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「痛風」の原因となる食べ物はご存知ですか?

公開日:2022/11/19  更新日:2022/11/18
痛風

皆さん、痛風がどのような病気かご存じでしょうか。疾患名を聞いて、多くの方が思い浮かべるイメージは下記の3点です。

・男性がなる病気
・美味しいものばかり食べている方がなりやすい
・とても痛い

昔はお金持ちの中年男性がなる病気ともいわれていました。しかし、現代ではそうとは限りません。

中年以降の男性だけでなく、若い方や女性でも痛風になる可能性はあるのです。では、痛風とは何が原因で起こるのでしょうか。

今回は痛風についてのお話をしていきます。症状や原因に加えてリスクや治療法についても詳しく解説するため、ぜひ参考にしてみてください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は産業医, 美容皮膚科, 皮膚科, 内科, 内分泌代謝科, アレルギー・膠原病内科, 神経内科, 肝胆膵内科, 消化器内科, 総合内科, 血液内科, 腎臓内科, 循環器内科, 感染症科, 糖尿病内科, 呼吸器内科, サル痘。

痛風とはどんな病気?

膝をおさえる男性

よく耳にする痛風とはどんな病気ですか?

最初にお話しましたが、痛風は風が吹いても痛いと昔からいわれている症状です。突然足の付け根などの関節に腫れと痛みが起こる病気になります。
暴飲暴食をした翌朝に起こることが多いです。尿酸の血症が関節に沈着し付着することで痛みが起こります。
この病気は男性がなる病気というイメージがありますが、実際に男性の方が発作に悩まされるケースが多いです。しかし、近年では女性の患者さんも増えてきました。
一般的にいわれている症状は初期のもので、そのまま放っておくと悪化したり合併症を起こしたりするため早めに対処をするようにしましょう。

原因は何でしょう?

痛風は、血液中の尿酸が結晶化をして関節に蓄積し炎症が起こっている状態のことをいいます。尿酸はプリン体の老廃物のことです。
尿酸値が上昇することを高尿酸血症といい、その原因は暴飲・暴食・肥満・運動不足等があげられます。他に腎臓から尿酸を排出する機能の低下や高圧利尿剤などの薬が原因となるケースも少なくありません。
プリン体の過剰摂取にも注意が必要です。高尿酸血症があれば必ず痛風発作を引き起こすというわけではありませんが、高い状態が続くと痛風発作のリスクともなり得るため治療が行われることが多いです。

症状の特徴を教えてください。

足の付け根などの関節が赤く腫れて激痛を感じることが痛風の特徴になります。足の甲・足首・かかとに症状がでる方も多いです。ひざの関節や肩、まれに手の関節や肩の関節にも症状が起こるケースもあります。
痛風の発作は夜間に起こることが多く、痛みで眠れない場合も少なくありません。一般的に痛みのピークは24時間後といわれています。前兆として患部にほてり・関節の違和感が生じる場合も多いです。
痛みは通常7~10日で治まることが多いですが、再発することが多いため早めに対処しましょう。

患者さんは何歳くらいの方が多いのでしょうか?

痛風は20歳以上の男性に多い病気です。30歳以上の中年期以降の男性や50歳以上の閉経後の女性に起こる可能性が高くなっています。
ただ、若い方でも発作が起こる可能性はゼロではありません。
30歳未満の方が発症した場合は、症状が重くなることがあります。そのため、若いからと油断はしないで食生活などに注意をしておきましょう。

痛風のリスクと診断

苦しそうな男性

痛風が進行するとどうなりますか?

痛風の痛みは通常7~10日で自然に治まります。しかし治まったからといって何も対処をしないでいると、再発の可能性があります。
何度も発作を繰り返すと関節が変形して、発作時以外にも痛みが続くようになってしまうのです。また、発作が起こるということは、尿酸値が高い状態が続いていることになります。
尿酸値が高いと合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。合併症については次の質問でお答えします。

合併症を発症する可能性があると聞いたのですが…。

痛風は高尿酸血症が原因となって起こる病気です。尿酸が身体に溜まって結晶を作ることで、さまざまな障害が起きます。
結晶が腎臓に溜まり慢性腎臓病が起こる可能性や、尿路結石ができる可能性も高いです。
他にも尿酸値が高いことが原因で、脳出血・脳梗塞などの脳血管障害や、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患などのリスクが高くなります。
症状の悪化やそのほかの疾患のリスクを踏まえて、早めに受診をして適切な治療を始めてください。

どのような方法で診断を行うのでしょうか?

痛風と確実に診断するためには、発作が起きている際の関節中に尿酸の結晶が存在するかを証明する必要があります。ただ、急性の発作の場合は尿酸値が正常なことや、逆に血中尿酸値が高い方でも発作を起こすとは限らないため、血液検査だけでの診断はできません。
確定診断のために行われる検査には関節液を採取する方法があります。針で採取した関節液を特殊な偏光顕微鏡で調べて、結晶が確認されれば確定診断が可能です。
X線検査や超音波検査、CT検査を行うこともあります。もともと血中尿酸値の高い方で、痛風の独特な症状がみられれば診断が可能です。
症状には特徴があるため、専門の知識を持った医師なら症状や簡単な検査で診断ができます。

痛風の治療や生活のしかた

水を持つ女性

治療方法はどんなものがあるのですか?

