「ノロウイルスの検査方法」はご存知ですか?費用や予防法も解説!【医師監修】
ノロウイルスは感染性胃腸炎の1つで、嘔吐・下痢・発熱などが生じます。多くの場合、軽症ですが、乳幼児や高齢者では重症化する恐れもある病気です。
ノロウイルスは1年を通して発生しますが、特に冬場に感染者が増加します。症状や感染状況などから診断を下すことは少なくないですが、検査でウイルスを特定する場合もあります。
以下で、ノロウイルスの検査方法や検査方法による感度の違い、費用などを紹介します。ノロウイルスの検査を受ける際の参考になれば幸いです。
監修医師:
眞鍋 憲正(医師)
目次 -INDEX-
ノロウイルス検査方法
年齢によってなりやすさはありますか?
ノロウイルス検査方法について教えてください。
- RT-nested PCR
- RT-リアルタイム PCR
- ELISA法
- 電子顕微鏡
RT-nested PCRは、増幅がうまくいかないときや似た配列が多いときなどに行われる方法です。PCRを2段階行うため、高い特異性が得られます。RT-リアルタイム PCRは、PCRで増幅させたDNAを発光させ、それを光学機器で検出する方法です。感度が高く、定量分析が行えます。ELISA法は、対象のウイルス粒子を構成しているたんぱく質の抗体を使って、ウイルスを検出する方法です。多くの分野で使われています。電子顕微鏡では、ウイルスの表面や断面の状態、内部構造の観察などが可能です。感度はほかの検査に比べ低くなりますが、迅速な診断が行えます。一般的に、これらの検査は行政機関や研究機関などで原因究明のために行われるでしょう。
検査方法によって感度の違いはありますか?
ノロウイルス検査の費用はいくらかかりますか?
- 3歳未満の方
- 65歳以上の方
- 悪性腫瘍の診断が確定している方
- 臓器移植した後の方
- 抗がん剤や免疫抑制剤など、免疫抑制効果のある薬を投与中の方
以上に該当しない方は、全額自己負担となり、3,300〜5,500円(税込)程かかります。検査料以外にも、診察料・薬代・診断書が必要な方は文書料なども全額自己負担です。
ノロウイルスの症状・治療方法
ノロウイルスの原因について教えてください。
ノロウイルスの症状にはどのようなものがありますか?
ノロウイルスはどのように診断しますか?
ノロウイルスの治療方法を教えてください。
ノロウイルスの流行時期・予防方法
ノロウイルスが流行する時期はいつですか?
ノロウイルスの予防方法を教えてください。
- 持ち込まない
- つけない
- やっつける
- ひろげない
持ち込まないとは、調理した方からの感染を防ぐため調理場にノロウイルスを持ち込まないことを指します。調理をする方は普段から手洗いや健康状態に気を遣い、体調が優れない際には調理を行わないなど、持ち込まないように心がけましょう。次に、つけないは食器や調理器具などにノロウイルスをつけないことです。そのためにも、調理前や作業が変わる際には手洗いを行い、衛生管理を徹底しましょう。やっつけるとは、食品や調理器具などに付着したノロウイルスを死滅させることです。ウイルスは熱に弱いため、食品の中心温度を85〜90度で90秒以上加熱すると、ウイルスの感染性が失われるとされています。使った調理器具は、洗剤で洗った後に85度以上の熱湯で1分以上加熱、もしくは塩素消毒液で消毒するのが効果的です。ひろげないは、二次感染が起こらない対策を指します。感染者が使用した食器や環境などの消毒、嘔吐物の処理の対策が重要です。感染者が使った食器や嘔吐物が付着したものは、個別に洗浄し消毒します。ほかにもカーテンや衣類などの洗濯も熱水や高温の乾燥機などを使うことで、殺菌効果が高くなります。また、ドアノブの消毒も忘れずに行いましょう。加えて、嘔吐物やおむつの処理にも注意が必要です。処理する際には、直接触れないように使い捨てのガウンや手袋、マスクなどを着用しましょう。嘔吐物が乾燥する前に除去し、その場も塩素消毒液で消毒して拭き取ります。処理が終わったら、空気の流れに注意して部屋内の換気を行いましょう。
編集部まとめ
ノロウイルスの検査方法や検査方法による感度の違い、費用などを紹介しました。
ノロウイルスでは、抗原検査・RT-PCR・ELISA法・電子顕微鏡などの方法で検査が行われ、各検査で検出感度は異なります。
ノロウイルスでは、症状や感染状況で診断するケースが多く、必ずしも検査を行うわけではありません。
集団感染による原因の確定や仕事や学校などの都合で確定診断が必要な際には検査を行います。ノロウイルスの症状が出た際には、病院を受診し、確定診断が必要であれば医師に相談しましょう。