「光視症」の症状・原因・治療方法はご存知ですか?医師が監修!
暗闇の中でピカッと光が見える「光視症」という病気をご存知でしょうか。光視症は加齢に伴う眼の変化により、このような症状が現れます。
40歳以上の中高年の方にみられることが多く、症状が進めば、網膜剥離を引き起こすこともあるため注意が必要です。
また片頭痛の前兆としてギザギザの光がみえることもあります。この場合は、脳神経外科を受診する必要があるでしょう。
今回は、光視症の症状や原因・受診するタイミング・治療方法・自然治癒・放置するリスクも詳しく解説します。
監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
目次 -INDEX-
光視症とは
光視症はどのような病気でしょうか?
しかし、加齢により硝子体が液体化し萎んでしまうことにより、網膜から徐々に剥がれてしまうのです。このとき網膜に力が加わることで光が見えるのが、光視症です。
光視症は加齢に伴う症状で、40歳以上の中高年によくみられます。また、40歳未満の方でも近視が強い方にみられることもあります。
症状を教えてください。
また、ギザギザの光が見える「閃輝暗点」も光視症の1つです。閃輝暗点とは、片頭痛が起きる前の症状でギザギザの光が数十分続くことがあります。
このギザギザ光が見えるだけの場合には眼の症状が考えられますが、ギザギザの光が見えた後に頭痛が起きる場合には偏頭痛である可能性を考慮し、脳神経科の受診をお勧めします。
発症の原因を教えてください。
光視症は40代以上の中高年の方に起こりやすい症状ですが、その中でも特に近視が強い方に現れることが多いです。また、40歳未満の方でも強い近視が原因で光視症が起こる可能性があります。
近視の場合には硝子体が強く変形していることが多く、その変形によって網膜から硝子体が剥がれやすいため光視症がおこりやすいです。
さらに、ギザギザの光が見える閃輝暗点の場合には、脳血管の異常やストレスが主な原因であることが考えられるでしょう。
ストレスも光視症の原因となるのでしょうか?
また、ストレスが原因で引き起こされる眼の病気に「中心性漿液性脈絡網膜症(ちゅうしんせい・しょうえきせい・みゃくらくもうまくしょう)」というものがあります。この病気はストレスとの関連が影響し、目がかすんだり視野が歪んだりといった症状が現れます。
特に30代〜50代の男性によくみられる症状ですので、思い当たる症状があれば眼科へ受診するようにしてください。
光視症の受診と治療
受診するタイミングを教えてください。
この症状は突然発症し、著しく視力を低下させます。また、場合によっては失明する恐れもあるので注意してください。
網膜剥離は年齢に関係なく発症します。光視症に気付いた時点で、早めに眼科へ受診することが大切です。
光視症の検査方法を教えてください。
瞳孔を散大させて検査を行う場合、検査に約1時間程度要することが一般的です。瞳孔散大後は目がぼやけてしまうため、検査当日は車の運転はできなくなってしまいます。仕事に支障をきたす恐れがあるため、時間に余裕がある日に検査を受けるようにしましょう。
また、ギザギザの光が数十分にわたって見えた後に頭痛が起こる場合には、脳神経外科で診療を受けることが大切です。片頭痛の場合、一般的に脳の検査では異常はみられませんが、片頭痛専門治療薬の処方により辛い頭痛症状を鎮められるでしょう。
治療方法を教えてください。
また、網膜が剥離していることが判明すれば、手術を行うことも必要です。どちらにしても定期的に眼科を検診し、経過をみていくことが大切です。
光視症は治る?
光視症は完治するのでしょうか?
しかし、この状態を早く発見し、早期に治療を受ければ、網膜剥離を回避できます。
ただし、片眼の網膜に裂け目ができた場合、もう片方の眼にも同様に負担がかかっている可能性が高いです。一度レーザー治療が終了しても、定期的に眼科検診を受けることを心がけてください。
光視症は自然治癒しますか?
また、光視症は網膜剥離の前兆として起こる症状でもあります。自然治癒するだろうと考えて放置していたら、突然網膜剥離が起こってしまうという可能性も十分に考えられます。中高年の方や近視が強い方は特に注意してください。
放置するリスクを教えてください。
しかし、光視症に気付いた時点で早めに眼科を受診すれば、網膜剥離を回避できるでしょう。例えば、眼底検査で網膜剥離が起こりそうな状態を発見し、レーザー治療を受けることも可能です。
また、ギザギザの光が見えた後に片頭痛が起きる場合、辛い頭痛症状が定期的に出現します。片頭痛は、頭痛の他にも吐き気や嘔吐といった症状を伴うこともあります。日常生活に支障が出ることも多いため、一度脳神経外科を受診することがおすすめです。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
光視症の場合、片眼の外側に光が見えることが一般的です。もしも光視症の症状が現れた際には、そのままにせず、できるだけ早めに眼科を受診することが大切です。
また、ギザギザの光が見える場合には、片頭痛やストレスが原因として挙げられます。適度に休息をとり、ストレスを取り除くことも心がけてみてください。
編集部まとめ
今回は、暗い場所にいるときや目を閉じたときに光が見える「光視症」について詳しく解説しました。
光視症は、加齢に伴う眼の変化により引き起こされる病気です。しかし、中高年の方だけでなく、近視が強い若い方にもみられることがあります。
光視症は網膜剥離のリスクに気付くための重要な症状ですので、思い当たる症状があれば、早めに眼科を受診するのがおすすめです。
ひとたび網膜剥離が起きてしまえば、視力が著しく低下したり失明したりする恐れもあります。
最悪の状況を避けるためにも早めに眼科を受診することが大切です。早期発見・早期治療によって網膜剥離を回避できる可能性が高くなるでしょう。