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アトピーの治し方とは?その原因と治療法について解説

 公開日:2023/12/14

アトピーがなかなか改善せずに、つらい思いをしていませんか?
本記事では、アトピーの治し方について以下の点を中心にご紹介します!
アトピーとは
アトピーの原因
アトピーの治療法
アトピーの治し方や原因について知りたい方、アトピーで苦しんでいる方はご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

そもそもアトピーとは

そもそもアトピーとは

アトピーとは、バリア機能の低下や皮膚の炎症が原因で、かゆみのある湿疹が慢性的にあらわれる症状とされています。外部からの刺激やアレルゲンが入りやすく、免疫細胞と結びついて炎症を引き起こします。
また、かゆみを感じる神経が皮膚表面に伸び、掻くことによって、さらなるバリア機能の低下を招く悪循環に陥ることがあります。
アトピーは、治療方法が存在しますが、完治することは難しい病気であるとされています。

アトピーの原因とは

アトピーの原因とは
アトピーの原因は、子どもの場合と大人の場合で違いがあります。それぞれの原因について解説していきます。

子どもの場合

アトピーは子どもに発症しやすく、特に幼少期に発症することが多いです。子どもの肌は未熟であり、肌のバリア機能が低いため、外部からの刺激に弱く、アレルギー反応を起こしやすいためです。
幼少期のアトピーの原因としては、「アトピー素因」と呼ばれる要因が考えられます。つまり、気管支喘息やアレルギー性鼻炎・結膜炎、家族歴、既往歴がある場合は、アトピー性皮膚炎になりやすい傾向があります。また、アレルギー体質の場合もアトピー性皮膚炎になる可能性が高くなります。
ただし、統計では生後4ヶ月で発症した子どものうち、1歳6ヶ月までに改善した子どもは全体の70%に上ると報告されており、成長とともに徐々に改善する場合が多いとされています。
アトピーで苦しむ小さな子どもたちにとっては、かゆみや掻き癖が悪化してしまうことが、治療の過程で非常にストレスフルな状況を引き起こすことがあります。そのため、医師や専門家に相談し、アトピーの症状を効果的に管理するための方法を見つけることが重要です。

大人の場合

アトピーは、遺伝的な要素に加えて、環境やライフスタイルの影響も受ける病気です。大人になってから初めて症状が出る場合もあり、社会人になったときのストレスや妊娠・出産などの環境変化、日々の生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変化が影響していると考えられています。
特に、働いている大人は慢性的なストレスにさらされている場合が多く、時間がなく継続的な治療が難しい場合もあります。そのため、症状の寛解と増悪を繰り返しやすく、最終的には治りにくい難治性の皮膚炎になることもあるとされています。
アトピーは完全に治すことは難しい病気ですが、ストレスの軽減や生活習慣の改善などを日常生活に取り入れることで、症状の緩和が期待できます。

アトピーの治し方

アトピーの治し方
アトピーは完全に治すことが難しい病気だということが分かりましたが、日常生活に支障がない状態を維持することが大切です。そのためにどのような方法があるか、以下で解説していきます。

薬物療法

アトピー性皮膚炎の治療には、外用療法と全身療法があります。
外用療法では、保湿外用薬が重要な役割を果たします。入浴後に塗ることで、皮膚の乾燥を改善し、バリア機能を回復させ、かゆみを抑えます。また、ステロイド外用薬は炎症を抑える効果があり、5つのランクがあります。重症度や塗る場所に合わせて使用し、必要な量を必要な期間、きちんと塗ることが大切です。
全身療法については、飲み薬や注射、紫外線療法などがありますが、医師と相談し、適切な治療法を選択しましょう。治療には時間がかかりますが、必要な治療を必要な期間、継続することがアトピー性皮膚炎に対処するための鍵です。

