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「インフルエンザの初期症状」はご存知ですか?風邪の初期症状との違いも解説!

 公開日:2024/11/19
「インフルエンザの初期症状」はご存知ですか?風邪の初期症状との違いも解説!

身体の不調を感じ、インフルエンザの症状なのか知りたいと思うことはありませんか?

「インフルエンザと風邪の違いを知りたい」「症状がある場合、いつ受診するのがよいのだろう」などの疑問を抱くこともあるかもしれません。

この記事では、インフルエンザの初期症状や風邪との違い・受診のタイミング・検査や治療薬・セルフケアなどについて詳しく解説します。

眞鍋 憲正

監修医師
眞鍋 憲正(医師)

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信州大学医学部卒業。信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学教室博士課程修了。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会健康スポーツ医。専門は整形外科、スポーツ整形外科、総合内科、救急科、疫学、スポーツ障害。

インフルエンザの初期症状

体調の悪い女性

インフルエンザの初期症状を教えてください。

インフルエンザの初期症状は以下のとおりです。

  • 38度以上の発熱
  • 頭痛
  • 関節痛
  • 筋肉痛
  • 全身倦怠感
  • 鼻汁

インフルエンザの場合、全身症状が見られることや症状が急速に現れるのが特徴です。潜伏期間が1〜3日と短く、感染力が強いことから、短期間で周囲に拡がりやすいです。乳幼児の場合、症状が悪化するとインフルエンザ脳症を引き起こすことがあるため注意が必要です。インフルエンザ脳症は発熱から早期の段階(1〜2日以内)に見られ、嘔吐・異常行動・意識障害・けいれんなどの症状があります。1歳をピークに幼児期に多く見られ、男女の差はありません。高齢者や免疫力が低下している方の場合、インフルエンザが重症化し気管支炎や肺炎などの疾患を引き起こすリスクもあります。

A型・B型で初期症状は異なりますか?

インフルエンザウイルスは抗原性の違いから、A型・B型・C型に大きく分類されます。ヒトで大きな流行を引き起こしているのはA型・B型で、初期症状はどちらもほとんど変わりません。ただし、乳幼児がインフルエンザに罹患し重症化した場合、A型の方がB型に比べインフルエンザ脳症を引き起こしやすいという厚生労働省の研究報告があります。

風邪の初期症状との違いを教えてください。

風邪はコロナウイルスやアデノウイルスなどのウイルス、細菌による感染症の総称です。風邪の場合はインフルエンザウイルスと違い、身体全体での症状はほとんど見受けられません。普通の風邪の多くは、喉の痛み・鼻汁・くしゃみ・咳などの症状が中心です。発熱することがあっても、インフルエンザウイルスのように高熱になることはあまりありません。また風邪の場合、合併症(脳症・脳炎・気管支炎・肺炎など)のリスクも低いです。

流行しやすい時期はいつですか?

日本でインフルエンザが流行しやすい時期は、例年12月〜3月です。とはいえ夏に流行することもあり、流行の時期とピークは年によって異なります。また新型コロナウイルス感染症(COVID -19)の影響で、一時期インフルエンザの流行が低調であったことなどから、その後のインフルエンザ抗体の保有割合が全年齢で低下傾向となったとの指摘もあります。ほかのウイルス感染症の影響を受け、例年より早い時期に流行を迎える場合もあることに注意が必要です。

インフルエンザの受診のタイミング・検査

診療するドクター

インフルエンザの受診のタイミングを教えてください。

インフルエンザで受診する場合の適切なタイミングは、症状発症から12時間〜48時間の間が望ましいです。これには2つの理由があります。一つは発症直後はウイルス量が検出するのに十分でない場合があり、12時間以内に検査をしても陽性反応が出ない可能性があるためです。もう一つは、抗インフルエンザウイルス薬の効果的な内服タイミングが発症から48時間以内とされているためです。

医療機関ではどのような検査を行いますか?

医療機関で行うインフルエンザの検査として、主に咽頭拭い液やうがい液の検査を行います。血液検査の場合、発症後と回復期の抗体価を見て判断するため、確定診断に2〜3週間かかるというデメリットがあります。近年は、20〜30分以内に診断が可能なインフルエンザ抗原検出キットが広く利用されるようになり、臨床現場でのインフルエンザ検査診断が容易になってきました。

検査薬は薬局やドラッグストアでも手に入りますか

インフルエンザの検査薬は薬局やドラッグストア、オンラインでも手に入れることが可能です。新型コロナウイルスと一緒に検査できるキットも販売されています。ただし、購入するためには常駐している薬剤師から使い方などの説明を受ける必要があります。値段はメーカーによって異なり、医療保険や医療費控除の適応にはならないこともあるため注意が必要です。

インフルエンザの治療・セルフケア

飲み薬とお薬手帳

インフルエンザの治療にはどのような薬が用いられますか?

