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ビタミンCの健康効果は? 摂りすぎるとどうなる? 摂取目安量やおすすめ食材も紹介【管理栄養士解説】

 更新日:2024/06/20
ビタミンCの健康効果は? 摂取目安量やおすすめ食材を管理栄養士が解説

ビタミンCと聞くと、美容や健康のために毎日摂った方がいいというイメージをお持ちの方が多いと思います。また、普段サプリメントなどでビタミンCを飲んでいる人もいるのではないでしょうか。一方で、「ビタミンCは大事だと聞くけど、食事だけで摂るには不十分?」「サプリメントで摂った方が良いの?」などの疑問もよく聞きます。そこで今回は、管理栄養士の田辺さんに、ビタミンCの働きや必要性、おすすめの摂取方法について解説していただきました。

田辺さゆり

監修管理栄養士
田辺さゆり(管理栄養士)

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医療機関にて9年間栄養管理や栄養食事指導を担う。その後特定保健指導にも従事し生活習慣病予防にたずさわる。栄養情報に関する執筆を行う。

そもそもビタミンCとはどのような栄養素なのか? 豊富に含まれる食品は?

そもそもビタミンCとはどのような栄養素なのか? 豊富に含まれる食品は?

編集部編集部

ビタミンCはどのような栄養素ですか?

田辺 さゆり先生田辺さん

ビタミンCは食品に含まれる水溶性のビタミンで、私たちの体内ではビタミンCを合成することができないので体外から補給する必要があります。食品やサプリメント由来のビタミンCは小腸から吸収され、速やかに血中に送られると、副腎や眼、脳などに蓄積されて、必要に応じて利用されます。ただ体内蓄積量は少なく、水溶性なので尿と一緒に体外へ排泄されやすいという特徴をもちます。

編集部編集部

ビタミンCが豊富に含まれる食品はどんなものがありますか?

田辺 さゆり先生田辺さん

ビタミンCの多い食材の代表は、やはり果物です。果物の中でもアセロラ、ゆず、レモン、ゴールドキウイは100g中に100mgを超えるビタミンCを含みます。イチゴ、キウイ、オレンジなどは100g中に約60~70mgのビタミンCを含む食品です。ほかには、野菜のパプリカ、ブロッコリー、パセリ、芽キャベツ、とうがらし、菜の花、ピーマンなどは100g中100mg以上のビタミンCを含みます。これらの果物や野菜の含有量には劣りますが、イモ類の中でもサツマイモやじゃがいもは比較的ビタミンCを含有しており、含有量は100g中28〜29mgです。また、一度に多く食べる食品ではありませんが、焼海苔や青のりもビタミンCが豊富で、100g中の含有量は焼き海苔210mg、あおのり160mg含まれています。

編集部編集部

食事にビタミンCが豊富な食材を取り入れる際の注意点はありますか?

田辺 さゆり先生田辺さん

ビタミンCは水溶性のビタミンであるため、水に溶けやすい性質があります。そのため、例えば野菜をゆでる際にゆで時間が長くなるほどビタミンCは失われてしまいます。ただ、すべてのビタミンCが流れ出てしまうわけではありません。また茹でることで野菜はかさを減らせるため、生食より多くの野菜を食べることができます。茹でる時は最小限の時間にしましょう。また、ビタミンCのロスを最小限に抑えて食べるなら、生食がおすすめです。生野菜は水にさらす時間も最小限にしましょう。目安として千切り野菜であれば1分ほど水にさらせば十分です。

ビタミンCを摂取することで得られる健康効果を解説。美肌効果だけではない?

ビタミンCを摂取することで得られる健康効果を解説。美肌効果だけではない?

編集部編集部

ビタミンCの働きはどのようなものがありますか?