ステロイドについて

ステロイドは、私たちの体内で副腎皮質で作られるホルモンの一種であり、さまざまな生理的機能を担っています。例えば、ステロイドは免疫力や炎症を抑制する役割を持ち、私たちが健康的な生活を送るために欠かせない役割を果たしています。また、ステロイドは、糖や電解質の代謝にも関わっており、身体の代謝プロセスにも深く関与しています。
ステロイドは、1948年に初めてリウマチの患者に投与されたことで、その効果の高さが広く知られるようになりました。その後、ステロイド薬の研究を進めた3人の研究者が1950年にノーベル賞を受賞するなど、その有用性が高く評価されてきました。現在では、ステロイドは、口から飲むタイプの薬剤だけでなく、塗り薬や吸入薬、点眼薬など、幅広い病気の治療に利用されています。また、ステロイドは、アレルギーや喘息、リウマチ、慢性的な炎症性疾患などの治療にも用いられており、これらの病気に苦しむ患者たちの健康を守るために欠かせない治療法となっています。しかしながら、ステロイドの過剰な使用は、副作用を引き起こすことがあるため、医師の指示に従って正しく使用することが重要です。

ステロイド外用薬について

ステロイド外用薬は、湿疹や皮膚炎などの皮膚病の治療に広く用いられる薬剤です。日本では、外用薬の血管収縮作用の強さによって、5段階に分類されています。最も強い作用を持つのが1群であり、最も弱いのが5群に分類されます。医師は、患者さんの湿疹の重症度や治療する部位などを考慮して、適切な段階の薬剤を選択します。
ステロイド外用薬は、炎症やかゆみを鎮め、皮膚の腫れを減らす効果があります。また、ステロイド外用薬は、治療対象の病気が比較的軽度の場合には、外用薬のみで治療が可能なこともあります。しかしながら、ステロイド外用薬の過剰な使用は、副作用を引き起こすことがあるため、医師の指示に従って正しく使用することが重要です。
また、ステロイド外用薬は、使用期間が長いほど、副作用のリスクが高くなります。例えば、薄い皮膚や血管の拡張、あざ、肌の乾燥、色素沈着、アレルギー反応などの副作用が報告されています。このため、ステロイド外用薬を長期間使用する場合には、医師の指示に従って、定期的に検査を受ける必要があります。

スキンケア

アトピー性皮膚炎のスキンケアの基本は、清潔とうるおいを保つことです。皮膚を過度に洗いすぎると、皮膚が乾燥して逆にかゆみが増えるため、注意が必要です。皮膚についた汗や汚れを洗い流し、いつも清潔にしておくことが大切です。
保湿することで、皮膚の乾燥を防ぎ、うるおいを保つことが非常に重要です。また、紫外線から皮膚を守ることも大切です。紫外線は皮膚の水分を奪って乾燥させ、かゆみを引き起こすこともあります。過度の日焼けは避けた方がよいでしょう。
スキンケアは、アトピー性皮膚炎の症状を軽減するために、非常に重要な役割を果たします。

スキンケアの方法

体を洗うときに石鹸を使う際には、しっかりと泡立てることが大切です。泡立てる際には、固形石鹸を使用する場合には泡立てネットを利用すると泡立ちが良くなります。また、液体石鹸を使う場合には、泡立てネットやペットボトルを利用することで、泡立ちが増します。もし、時間がなかったり、泡立てが苦手だったりする場合には、最初から泡状になっているタイプの石鹸を利用すると便利です。石鹸には、皮脂をとりすぎず、適度なうるおいを残すタイプがおすすめです。洗いすぎることで、本来持っている保湿機能も失われてしまいます。
体を洗う際は、まず水でかるくぬらし、適量の石鹸を手に取り、泡立てます。泡立てる際には、固形石鹸であれば泡立てネットを使い、液体石鹸であれば泡立てネットやペットボトルを活用することができます。時間がない場合や泡立てが苦手な場合には、泡状になったタイプの石鹸を使うのも便利です。
次に、泡を使って体を洗います。洗う際には、指の腹で泡をしっかりとこすり込み、関節部のシワをのばしながら洗います。特に膝の表と裏は、しっかりと洗いましょう。お子さんの顔や目の周りを洗う際には、嫌がる場合がありますが、清潔な皮膚を保つためにも、しっかりと洗うことが大切です。洗い終わったら、しっかりと水で流し、柔らかいタオルで水気を拭き取りましょう。
体を洗うときに石鹸を使う際には、しっかりと泡立てることが大切です。泡立てる際には、固形石鹸を使用する場合には泡立てネットを利用すると泡立ちが良くなります。また、液体石鹸を使う場合には、泡立てネットやペットボトルを利用することで、泡立ちが増します。もし、時間がなかったり、泡立てが苦手だったりする場合には、最初から泡状になっているタイプの石鹸を利用すると便利です。石鹸には、皮脂をとりすぎず、適度なうるおいを残すタイプがおすすめです。洗いすぎることで、本来持っている保湿機能も失われてしまいます。

