「片目だけ結膜炎」になる原因はご存知ですか?日常生活での注意点も解説!【医師監修】

片目の充血や目やになどの症状があると、結膜炎かどうか不安になる方も多いでしょう。結膜炎とは、白目(結膜)が炎症を起こした状態で、典型的には白目が赤く充血し、目やに(眼脂)が出たり涙が増えたりする病気です。かゆみやゴロゴロした異物感が伴うこともあり、症状によってはまぶたの腫れや発熱・リンパ節腫大を生じることもあります。このように、結膜炎では目の充血・目やに・異物感などが見られ、原因によっては風邪症状や痒みなどを伴うことがあります。本記事では結膜炎の基本的な症状・原因やタイプ別の特徴を解説します。

監修医師:
栗原 大智(医師)
結膜炎の基礎知識

結膜炎になるとどのような症状がでますか?
結膜炎の原因を教えてください
ウイルス性結膜炎ではアデノウイルス(流行性角結膜炎やプール熱など)が代表的で、感染力が強く人から人へ移ります。
細菌性結膜炎では黄色ブドウ球菌や肺炎球菌などが原因になり、粘り気のある黄色っぽい目やにが多量に出ることが特徴です。
アレルギー性結膜炎は花粉やハウスダストなどアレルゲンによるもので、通常は目のかゆみや水っぽい目やにを伴い、アレルギー性鼻炎などの合併症状も見られます。また、煙やほこりなどの刺激性物質によって一時的に結膜炎様の症状が出ることもあります。
結膜炎の種類によって症状や経過は異なりますか?
細菌性結膜炎では粘り気のある黄色い目やにが多く、抗菌点眼薬で数日~1週間ほどで改善することが多いです。
ウイルス性結膜炎は感染力が強く、眼脂はさらっとしている場合が多いですが、耳前リンパ節の腫れや風邪症状を伴うこともあります。特効薬はなく、症状のピークは発症後1週間前後で、その後2~3週間ほどかけて徐々に治癒します。
アレルギー性結膜炎は両眼にほぼ同時に症状が出ることが多く、痒みや白っぽい糸を引く目やにを伴います。自然治癒はほとんど期待できないため、原因物質の回避や抗アレルギー点眼薬などで長期的に対処します。
片目だけ結膜炎になる理由と割合

片目だけ発症しやすい結膜炎の種類を教えてください
なぜ片目だけ結膜炎になるのですか?
また、人によっては左右の目の免疫反応に差があり、片方の目だけが過敏に反応して炎症を起こす場合も考えられます。さらに、コンタクトレンズを片眼だけ装用するなど、左右で目の使われ方が異なることも、片眼に炎症が出やすくなる一因です。
片目だけ結膜炎になる割合を教えてください
片目だけ結膜炎が、もう一方の目に感染するリスク

片目だけ結膜炎になるともう一方の目にも感染しますか?
結膜炎の感染対策を教えてください
片目だけ結膜炎になったときの対処法

片目だけ結膜炎になったときの受診サインを教えてください
- 充血が激しくなかなか引かない
- 目が強く痛む
- 視力が低下した
- 粘く黄色い膿のような目やにが大量に出ている
- 耳前リンパ節の腫れや発熱を伴う
特に、強い目の痛みや見えにくさは治療をしないと治らない角膜炎などの可能性もあります。また、粘く黄色い膿のような目やにが大量に出ている場合には、放っておくと黒目(角膜)に穴が開いてしまう淋菌や緑膿菌に伴う症状の恐れもあります。これらの症状を認める場合は速やかに眼科を受診するようにしましょう。
片目だけ結膜炎になったら病院ではどのような治療を行いますか?
ウイルス性結膜炎では特効薬がなく、主に抗炎症剤の点眼で対症療法を行います。ウイルスを排除するまで通常2~3週間程度かかるため、角膜炎(混濁)が起こった場合はステロイド点眼で治療することもあります。
アレルギー性結膜炎では抗アレルギー点眼薬を使い、重症例ではステロイドや免疫抑制剤の点眼を併用します。点眼薬でなかなか症状が改善しないときなどは、内服薬や舌下免疫療法などをすすめられることもあります。
片目だけの結膜炎になったときの注意点をおしえてください
編集部まとめ

片眼だけの結膜炎であっても、症状を放置すると反対側の眼に感染が拡大したり、角膜への炎症が進むリスクがあります。まずは目の症状が出たら早めに手洗いや清潔管理を徹底し、必要に応じて眼科を受診してください。適切な治療を受けることで治癒を早め、周囲への感染拡大も防ぐことができます。自宅で対処する際も自己判断は避け、症状に応じた点眼やケアに努めることが大切です。
参考文献




