「子宮がん」の原因や症状はご存じですか?!医師が監修!
公開日:2023/09/19
子宮がんは、近年、比較的若い世代の女性が発症することが社会問題としても取り上げられている病気です。
しかし、子宮がんはどこか他人事としてとらえられ、検診率がほかの先進国と比べると低いことも問題視されています。
女性が患うがんの中でも6番目に多い発症率で、身近ながんとして知っておくことが大切です。
今回は、そんな子宮がんの症状・原因・治療法について解説していきます。ぜひ、この機会に子宮がんについての知識を身につけましょう。
監修医師:
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)
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筑波大学医学群医学類卒業 。その後、北海道内の病院に勤務。 2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院。 日本産科婦人科学会専門医。日本内視鏡外科学会、日本産科婦人科内視鏡学会の各会員。
目次 -INDEX-
子宮がんの症状や原因
子宮がんってなんですか?
子宮がんには、「子宮体がん」と「子宮頸がん」の2種類があります。それぞれ、がんが生じる部位が異なります。
子宮体がんは子宮の奥(子宮体部)にできるがんで、子宮頸がんは子宮の入口(子宮頸部)にできるがんです。
子宮体がんと子宮頸がんは全く別の種類の病気です。そのため、発症年齢・症状・原因もそれぞれ異なります。
どちらも早期発見が治療のカギとなるので、定期的な健康診断をうけることが重要です。
早期に発見できた子宮がんは、子宮体がん・子宮頸がんともに90%以上の確率で治すことが可能です。
子宮体がんは子宮の奥(子宮体部)にできるがんで、子宮頸がんは子宮の入口(子宮頸部)にできるがんです。
子宮体がんと子宮頸がんは全く別の種類の病気です。そのため、発症年齢・症状・原因もそれぞれ異なります。
どちらも早期発見が治療のカギとなるので、定期的な健康診断をうけることが重要です。
早期に発見できた子宮がんは、子宮体がん・子宮頸がんともに90%以上の確率で治すことが可能です。
子宮がんの症状はどのようなものですか?
子宮体がんで最も多い症状は、不正出血です。出血量はさまざまで、おりものに少し血が付く程度の場合もあります。
排尿痛・性交時の痛み・下腹部の痛み・満腹感なども症状としてみられるので、こういった症状がでてきたら注意が必要です。
子宮頸がんに関しては、初期症状がほとんどないケースも多いです。
がんが進行していくと、不正出血・おりものの異変といった症状があらわれることがあります。
子宮頸がんは、定期検診以外での早期発見が難しいので、少しでも異変を感じた場合はすぐに病院を受診してください。
排尿痛・性交時の痛み・下腹部の痛み・満腹感なども症状としてみられるので、こういった症状がでてきたら注意が必要です。
子宮頸がんに関しては、初期症状がほとんどないケースも多いです。
がんが進行していくと、不正出血・おりものの異変といった症状があらわれることがあります。
子宮頸がんは、定期検診以外での早期発見が難しいので、少しでも異変を感じた場合はすぐに病院を受診してください。
子宮がんの原因を教えてください。
子宮体がんと子宮頸がんは、それぞれ原因が異なります。
子宮体がんは、卵巣ホルモンのバランスが崩れることから引き起こされる病気です。
多くの場合、エストロゲンという女性ホルモンが増えすぎることが原因です。
しかし、食生活の変化による肥満・少産化・ストレスの増加などが原因でエストロゲンが増加したことにより、閉経前の女性が子宮体がんになることも増えています。
子宮頸がんの原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルス感染がほとんどです。
HPVは、性交渉により感染することがわかっています。
HPVには種類がいくつかあり、感染したら必ず子宮頸がんが発症するというわけではありません。
はっきりとした要因は研究中ですが、HPVへの感染と子宮頸がんは強い結びつきがあるとされています。
子宮体がんは、卵巣ホルモンのバランスが崩れることから引き起こされる病気です。
多くの場合、エストロゲンという女性ホルモンが増えすぎることが原因です。
しかし、食生活の変化による肥満・少産化・ストレスの増加などが原因でエストロゲンが増加したことにより、閉経前の女性が子宮体がんになることも増えています。
子宮頸がんの原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルス感染がほとんどです。
HPVは、性交渉により感染することがわかっています。
HPVには種類がいくつかあり、感染したら必ず子宮頸がんが発症するというわけではありません。
はっきりとした要因は研究中ですが、HPVへの感染と子宮頸がんは強い結びつきがあるとされています。
子宮がんはどのような人に起きますか?