アトピーは食べ物で改善されるのか

アトピーは、肌が常に乾燥していることが原因で、かゆみや赤み、湿疹などの症状を引き起こします。一部の人は、特定の食べ物を食べると症状が悪化することがありますが、食物アレルギーが原因であると特定されるケースは少なく、特別な食事制限をする必要があるとは限りません。
アトピー性皮膚炎は、遺伝的素因と環境要因が相互作用して発症すると考えられています。例えば、大気汚染、花粉、ダニ、ペットの毛、汗など、外部刺激やストレスが引き金となることがあります。そのため、アトピー性皮膚炎の改善には、皮膚の保湿、外部刺激を避けること、ストレスを軽減することが重要です。
特に妊婦や授乳婦がアレルゲンを除去した食事をすることが、子どもがアトピー性皮膚炎を発症しなくなるという通説は、最近の研究で否定されています。実際には、母親の食生活と子どものアトピー性皮膚炎の発症には、あまり関係がないと考えられています。ただし、母親が健康的な食生活を送ることは、妊娠中や授乳期に必要な栄養を摂取するために重要です。
肌の健康を保つためには、適切な食事が欠かせません。
食事には、肌の代謝を促進するビタミンEや皮膚や粘膜の健康を維持するビタミンA、そして肌の乾燥や老化を防止するビタミンCなどの栄養素が含まれています。したがって、偏った食事や極端な糖質制限など、バランスを欠いた食生活は避けるべきです。
また、肌の健康を保つためには、体の内側からのケアも重要です。例えば、良質なタンパク質、ビタミン、ミネラル、そして必須脂肪酸を含む食品を積極的に摂取することが大切です。
以上のように、バランスの取れた食事を行うことで、肌の健康を維持することができます。

悪化因子への対策

アトピー性皮膚炎は、患者の生活環境やライフスタイルによって悪化することがあります。住環境においては、ダニやカビなどのハウスダストに注意し、こまめな掃除や湿度の調整を行うことが大切です。また、服装や身だしなみにも注意し、皮膚への刺激を避けることが必要です。
日常生活においては、温かいものやストレス、アルコールや香辛料などがかゆみを悪化させる原因となるため、これらを避けるように心がけましょう。冷やすことでかゆみを軽減することもできます。
アトピー性皮膚炎の悪化を防ぐために、日常生活の中でできる対策を積極的に取り入れていきましょう。

アトピーの治し方についてまとめ

アトピーの治し方についてまとめ
ここまでアトピーの原因や治し方についてお伝えしてきました。
アトピーの治し方の要点をまとめると以下の通りです。
アトピーとは、バリア機能の低下や皮膚の炎症が原因で起こり、かゆみのある湿疹が慢性的に起こる。
アトピーの原因は、子どもの場合はアトピー素因であり、大人の場合は遺伝的要素、環境やライフスタイルの影響であると考えられる。
アトピーの治し方は、薬物療法、スキンケア、悪化因子への対策の3つがある。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師