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ニキビ跡は治療できれいになる?代表的な治療方法や治療期間・費用相場も併せて解説します

 公開日:2024/01/24
肌のチェックをする女性

気を付けていてもいつの間にかできていることの多いのがニキビです。ニキビは治ってからも跡が残る場合があり、多くの方とって厄介な存在です。

ニキビ跡が目立つと、周囲の目を気にしてしまう方もいるのではないでしょうか。

ニキビ治療薬は聞いたことがあるけど、ニキビ跡も治療することができるのか気になる方もいるでしょう。

そこで本記事では、ニキビ跡は治療できれいにすることができるのか、代表的な治療方法や治療期間などについて解説します。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

ニキビ跡は治療で治せる?

診察する女性医師
ニキビ跡は、治療することによって軽減や消失することができます。しかし、市販薬を使用して自力で治すことは難しいため、美容皮膚科や美容外科を受診しましょう。
治療方法は多岐に渡り、ニキビ跡の特徴によっても治療方法が異なります。主な治療方法としては、薬物療法光線療法医師による皮膚への皮膚科治療などがあります。

  • 薬物療法
  • 薬は塗り薬を使用することが一般的です。脂性肌には、抗酸化剤やビタミンC、リチン酸などの成分を含む製品を使用することが推奨されます。
    塗り薬を使用することで、肌の再生を促したり炎症を抑えたりする効果が得られます。

  • 光線療法
  • 光線療法は、紫外線レーザーを使用してニキビ跡を治療する治療方法です。この治療は医師によって行われ、ニキビ跡の深さや広がりに応じて、適切な光線を使用します。
    光線療法によってニキビ跡を減らすことが期待できます。

  • 医師による皮膚への皮膚科治療
  • 医師による皮膚科治療では、薬剤の皮膚への直接注射皮膚の整形手術を行います。これらは、美容外科医によって行われます。

ただしニキビ跡は個人差があるため、全ての方に同じ治療が効果的であるとは限りません。なので、医師に相談し適切な治療方法を選ぶようにしましょう。

ニキビ跡の種類

あごニキビ
ニキビ跡はニキビができたり治ったりする過程で、傷や色みが長い間肌に残っている状態です。ニキビ跡には様々な種類があり、深い傷跡・浅い傷跡・平たい色素沈着などがあります。
ニキビ跡の種類によって、適切な治療方法が異なります。ニキビ跡は市販薬で治すことは難しいため、美容皮膚科や美容外科を受診するようにしましょう。

赤みのあるニキビ跡

ホッペにできたシミ
赤みのあるニキビ跡は、ニキビによる炎症のダメージで皮膚が薄くなったことにより、毛細血管中のヘモグロビンという赤い色素が透けて見えている状態です。
赤みのあるニキビ跡はニキビ跡の中でも比較的軽度で、肌が生まれ変わっていく過程で自然に治っていく場合もあります。
しかし、時間が経過しても中々赤みが薄れていかない場合は赤みをひかせる治療を行います。
赤みのあるニキビ跡の治療には、レーザー治療がおすすめです。赤い色素に吸収されるレーザーを当てることで、赤みを軽減することができます。
レーザー治療なので、ダウンタイムといって数日間赤みや腫れが残る場合がありますが、高い治療効果が得られます。レーザー治療と聞くと、肌へのダメージが心配になるかと思いますが、肌への熱損傷は最小限です。
ただし、赤みのあるニキビ跡の重症度には個人差があるため、全ての方に同じ治療が効果的であるとは限りません。医師に相談し、適切な治療方法を選ぶことが重要です。

色素沈着したニキビ跡

シミとシワ
色素沈着したニキビ跡は茶色いシミのように見えるのが特徴です。
ニキビができた時に、皮膚の色素細胞(メラニン)が増殖し、色素が沈着してしまったことが原因です。赤みのあるニキビ跡を6か月以上放置すると、茶色のニキビ跡に変化していきます。
色素沈着したニキビ跡は、肌の色調が均一でなく、治療をしない場合には長期間にわたって残り続けることがあります。色素沈着ニキビ跡の治療では、沈着したメラニンの排出を促したり、メラニンの色素を薄くしたりすることが必要です。
治療方法としては、光線治療化粧品を使用することが一般的です。光線治療では、色素沈着部分に対して特殊な光を照射し、色素を分解します。色素沈着を改善する成分を含む化粧品を使用することで、肌の色調を均一に保つ効果があります。
ニキビ跡は自分で治療することが難しいため、美容皮膚科や美容外科を受診し、医師に相談して適切な治療方法を選ぶことが重要です。