子宮がんの発症は、20代後半から50代まで少しずつ増加していく傾向があります。
子宮体がんに関しては、閉経後のホルモンバランスが原因で起こりやすい病気のため、閉経後の年齢層に多いです。
一方、子宮頸がんは性交渉の若年化により、比較的若い世代の方でもかかりやすい病気です。
子宮体がんに関しては、閉経後のホルモンバランスが原因で起こりやすい病気のため、閉経後の年齢層に多いです。
一方、子宮頸がんは性交渉の若年化により、比較的若い世代の方でもかかりやすい病気です。
子宮がんの治療
子宮がんはどのように治療しますか?
治療方法は、子宮体がんと子宮頸がんそれぞれ異なります。
子宮体がんは進行が進んでいる場合、手術によってがんを取り除く治療法をとられることが一般的です。
また、la期というステージまでは転移の可能性がないので、子宮を取り除く必要のないホルモン療法を取られる場合もあります。
そのため、妊娠を希望する場合でもケースによっては、安心して治療に取り組むことが可能です。
子宮頸がんは、子宮全摘術・放射線治療など、患者の状態に合わせた治療方法がとられます。
子宮体がんと同様、妊娠を希望する場合、状況によっては子宮温存手術が可能です。
子宮体がんは進行が進んでいる場合、手術によってがんを取り除く治療法をとられることが一般的です。
また、la期というステージまでは転移の可能性がないので、子宮を取り除く必要のないホルモン療法を取られる場合もあります。
そのため、妊娠を希望する場合でもケースによっては、安心して治療に取り組むことが可能です。
子宮頸がんは、子宮全摘術・放射線治療など、患者の状態に合わせた治療方法がとられます。
子宮体がんと同様、妊娠を希望する場合、状況によっては子宮温存手術が可能です。
子宮がんは治りますか?
子宮体がん・子宮頸がんともに、初期の段階で発見・治療を行えば5年生存率は90%を超えます。
発見が遅れ、がんのステージが進行するにつれて、生存率は低下していきます。
万一、4期まで発見が遅れると、5年生存率は約27%まで下がってしまいますので要注意です。
子宮がんを治療するためには、健康診断を定期的に受けて早期発見をすることが大切です。
発見が遅れ、がんのステージが進行するにつれて、生存率は低下していきます。
万一、4期まで発見が遅れると、5年生存率は約27%まで下がってしまいますので要注意です。
子宮がんを治療するためには、健康診断を定期的に受けて早期発見をすることが大切です。
子宮がんは再発しますか?
子宮体がん・子宮頸がんともに、再発のリスクは人それぞれです。
子宮体がんの再発リスクは、手術で採取したがん細胞・がんの広がりから予測されます。
子宮体がんは、膣・骨盤内などの局所再発、肺・肝臓などの遠隔部位の再発があります。
再発した場合は、早期発見することにより治療の可能性が高まります。
一度子宮がんに罹った場合、治った後も定期的な健診が必要です。
子宮頸がんも同様、施術で採取したがん細胞から再発の可能性を判定していく仕組みです。
再発の可能性が高い場合、状況に応じた再発予防の治療を実施します。
骨盤リンパ節転移がある場合は放射線療法がとられますが、ない場合は状況に応じて放射療法のみ、または、抗がん剤との併用で治療していきます。
子宮体がんの再発リスクは、手術で採取したがん細胞・がんの広がりから予測されます。
子宮体がんは、膣・骨盤内などの局所再発、肺・肝臓などの遠隔部位の再発があります。
再発した場合は、早期発見することにより治療の可能性が高まります。
一度子宮がんに罹った場合、治った後も定期的な健診が必要です。
子宮頸がんも同様、施術で採取したがん細胞から再発の可能性を判定していく仕組みです。
再発の可能性が高い場合、状況に応じた再発予防の治療を実施します。
骨盤リンパ節転移がある場合は放射線療法がとられますが、ない場合は状況に応じて放射療法のみ、または、抗がん剤との併用で治療していきます。
子宮がんの予防
子宮がんは予防できますか?
