「糖尿病予備軍の人が食べてはいけないもの」はあるの?避けた方がよい飲み物も解説!

「糖尿病予備軍」と指摘され、「何を食べてはいけないのか」「これまでの食生活をどこまで見直す必要があるのか」と不安を感じている方は少なくありません。
糖尿病予備軍は、まだ糖尿病と診断されていない段階ではあるものの、生活習慣次第では糖尿病へ進行する可能性がある状態です。
本記事では、糖尿病予備軍の方が注意したい食品や飲み物の考え方を中心に、推奨される食生活、食事以外で気を付けたい生活習慣について解説します。

監修医師:
上田 莉子(医師)
糖尿病予備軍の人が食べてはいけないもの

糖尿病予備軍の人が食べてはいけないものはありますか?
ただし、血糖値の上昇や体重増加につながりやすい食品については、量や頻度に注意が必要です。白米や白いパン、うどんなどの精製された炭水化物は、食後血糖値が上がりやすい傾向があります。
脂質も注意する必要があります。肉類や乳製品に多く含まれる飽和脂肪酸や、揚げ物・加工食品の摂りすぎは、動脈硬化や心血管疾患のリスクを高める可能性があります。
糖尿病予備軍の人が避けた方がよい飲み物を教えてください
清涼飲料水は、炭酸飲料、加糖のジュース、スポーツドリンク、甘い缶コーヒーやミルクティーなどで、血糖値が急激に上昇しやすい飲み物です。
例えば、コップ1杯のみかんジュースにはみかんが4~5個含まれるため、それを一気に飲むとみかん4~5個を大量に摂取することになります。糖尿病で食べてはいけないものはありませんが、食事の量とスピード、タイミングには気を付けなくてはいけません。
どうしても清涼飲料水を飲みたいときは、飲むタイミングは食後にし、量は少量にとどめるように心がけましょう。
また、アルコール飲料の摂取にも気を付ける必要があります。アルコール自体にエネルギーが含まれるうえ、飲酒によって食欲が増し、食べ過ぎにつながりやすくなります。また、夜のアルコール摂取は中性脂肪を増加させ、脂質異常症も悪化させます。
参照:
『糖尿病の食事』(厚生労働省)
『あなたは糖尿病予備群?まずはチェック!』(厚生労働省)
なぜ糖尿病予備軍の人は食事に気を付ける必要があるのですか?
食事でエネルギーや糖質を摂り過ぎると血糖値が急激に上がり、インスリンを分泌する膵臓の負担がさらに大きくなります。その結果、高血糖が慢性化し、糖尿病へ移行するリスクが高まります。
一方、糖尿病予備軍の段階で食事に気を付けることで、血糖値の改善や体重の適正化が期待できます。
参照:
『糖尿病の食事』(厚生労働省)
『あなたは糖尿病予備群?まずはチェック!』(厚生労働省)
糖尿病予備軍の人が食事に気を付けないとどうなりますか?
血糖値の高い状態が続くと、膵臓は血糖を下げようとしてインスリンを過剰に分泌し続けることになります。膵臓に大きな負担がかかる状態が長期間続くことで、インスリンを分泌する力がさらに低下し、血糖値を自力で下げることができなくなっていきます。その結果、糖尿病と診断される段階へ移行します。
参照:
『糖尿病の食事』(厚生労働省)
『あなたは糖尿病予備群?まずはチェック!』(厚生労働省)
糖尿病予備軍の人に推奨される食事

糖尿病予備軍の人に推奨される食生活のポイントを教えてください
単に摂取カロリーを抑えるだけでなく、「何を食べるか」「どのように食べるか」を意識することが重要です。1日3食をできるだけ決まった時間に摂り、欠食やまとめ食い、遅い時間の夕食を控えることで、血糖値の急激な変動を防ぎやすくなります。
また、よく噛み、時間をかけて食事をすることも大切です。食事内容としては、主食・主菜・副菜をそろえた食事を心がけ、栄養の偏りを防ぎましょう。
外食や惣菜、市販の弁当が多い場合は、エネルギーや食塩の摂り過ぎにつながりやすくなります。そういった食事の機会が多い方は、サラダや野菜が中心の副菜を増やす、味付けが薄いものを選ぶといった工夫をするとよいでしょう。
糖尿病予備軍の人が積極的に摂りたい食べ物はありますか?
食物繊維を多く含む野菜、海藻、きのこ、豆類、雑穀、玄米などは、糖の吸収をゆるやかにし、食後の血糖値の上昇を抑える働きが期待できます。食事の最初に野菜や海藻類を取り入れることで、食後高血糖の予防にもつながります。
また、たんぱく質を適切に摂ることも重要です。魚、肉、大豆製品、卵などは、筋肉や体の維持に欠かせない栄養素で、満腹感を得やすくする効果もあります。
脂質については、肉類や乳製品に多い飽和脂肪酸を摂り過ぎないようにしつつ、魚に含まれるn-3系脂肪酸など、身体によい脂質を取り入れることが大切です。
飲み物は、水やお茶など糖分を含まないものを飲みましょう。
血糖値を下げるという飲み物やサプリは効果がありますか?
また、「飲めば血糖
値が下がる」「これだけで安心」といった思い込みは、食事量の増加や生活習慣の乱れを招き、血糖コントロールを悪化させるおそれもあります。
参照:『「食後の血糖値の上昇を穏やかにする」表示をした食品』(厚生労働省)
糖尿病予備軍が食事以外に気を付けたい生活習慣