クレーター

クレーター状のニキビ跡とは、ニキビが治った後に残る肌が凹凸した状態です。ニキビの悪化によりニキビの傷は、真皮の深層まで達してしまい真皮を破壊することで発生します。
肌の表面が凹んでいるため、目立つことが多いです。例えばクレーター状のニキビ跡になるのは、爪などでニキビを潰したり、ニキビをしぼるように押さえたりすることが原因となります。
クレーター状のニキビ跡は元通りの肌の状態に戻ることは難しいです。
クレーター状のニキビ跡の治療では、破壊された真皮を再生する治療を行います。治療方法としては、フラクショナルレーザー治療が選択されることが多いです。
フラクショナルレーザー治療を行うことで、皮膚を深部から再構築できます。1回で治療効果を得ることはできないため、複数回治療を行う必要があります。
ただし、クレーター状のニキビ跡は個人差があり、全ての方に同じ治療が効果的であるとは限らないため、医師に相談し、適切な治療方法を選ぶことが重要です。

ケロイド

ニキビが原因でケロイドができることがあります。ケロイドとは、ニキビなど傷が治っていく過程で皮膚が赤く盛り上がった状態です。
ケロイドはどこにでもできる可能性がありますが、顎下背中上腕によくできます。見た目も悪く、気にされる方も多いです。
ケロイドは、治療を受けない場合には長期間にわたって残り続け、周囲の皮膚を赤らめることがあります。そのため、早期に治療を受けることが重要です。
治療方法としては、ケロイドに直接専用の薬を注射する方法や、場合によってはひきつけの原因となることもあるため手術を行います。手術では、病変部分を切除することで、完全に除去することができます。
ケロイドは、治療を受けない場合には再発する可能性が高いため、定期的な管理が必要です。また、治療方法や期間は人によって異なりますので、医師に相談して適切な治療方法を選ぶことが重要です。

しこり

しこり状のニキビ跡は、ニキビが治った後に肌の表面が固く膨らんだ状態です。これは、ニキビが治った後に発生し、肌の表面が膨らんでいるため目立つことが多いです。見た目に反して、痛みを伴うことはありません
ニキビの化膿が肌の深部まで達し、真皮を修復しようと皮膚が細胞を作りすぎてしまうことによって、しこり状のニキビ跡になります。ニキビを触ったり、潰したりするとしこりになりやすいので注意しましょう。
治療としては、真皮を修復することのできるフラクショナルレーザー治療や、しこりに直接薬を注射する治療が行われます。
しこり状のニキビ跡は個人差があり、全ての方に同じ治療が効果的であるとは限りません。美容外科または美容皮膚科の医師に相談し、適切な治療方法を選ぶことが重要です。

ニキビ跡の治療方法で代表的なものとは?

ボトックス注射をうける女性
ニキビ跡の治療方法には多岐にわたりますが、以下のような治療方法が代表的です。

  • 美容皮膚科治療
  • 美容皮膚科治療では、化粧品を使用したトリートメント薬剤の注射などを行います。治療には美容皮膚科を受診し、医師による処置が必要です。

  • レーザー治療
  • レーザー治療を行うことで、色素沈着が改善しニキビ跡が薄くなる効果があります。また、肌の光沢を取り戻したりシワなどを改善したりできます。

  • 化粧品
  • ニキビ跡の治療には、保湿力や美白効果がある化粧品を使用します。保湿力や美白効果がある化粧品を使用することで、ニキビ跡を改善することができます。
    化粧品は一般的に自宅でのケアとして使用するため、毎日しっかりスキンケアを行いましょう。

  • 手術
  • ケロイドのようにニキビ跡がひどい場合には、手術をすることもあります。手術は、ニキビ跡を完全に除去することができます。

  • ステロイド系薬物
  • ニキビ跡の治療にステロイド系薬物を使用することで、炎症を抑える効果が期待できます。炎症が抑えられることで、ニキビ跡が改善します。
    ただし、ニキビ跡の治療方法は個人差があり、治療方法や期間は人によって異なります。美容皮膚科または美容外科の医師に相談して、適切な治療方法を選ぶことが重要です。