インフルエンザに対する治療薬として、以下の薬剤が用いられることがあります。

  • オセルタミビルリン酸塩(商品名:タミフルなど)
  • ザナミビル水和物(商品名:リレンザ)
  • ペラミビル水和物(商品名:ラピアクタ)
  • ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(商品名:イナビル)
  • アマンタジン塩酸塩(商品名:シンメトレルなど)
  • バロキサビル マルボキシル(商品名:ゾフルーザなど)

これらの抗インフルエンザウイルス薬の投与は、すべての患者さんにとって必要とは限りません。使用するかどうかは医師の判断に基づきます。抗インフルエンザウイルス薬の服用を発症から48時間以内に開始すると、発熱期間は通常1〜2日間短くなり、鼻や喉からのウイルス排出量を減らすことができます。症状が出てから48時間経過している場合は、望ましい効果が得られません。また、インフルエンザウイルス治療薬の服用後に異常行動(急に部屋を飛び出す、窓から飛び降りる)が報告されていますが、抗インフルエンザウイルス薬との因果関係は不明です。これまでの調査結果からは、抗インフルエンザウイルス薬を服用していない場合でも、インフルエンザにかかったときには同様の異常行動が現れることがわかっています。さらに服用した抗インフルエンザウイルス薬の種類に関係なく、異常行動が現れることも報告されています。これらのことから、インフルエンザにかかったときには抗インフルエンザウイルス薬服用の有無に関わらず、異常行動の出現に注意が必要です。

インフルエンザで自宅療養する際のセルフケア方法を教えてください。

インフルエンザで自宅療養する際のセルフケア方法は以下です。

  • 不要不急の外出を控え、無理をして学校や職場に行かないようにする
  • 安静にして十分な睡眠、休養をとる
  • 脱水を防ぐため、水分をこまめに摂取する
  • 胃腸の機能が低下しているため、消化しやすい温かいもの(お粥・スープ)を摂取する
  • 高熱の持続や呼吸困難感がある場合は速やかに医療機関を受診する
  • こまめに換気し、室内の加湿をする
  • ほかの家族に移さないよう、マスクを着用し手洗いを徹底する
  • 咳やくしゃみをする際は手や腕で口元をおさえ、手を速やかに洗う

基本的には自宅療養で快方に向かうことが多いですが、乳幼児や高齢者の場合には症状が悪化しやすいため注意が必要です。また小児・未成年者の場合、インフルエンザの罹患により異常行動(急に部屋を飛び出す、急に走り出す、ベランダから飛び降りるなど)が見られることが報告されています。抗インフルエンザウイルス薬を内服した後に異常行動が見られたとの報告もありますが、薬と異常行動の関連ははっきりとはわかっていません。小児・未成年者がインフルエンザと診断されてから2日間程度は、子どもが一人にならないようにし、保護者が異常行動に注意する必要があります。

インフルエンザが治癒するまでの期間はどのくらいですか?

発熱などの全身症状は3〜4日程度続くことがあります。通常であればおよそ5日以内には症状がおさまり、日常生活に支障なく過ごせるようになるでしょう。学校保健法ではインフルエンザに罹患した場合の出席停止期間を発症した後、5日を経過し、かつ解熱後2日を経過するまでと定めています。ただし、乳幼児や高齢者、免疫力の低下している方は重症化しやすく、インフルエンザ脳症や肺炎、気管支炎などを引き起こした場合はさらに長引くことも考えられます。

編集部まとめ

マスクをするOL
この記事では、インフルエンザの初期症状や風邪との違い、受診のタイミング、セルフケアなどについて解説しました。

インフルエンザは感染力が特に強く、38度以上の発熱・倦怠感・筋肉痛など全身症状が見られやすいです。風邪はインフルエンザに比べると感染力はありません。喉の痛みや咳などの症状のみで、全身症状は見られないことが多いです。

インフルエンザは数日で快方に向かうことが多く、抗ウイルス薬はすべての患者さんに用いられるわけではありません。自宅療養する際は、紹介したセルフケアを実践し、回復を待ちましょう。

乳幼児や高齢者など免疫力の低下している方は重症化リスクがあるため、症状が悪化している場合には速やかに医療機関を受診することが重要です。

この記事の監修医師