDEX-
可能な限り、大切なお母さんの体を切らない、傷つけない自然分娩を
なぜ今帝王切開での出産が増えているのでしょうか?
逆子の場合などは、特に帝王切開になるケースが多いと聞きます
帝王切開で出産することで、将来も含めて母体や赤ちゃんにリスクはないのでしょうか?
貴院では帝王切開率が低いと聞いています。先生が自然分娩を推奨されるのはなぜでしょうか?
必要のない帝王切開を回避できる、吸引分娩、鉗子分娩の技術
分娩方法はほかにもさまざまなものがありますが、それぞれのメリット・デメリットを教えてください
お産の進みをよくするために、しゃがんでいきむ「座位分娩」はメリットがあると思います。私もいきみやすいのが一番だと思いますので、当院ではあまり姿勢にはこだわらず、患者さんから要望があればその姿勢に対応しています。
「和通分娩」は、助産師さんや看護師さんが子宮口が全開になるまで付き添って、腰をさすったりアドバイスしたり、色々気を紛らわせるものです。今はコロナ禍で家族の付き添いが難しいので、これも大切なのではないでしょうか。
帝王切開のほかにも、先生があまり推奨されない分娩方法はありますか?
24時間365日のフォローと、一人ひとりに向き合う姿勢を心がけて
出産への考え方は多様化していると思います。安産のために妊婦さんが行うべきことは何かありますか?
当たり前のことですが、「食事をバランスよく食べる」「糖分や塩分は摂りすぎない」「ストレスを溜めない」「適度な運動をする」などです。特に、太りすぎは産道が狭くなったり、いきみにくくなったり、妊娠高血圧を引き起こす危険性もあるので注意が必要です。
すぐに効果が出てくるかどうかはわかりませんが、当院では無料で月1回、マタニティヨガも行なっているのでぜひ利用して欲しいですね。ただ、実は最近お母さんが体重制限を積極的にやりすぎるために出生体重が減っていて、少し体重制限が緩和されています。
妊娠中に起こりがちな症状やトラブルで、注意すべきことはどんなものでしょうか?
「切迫早産」です。ですからお腹の張りには十分注意して欲しいですね。当院では24時間365日、「気になることがあれば電話してね」とお伝えして対応しています。
切迫早産は、“どういう生活をしていたから悪くなった”という原因究明が非常に難しく、詳しいところはまだよくわかっていないのです。そういったトラブルを早期発見するためにも、妊婦検診には毎回必ず来ていただきたい。また、気になることがあったときにもすぐに受診していただくことが大切です。
貴重なお話をありがとうございました。先生が今後目指される医療についてお教えください
出産という分野で、医師はある意味熟練工になるということです。実は私の場合、外科系の科に進もうと考えていまして、たまたま高校の先輩が国立病院の産婦人科の院長をやっていて、その先輩に誘われて産婦人科の医師になりました。
でも、産婦人科医になってから出産についてのリスクや重要性がわかってきて、知識や技術もどんどん積み重なり、今大切にしている「なるべく自然分娩を推奨する」という考えに辿りついたというわけです。これからもその考えをより多くの方に伝え、出産の熟練工として、一人でも多くのお母さんと赤ちゃんの命を守る、安全な出産のサポートを続けていきたいと考えています。
編集部まとめ
千葉県木更津市、JR内房線巖根駅より徒歩5分。長年にわたって地域の母子の健康を支えてきた重城婦人科小児科。院長の重城先生からのお話からは、お母さんと赤ちゃんに対する深い愛情と、長年積み重ねてこられた高い技術が感じられました。妊娠中の方はもちろん、逆子で不安を持たれている方、不妊治療を考えておられる方も、ぜひ一度ご相談に行かれてみてはいかがでしょうか。
医院名
医療法人社団重城産婦人科小児科
診療内容
産科 婦人科 小児科
所在地
千葉県木更津市万石358
アクセス
JR内房線「巖根」駅より徒歩5分