血糖値は食事に気を付けるだけで下がりますか?
慢性的な睡眠不足が続くと、食欲を抑えるホルモンが減少し、食欲を高めるホルモンが増えるため、食べ過ぎにつながりやすくなります。さらに、インスリンの働きが低下し、同じ食事量でも血糖値が上がりやすくなることがわかっています。
また、夜型生活や交代勤務などによる不規則な睡眠リズムも、血糖値を悪化させる要因です。体内時計が乱れると、代謝やホルモン分泌のタイミングがずれ、夜遅い時間の食事や間食によって血糖値や体重が上がりやすくなります。
参照:『睡眠と生活習慣病との深い関係』(厚生労働省)
運動で糖尿病リスクを下げることはできますか?
有酸素運動を行うと、筋肉への血流が増え、血液中のブドウ糖が筋肉の細胞に取り込まれやすくなります。結果として、インスリンの働きが高まり血糖値が低下します。さらに、筋力トレーニングによって筋肉量が増えると、ブドウ糖を取り込める受け皿が大きくなり、インスリンの効きやすさの改善が期待できます。
ただし、運動の効果は永続的ではありません。運動を中断すると、その効果は数日程度で弱まってしまうため、継続することが重要です。
糖尿病リスク低下を目的とする場合は、ややきついと感じる程度の中等度の有酸素運動が基本とされます。ウォーキングや水泳などを、1回20~60分、週に150分以上行うことが目安です。さらに、週2~3回の筋力トレーニングを組み合わせると、より効果が高いとされています。
これまで運動習慣がなかった方は、いきなり激しい運動を始めるのではなく、軽い運動から徐々に強度を上げていくことが大切です。身体に不安がある場合や、合併症を持っている場合は、事前に医師に相談したうえで運動内容を決めましょう。
参照:『糖尿病の運動のはなし』(糖尿病情報センター)
糖尿病予備軍の人が生活のなかで気を付けることを教えてください
まず大切なのは、食生活を整えることです。食べ過ぎを避け、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を基本にしましょう。甘い飲み物や間食、夜遅い時間の食事は血糖値を上げやすいため、見直しが必要です。
さらに、ウォーキングなどの有酸素運動や、無理のない筋力トレーニングを継続することで、血糖値を下げやすい体の状態を保つことができます。激しい運動を行う必要はなく、「少しきついと感じる程度」の運動を続けることが効果的です。
睡眠や生活リズムを整えることも欠かせません。睡眠不足や夜型生活が続くと、食欲が増えたり、インスリンの働きが低下したりして、血糖値が上がりやすくなります。毎日できるだけ同じ時間に寝起きし、十分な睡眠時間を確保することを心がけましょう。
参照:
『「食後の血糖値の上昇を穏やかにする」表示をした食品』(厚生労働省)
『睡眠と生活習慣病との深い関係』(厚生労働省)
『糖尿病の運動のはなし』(糖尿病情報センター)
編集部まとめ

糖尿病予備軍と指摘された場合、「食べてはいけないもの」を探すよりも、日々の食事や生活習慣全体を見直すことが重要です。
糖尿病予備軍は、生活習慣の改善によって血糖値が正常範囲に戻る可能性があります。
バランスの取れた食事を規則正しく続け、甘い飲み物や間食を控え、無理のない運動や十分な睡眠を心がけることが、糖尿病の予防につながります。
まずは医師に相談し、自分に合った食事や生活改善の方法を確認しましょう。
参考文献