ダーマペン

ニキビ跡の治療によく使用される方法の1つにダーマペンという治療方法があります。ダーマペンは、肌の中にある問題を直接的に治療することを目的として皮膚に小さなニードルを使用してを開けます。
ニキビ跡は、皮脂や汚れが深く詰まっている状態です。皮脂や汚れを除去するために、ニードルを使用して皮膚を細かく刺激することで、ニキビ跡を改善します。
ダーマペンを行った後、皮膚が赤くなることがありますが数日で治ることがほとんどです。しかしダーマペンは肌への刺激が強い治療のため、敏感肌の方には合わないこともあります。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、皮膚に薬剤を使用することで皮膚の最も外側に位置する角層を剝がすことで皮膚の再生を促す治療方法です。層が剝がれることで、薬剤の浸透率がよくなります。
ケミカルピーリングの種類は、深層ピーリング・中層ピーリング・浅層ピーリング・最浅層ピーリングの4つです。最浅層ピーリングでは角層までの浸透に留まりますが、深層ピーリングでは真皮まで浸透します。
ケミカルピーリングを行うことで、毛穴を縮小し、シミやニキビ跡、老化跡などの皮膚の問題を改善します。
ケミカルピーリングは、皮膚科の診療技術を十分に習得した専門家が十分な安全管理のもとで行われなければなりません。ケミカルピーリングの実績がある病院を選ぶと良いでしょう。治療後は、日差しや汗から皮膚を守るために日焼け止めなどを使用することが必要です。

レーザー・光

レーザー・光線治療は、ニキビ跡の治療方法として代表的なものの1つです。光線療法を行うことで、色素が吸収され肌の赤みやシミが改善します。
フラクショナルレーザー治療も光線療法の1つであり、クレーター状のニキビ跡の治療に有効です。フラクショナルレーザー治療では、肌を深部から再構築できます。
光線療法の中には、ダウンタイムといって数日間赤みや腫れが残るものがあります。光線療法は肌質やニキビ跡の程度によって効果が異なるため、医師と相談しながら適切な方法を選択しましょう。

ニキビ跡の治療にかかる期間

時計とカレンダー
ニキビ跡の治療にかかる期間は、ニキビ跡の程度・治療方法などによって異なります。
ニキビ跡の治療では、ターンオーバーといって肌の再生を促すことで症状の改善が期待できるものがあります。正常なターンオーバーは、約28日かかるため少なくとも1か月ほどかかると考えておくと良いでしょう。
紫外線の影響で治療の効果が低下することがあるため、ニキビ跡の治療中はできるだけ紫外線に当たらないように気を付けることが重要です。ニキビ跡の治療は医師によって適切な方法を決定し、治療を受けるようにしましょう。

ニキビ跡の治療にかかる費用相場

費用
ニキビ跡の治療にかかる費用の相場は、施術1回あたり数万円から数十万円程度です。多くは、1回の治療では効果を得られないため施術は複数回行います。
費用相場は、治療方法・地域などによって異なります。詳細は直接病院に問い合わせると良いでしょう。
また、ニキビ跡の治療は保険適用とはならず、全額自己負担となる場合がほとんどです。それでも、美容外科など専門的な施術を受けることで、望む結果を得ることができることもあります。

ニキビ跡が残らないようにするには

たくさんの野菜
ニキビ跡を防ぐためには、まずはニキビの発生を防ぐことが重要です。そのためには、次のような対策を取ることが有効です。

  • バランスのとれた食事を心掛ける
  • 栄養バランスの偏った食事は肌の状態を悪化させます。ニキビ対策には緑黄色野菜(かぼちゃ・ブロッコリーなど)・ビタミンC(ピーマン・大根など)・ビタミンB1(豚肉・玄米など)・ビタミンB2(納豆・うなぎなど)が有効です。
    さまざまな食品を取り入れて、バランスの良い食事を心掛けましょう。

  • 腸内環境を整える
  • 便秘になるとアンモニアや硫化水素などの有害物質が生産され、ニキビの原因となることがあります。海藻類食物繊維発酵食品などを積極的に取り入れ、腸内環境を整えることを意識しましょう。

  • しっかりと睡眠をとる
  • 寝ている間に分泌される成長ホルモンによって肌の再生が行われます。肌の再生には最低でも6時間の睡眠が必要です。
    成長ホルモンの分泌を促すためにも、生活リズムを整えましょう。