田辺 さゆり先生田辺さん

ビタミンCは皮膚や細胞のコラーゲンの合成に必要な栄養素です。皮膚や粘膜の健康を維持し、美容・肌荒れ予防・改善を助けます。また、鉄分の吸収を促進する働きもあり、ひじきやほうれん草などに多く含まれる非ヘム鉄はビタミンCを一緒に摂ることで体内への吸収率が高まります。

編集部編集部

ビタミンCといえば抗酸化作用のイメージがあります。

田辺 さゆり先生田辺さん

その通りで、ビタミンCは抗酸化作用を有する栄養素の一つでもあります。皮を剥いたりんごが空気に触れると酸化して茶色くなるように、呼吸で酸素を取り入れる人間の体も日々酸化し、老化や病気を引き起こします。ビタミンCは抗酸化作用で体内の活性酸素を減らし、体の酸化を防いでくれる栄養素の一つです。さらに、ビタミンCは免疫にも関わっています。免疫細胞内部にはビタミンCが貯蓄されており、感染症罹患やストレス下においてはその濃度が急激に減少することから、免疫への関係性が報告されています。

編集部編集部

ビタミンCは毎日摂取するべきですか?

田辺 さゆり先生田辺さん

ビタミンCは体内蓄積量が少なく、体外に排泄されやすい性質のため毎日摂る必要があります。また、私たちの体の中では毎日のエネルギー活動によって活性酸素が産生されています。元来、身体には活性酸素から防御する抗酸化機能が備わっていますが、活性酸素が過剰に生じるような環境下では抗酸化機能が追いつかなくなってしまいます。この点でも抗酸化作用を有するビタミンCを毎日補給していく必要があります。

編集部編集部

ビタミンCを積極的に摂った方が良いのはどんな時ですか?

田辺 さゆり先生田辺さん

喫煙をする方や、紫外線を浴びたとき、大気汚染、薬剤、酸化された食品の摂取、過度な運動、ストレスなどが活性酸素の産生を促進するとされています。このような習慣や環境にある方は、ビタミンCなど抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂るようにしましょう。

ビタミンCの摂取目安量はどのくらい? 過剰摂取・不足するとどうなる?

ビタミンCの摂取目安量はどのくらい? 過剰摂取・不足するとどうなる?

編集部編集部

ビタミンCの摂取目安量はどのくらいですか?

田辺 さゆり先生田辺さん

日本人の食事摂取基準(2020年度版)において、成人のビタミンC摂取推奨量は100mg/日とされています。また、令和元年国民健康・栄養調査報告にて日本人(20歳以上)の平均的なビタミンC摂取量は99mg/日でした。日本人の一般的な食生活では、ビタミンCが不足することはほとんどありません。

編集部編集部

過剰摂取した場合はどうなりますか?

田辺 さゆり先生田辺さん

先ほども言ったように、ビタミンCは水溶性ビタミンです。そのため、健康な人がビタミンCを多く摂っても消化管からの吸収率が低下して尿に排泄される量が増えるので安全とされています。ただし、腎機能障害のある人が過剰にビタミンCを摂取した場合、尿路結石のリスクとなるので注意が必要のリスクとなるので注意が必要です。食材由来のビタミンCで過剰となることはありませんが、サプリメントなど通常の食品以外から1000mg/日以上を摂取することは推奨できないとされています。1日3000〜4000mgの過剰摂取で下痢を認めた例もあり、嘔吐や腹痛など胃腸系への影響があります。

編集部編集部

不足するとどうなりますか?

田辺 さゆり先生田辺さん

何週間にもわたってビタミンCをほとんど摂らないなどの不足があると、壊血病を発症する可能性があります。ただし、1日10mg程度のビタミンCを摂っていれば壊血病は発症しません。 日本人の平均的なビタミンC摂取量が99mg/日であるように、極端に偏食な場合を除き、不足することは稀でしょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

田辺 さゆり先生田辺さん

ビタミンCはビタミン類の中で最もなじみのある栄養素で、美容に留まらず多くの健康効果があります。ストレスなどの環境下では失われやすいので、食事の中で上手にビタミンCを摂るようにしましょう。また、必要に応じてサプリメントも活用し、健康維持、美容促進に役立ててみてください。

編集部まとめ

今回は、ビタミンCの働きや含有量の多い食品を教えていただきました。過剰摂取や不足による弊害は稀とのことですが、サプリメントを摂る際は商品の表示や含有量をしっかり確認しましょう。ビタミンCは美容だけでなく抗酸化作用や鉄の吸収、免疫力にも関わっているとのことでしたので、女性は意識して摂りたい栄養素です。

この記事の監修管理栄養士