痛風は、発作そのものへの治療と原因である高い尿酸値を下げる治療の2つです。発作が起きている際は、痛み止めをつかった症状への対処が一般的になります。
痛みを抑えるだけでは、根本的な治療にはならないため尿酸値を下げる治療を行わなければいけません。痛みが治まった後に尿酸排泄促進剤や尿酸生成抑制剤を使い、徐々に尿酸値をコントロールしていきます。
また、痛風発作の抑制のためにコルヒチンが利用されることが多いです。発作が起きている間に尿酸値を下げる治療を行うと、症状が悪化してしまうため、発作が治まってから治療を行います。
薬を使った治療と並行して生活習慣の改善も行い、発作が起きないようにしていくことも大切です。

痛風は完治しますか?

発作が起こる原因は体内の尿酸値が高いことが原因です。これを、うまくコントロールして正常値を維持し続ければ発作を予防することはできます。
ただ、発作を何度も起こしている方は、生活習慣の改善とともに薬を使った治療の継続が必要です。痛風の治療=尿酸値を正常に保つことになるため、発作時以外でも薬の服用を続けなければいけません。
痛風は治りにくい病気です。しかし、治療を続けることで発作が起きないようにコントロールができます。
尿酸値を下げる薬を処方されている方は、発作が起きていないからといって勝手に服用を中断しないようにしましょう。

痛風になった場合、控えた方が良い食べ物などあれば教えてください。

痛風を予防するためには食生活の見直しも重要です。過食を控えプリン体を多く含む食品やアルコールの摂取は控えてください。
プリン体を多く含む食品は以下の通りです。

  • レバー
  • 干物(アジ・サンマ)
  • いわし
  • かつお
  • エビ
  • 白子
  • アンコウ
  • 甘い飲み物
  • 甘みの強い果物
  • アルコール

肉の内臓や海産物にはプリン体が含まれる食品が多くあります。上記の食べ物はできるだけ避けるか、調理法を工夫してみてください。
プリン体は水に溶ける性質を持っているため、食べる前や調理前に一度茹でても良いです。魚などは内臓を取り除いて食べることで、プリン体の摂取を減らすことができます。
プリン体の多い食品を避けることも大切ですが、食べる量や摂取カロリーにも気を遣う方が良いです。水分を多めに摂って、排尿の量を増やすことも大切です。
適度な運動も無理のない範囲で取り入れてください。激しすぎる運動は逆効果になるため、注意をしましょう。

家族が痛風になった場合、周囲はどのようにサポートしたら良いでしょう?

発作が起こっている間は安静を保てるようにサポートをしてあげてください。患部を冷やすのも効果的です。
発作が起きないようにコントロールするためには尿酸値を下げる薬の服用以外に、生活習慣・食生活の見直しも重要になります。
患者さんと一緒に、ご家族の方も食事内容を見直してみることもおすすめです。

予防方法があれば知りたいです。

痛風は尿酸値を正常範囲に保ち、発作が起きないようにコントロールをすることが重要になります。アルコールの摂取は適量を守り、上記で紹介したプリン体の多い食品に注意をしましょう。
肉食は尿酸の排泄を妨げるため、食べすぎ注意です。ストレスも尿酸値を上げる原因になるため、ストレスを溜め込まない工夫をしてください。
運動は有酸素運動が効果的です。ウォーキングなど適度に身体を動かしてください。

最後に、読者へのメッセージをお願いします

昔は贅沢病と呼ばれていた痛風ですが、高カロリー・高脂肪な食事が多くなっている現代では意外と身近に起こりやすい病気といえます。
発作が起きると激しい痛みを伴うため、患者さんはかなり辛いはずです。発作が起きている間は、鎮痛剤などで痛みをやわらげながら安静に過ごしてください。
また、痛みが治まっても何も治療を行わないと、再発の可能性が高くなります。再発を繰り返す方は尿酸値を下げる治療が必要です。
発作の予防や合併症のリスクをさげるためにも、生活習慣の改善をしながら早めに受診をして適切な治療を受けるようにしましょう。

編集部まとめ

足を痛がる男性
「風が吹くだけで痛い」といわれる通り、発作が起こると激しい痛みを伴います。痛風は血液中の尿酸が結晶となり関節に付着することで起こる病気です。

結晶ができてしまう状態を改善することが、発作の予防に重要なポイントになります。尿酸値の高い状態は痛風以外にもリスクが高いです。

合併症のリスクを下げるためにも尿酸値が高いといわれた方は生活習慣を改善していきましょう。

痛風は通常数日で治まりますが、治療を行わないと再発する可能性が高い病気でもあります。再発・悪化を防ぐためにも早めに病院で治療を行ってください。