  • 優しく顔を洗う
  • 顔に汚れや皮脂がたまると、ニキビを引き起こす原因になります。健康な肌を保つためには適度な皮脂も必要です。必要以上に皮脂を落とさないように、優しく洗顔を行うようにしましょう。

  • ニキビに触らない
  • ニキビが気になると、ニキビを押したり、引っ張ったりしがちですが、肌の状態が悪化してしまいます。肌への余計な刺激は乾燥や色素沈着を助長してしまうので、ニキビには触らないようにしましょう。

上記のようにニキビの発生を防ぐことができれば、ニキビ跡も防げます。

ニキビを触ったり潰したりしない

ニキビを触ったり潰したりすると、ニキビ跡が残りやすくなります。ニキビを刺激することで、炎症がひどくなってしまうからです。
ニキビは、毛穴に皮脂が溜まっている状態です。病院では、ニキビに針を指して皮脂を押し出す治療を行うことがありますが、自分で潰しても皮脂を上手に押し出せずかえって悪化してしまいます。
ニキビが気になるからといって触ったり潰したりせず、乾燥しないように保湿することを心掛けましょう。

厚化粧・刺激の強い化粧水でのスキンケアをしない

ニキビがあるからといって化粧をしてはいけないということはありませんが、厚化粧はしないようにしましょう。
ニキビが気になると、ファンデーションの上からコンシーラーを重ねて目立たないようにしたくなるかと思いますが、あまりお勧めできません。肌に負担をかけることでニキビを引き起こす可能性があるからです。
なるべくファンデーションは薄くし、アイメイク等を協調することでニキビが目立たないような工夫をすると良いでしょう。
1日の終わりにはクレンジングをしてしっかり化粧を落とすようにします。クレンジング後は洗顔を行い、十分にすすぎをしましょう。
ニキビ跡を防ぐためには、スキンケアにも気を配ることが重要です。スキンケアは、ノンコメドジェニックあるいはハイポコメドジェニックと表示してあるものがおすすめです。
洗顔は朝晩の1日2回とし、1日に何度も洗ったり力強くこすり洗いをしたりしないようにしましょう。
さらに、ニキビ跡を防ぐためには、スキンケア以外にも、健康的な生活を送り、ストレスを軽減することも大切です。適度な運動や、健康的な食生活を心がけることで、ニキビ跡を防ぐことができます。

ニキビ跡の治療をする際に注意すること

スキンケア
ニキビ跡を治療する際には、次のようなことに注意しましょう。

  • 皮膚の状態を確認する
  • 敏感肌やアトピー性皮膚の方は肌に合わない治療を行うと、炎症を引き起こし、ニキビ跡が悪化することがあります。ニキビ跡の治療をする前に、皮膚の状態を確認するようにしましょう。

  • 適切な治療方法を選ぶ
  • ニキビ跡の種類によって治療方法が異なります。ニキビ跡の治療はレーザー治療が選択されることが多いですが、ひどい場合には手術を行うこともあります。

  • スキンケアを徹底する
  • ニキビ跡は、肌の乾燥によって、悪化することがあります。乾燥を防ぐためには、保湿と美白のためのスキンケアをすることが必要です。

  • 美容外科を受診する
  • ニキビ跡は薬局の薬で治療することは難しく、美容皮膚科や美容外科を受診することが有効です。美容外科では医師の診断により、適切な治療方法を選ぶことができます。

ニキビ跡の治療をする際には、上記のようなことに注意しましょう。また、紫外線の影響で治療の効果が低下することがあるため、ニキビ跡の治療中はできるだけ紫外線に当たらないように気を付けることが重要です。

編集部まとめ

鏡で肌を見ている女性
ニキビ跡の治療方法について解説しました。
ニキビ跡は市販薬で治すことは難しいため、美容皮膚科美容外科を受診し医師の診察を受けるようにしましょう。

治療方法はニキビ跡の種類やニキビ跡の程度によって異なりますが、薬物療法光線療法医師による皮膚への皮膚科治療などがあります。
治療効果や治療期間は人によって異なりますが、ニキビ跡はすぐに治ることは難しく長期間の治療が必要であることが一般的です。

ニキビ跡が残らないようにするには、ニキビの発生を防ぐことが重要です。生活習慣を整えたり、適切なスキンケアを行ったりすることでニキビの発生を防ぎ、ニキビ跡が残らないようにしましょう。

この記事の監修医師