子宮がんは予防によって対策することが可能です。
子宮体がんに関しては、閉経以外にも、病気の原因であるホルモンバランスを崩す要素がいくつかあります。
例えば、肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧・ストレスなどです。こういった原因を取り除くことで、子宮体がんの予防へとつながります。
生活リズムや食生活を見直すことが重要です。一方、子宮頸がんの予防には、ワクチンが有効とされています。
ワクチン接種により、HPVへの感染を予防できるのです。しかし、ワクチンには副作用があるので、副作用について理解した上で接種しましょう。
また、子宮頸がんは定期的に健康診断をうけることで、早期発見につながり完治しやすいです。
20歳以上の女性は、積極的に定期検診を受診してください。
子宮体がんに関しては、閉経以外にも、病気の原因であるホルモンバランスを崩す要素がいくつかあります。
例えば、肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧・ストレスなどです。こういった原因を取り除くことで、子宮体がんの予防へとつながります。
生活リズムや食生活を見直すことが重要です。一方、子宮頸がんの予防には、ワクチンが有効とされています。
ワクチン接種により、HPVへの感染を予防できるのです。しかし、ワクチンには副作用があるので、副作用について理解した上で接種しましょう。
また、子宮頸がんは定期的に健康診断をうけることで、早期発見につながり完治しやすいです。
20歳以上の女性は、積極的に定期検診を受診してください。
子宮頸がん予防ワクチンについて教えてください。
子宮頸がんの予防ワクチンは、HPVワクチンと呼ばれており、HPVへの感染を防ぐワクチンです。
HPVには種類があるので、HPVワクチンにも種類があります。
ワクチンの種類や接種年齢によって、接種回数・タイミングが異なります。
現在、小学6年生〜高校1年生に当たる年齢の女性は、公費でHPVワクチンの接種が可能です。
高校2年生以上の女性は、キャッチアップ接種の対象者であれば公費で無料で接種できますが、それ以外だと自己負担でHPVワクチンを受けることになります。
HPVワクチンはワクチンの種類にもよりますが、子宮頸がんの原因を50〜90%防ぐことが可能です。
ただし、ワクチン接種には副反応のリスクもあるため、理解して受けることが必要です。
HPVには種類があるので、HPVワクチンにも種類があります。
ワクチンの種類や接種年齢によって、接種回数・タイミングが異なります。
現在、小学6年生〜高校1年生に当たる年齢の女性は、公費でHPVワクチンの接種が可能です。
高校2年生以上の女性は、キャッチアップ接種の対象者であれば公費で無料で接種できますが、それ以外だと自己負担でHPVワクチンを受けることになります。
HPVワクチンはワクチンの種類にもよりますが、子宮頸がんの原因を50〜90%防ぐことが可能です。
ただし、ワクチン接種には副反応のリスクもあるため、理解して受けることが必要です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
子宮がんは、ワクチンの接種や生活スタイルの見直しによってある程度予防することができます。
しかし、はっきりとした原因がわかっていないことや、防ぐことができないホルモンバランスの変化が原因であることから、完全に予防するのは難しいです。
子宮がんは、早期発見により完治しやすいがんなので、早い段階に見つけて治療していくのが重要です。
子宮がんを予防するためにも、定期検診をしっかりうけて、身体に異常を感じた場合はすぐに病院を受診しましょう。
しかし、はっきりとした原因がわかっていないことや、防ぐことができないホルモンバランスの変化が原因であることから、完全に予防するのは難しいです。
子宮がんは、早期発見により完治しやすいがんなので、早い段階に見つけて治療していくのが重要です。
子宮がんを予防するためにも、定期検診をしっかりうけて、身体に異常を感じた場合はすぐに病院を受診しましょう。
編集部まとめ
子宮がんは、女性がかかりやすい上位のがんです。
身近な病気で、病名を聞いたことがある方も多いと思います。しかし、病気について詳しい情報を知らなかったという方も多数いたのではないでしょうか。
ぜひこの機会に、子宮がんについて少しでも興味をもって、できる予防・対策に取り組んでください。
早期発見できると、完治できる可能性が高い種類のがんです。しかし、気づかずに放置してしまうと、致命傷ともなりえます。
万一の場合に備えて、子宮がんについて理解したうえで、まずは定期検診を受診しましょう。
参考文献