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野菜の調理法はどれが正しい!? 効果的に栄養素が摂れる調理法とは?

 更新日:2023/03/27
野菜の調理法はどれが正しい!? 効果的に栄養素が摂れる調理方法とは?

野菜を食べるなら、できるだけ多くの栄養素を摂取したいですよね。しかし、調理法によっては、その栄養素を損失させてしまっている可能性があります。今回は野菜の栄養素を効果的に摂れる調理法について「管理栄養士」の長井さんに伺いました。

長井彩子さん

監修
長井 彩子(管理栄養士)

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2009年、管理栄養士国家試験事業スタート。2015年、(一社)管理栄養士地位向上協会を設立。2019年、日本栄養士会の認定を受け、認定栄養ケア・ステーション ファンスタディを設立。公衆栄養活動などを推進し、現在に至る。

野菜の正しい調理法とは

●画像●

編集部編集部

栄養素が効果的に摂れる、野菜の正しい調理方法を教えてください。

長井彩子さん長井さん

正しい調理法、間違った調理法という考え方ではなく、それぞれの調理法にメリットとデメリットがあるので、野菜の種類に合わせて色々な調理法を取り入れることをお勧めします。

編集部編集部

やはり調理法によって、栄養素は損失してしまうのでしょうか?

長井彩子さん長井さん

はい。例えば水溶性ビタミンは水に溶けやすい性質のビタミンなので、茹でることで摂取できる栄養素が減少してしまいます。水溶性ビタミンには、ビタミンC、葉酸などがあり、水菜、ブロッコリー、赤ピーマン、ほうれん草、ニラ、アスパラなどの野菜に多く含まれます。

編集部編集部

水に溶けやすい栄養素は、ほかにどんなものがありますか?

長井彩子さん長井さん

ほかにはカリウムも水に溶けやすい性質があります。カリウムはナトリウム(食塩)の排泄を促す作用がある栄養素なので、むくみ対策や血圧を下げる効果が期待できます。切り干し大根、緑の野菜、芋類などに多く含まれます。

生、茹でる、炒める、それぞれの調理方法のメリットとは?

生、茹でる、炒める、それぞれの調理方法のメリットとは?

編集部編集部

野菜を生で食べるメリットを教えてください。

長井彩子さん長井さん

生で野菜を摂取することで、加熱調理で失われる栄養素の損失を抑えることができます。様々なドレッシングを楽しみながら、サラダなどで食べるのがお勧めです。ただ、生野菜はかさばるため1度に摂取できる量が限られます。また、生で摂取すると、栄養素の吸収率が悪い野菜もあります。

編集部編集部

茹でる調理法のメリットはありますか?

長井彩子さん長井さん

茹でることで野菜のカサを減らすことができるので、生で食べるよりも食物繊維などの栄養素をたっぷりと摂ることができます。野菜を茹でて、絞って、調味料で和えて和え物にして食べるのがお勧めです。食物繊維には、心筋梗塞、脳卒中、循環器疾患、2型糖尿病、乳がん、胃がん、大腸がんなどの発症を抑える効果が期待できます。また、煮物は汁ごと食べることで、水に溶け出した栄養素も一緒に摂取することができます。野菜の煮物や具沢山スープなどがお勧めです。

編集部編集部

では、炒める調理法はどうでしょうか?

長井彩子さん長井さん

油で炒めることで脂溶性ビタミンの吸収率が上がり、効率よく栄養素を摂取できます。脂溶性ビタミンにはカロテン、ビタミンKなどがあり、ほうれん草、にんじん、ブロッコリー、にらなどに多く含まれる栄養素です。

それぞれの調理法で気を付けるポイントとは?

それぞれの調理法で気を付けるポイントとは?

編集部編集部

野菜を生で食べる時の気を付けるポイントを教えてください。

長井彩子さん長井さん

野菜を切った後、水にさらす時間が長いと水溶性ビタミンやカリウムなどが流れ出てしまいます。水にさらす時間を短くするなど、栄養素の損失を防ぐための工夫が必要です。

編集部編集部

茹でる時に気を付けるべきポイントはありますか?

長井彩子さん長井さん

茹でる時間が長いと、食材自体の食感が失われがちです。噛むことで得られる満足感を失わないために、茹で時間を短くするなどの注意が必要です。

編集部編集部

炒める時に気を付けるべきポイントもお願いします。

長井彩子さん長井さん

炒める時間が長いと、油っぽくなったり水っぽくなったりするため、加熱時間を短縮できるように野菜の切り方、炒める順序などを工夫すると良いでしょう。

編集部まとめ

野菜の間違ってる調理法はなく、生、茹でる、炒める、それぞれにメリット・デメリットがあることが分かりました。それぞれの調理法の気をつけるべきポイント意識して、効率的に野菜の栄養素を摂れるよう工夫をしてみましょう。

この記事の監修管理栄養士