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「ドライアイ」とは?症状・原因・治療についても解説!【医師監修】

 更新日:2023/07/13
「ドライアイ」とは?症状・原因・治療についても解説!【医師監修】

エアコンの使用やコンタクトレンズの装用、パソコン・スマートフォンの使用などでドライアイを訴える人が増えています。日本には2,200万人の患者がいるとされ、身近な目の病気です。目の病気が原因でドライアイが起こることもあるため、気になる症状があれば眼科を受診しましょう。

今回はドライアイの症状や原因、検査方法、治療方法などを解説します。

松原 令

監修医師
松原 令(松原眼科クリニック)

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1991年 神戸大学医学部卒
1991年 神戸大学医学部附属病院
1992年 兵庫県立淡路病院
1994年 米国テキサス大学
1997年 神戸大学医学部附属病院
1998年 兵庫県立柏原病院
2002年 神戸大学大学院医学系研究科
2004年 財団法人甲南病院
2010年7月7日 松原眼科クリニック開院
父が眼科医だったことです。私が6歳の時に父が開業し、自宅の一階が職場でした。毎日、父の働く姿を見ているうちに、「自分も医師になろう」と志す。
現在は「辛い症状を抱えて来院される患者さんを、笑顔にして帰したい」という思いを大切にさらに良い医療の実現を追求している。

ドライアイとは?

ドライアイとはどのような状態ですか?

    ドライアイは、目を守るために欠かせない涙の量が不足したり、油層と液層の涙の質のバランスが崩れたりすることで、涙が均等に行きわたらなくなる病気です。高齢化、パソコンやスマートフォンの使用、エアコンの使用、コンタクトレンズを使用する人が増加していることから年々患者数は増加しています。

    現在日本でのドライアイの患者数は2,200万人とも言われており、私たちに取って身近な目の病気です。

    ドライアイになると、目の乾きやかすみ、目の痛み、目がゴロゴロする、目ヤニが出るなどの症状が現れます。

涙とまばたきの役割

そもそも涙やまばたきにはどのような役割があるのですか?

    涙は目の表面を覆っており、細菌やウイルス、花粉、異物などから目を守るバリアのような働きをしています。また、涙があることで乾燥防止や洗浄、栄養補給、殺菌、黒目の表面を滑らかに保っているのです。

    しかし、さまざまな原因によって涙が蒸発すると、無防備になり目の表面の細胞を傷つけてしまいます。そのため、まばたきをして涙の分泌を促したり、涙を目の表面に均等に行きわたらせたりしているのです。

ドライアイの症状

ドライアイになるとどのような症状が起こりますか?

    ドライアイになると以下のような症状が現れます。

  • 目が乾く
  • 目がかすむ
  • 目が疲れる
  • 目が開けにくい
  • 目の痛み
  • 目ヤニが出る
  • 目がゴロゴロする
  • まぶしい
  • このほかにも、最近の研究で視機能の異常も認められることがわかってきました。ドライアイ自体が失明につながることはありませんが、日常生活に支障をきたすことはあるため、適切な治療が必要です。

ドライアイの原因

ドライアイ 原因

ドライアイの原因は何ですか?

    ドライアイの主な原因は患者さんの生活スタイルや環境によるものです。加えて年齢や性別も関係しています。ドライアイを悪化させる主な因子には以下があります。

  • 加齢
  • 女性
  • ライフスタイル
  •     

  • 生活環境
  • エアコン
  • パソコン、スマートフォン
  • コンタクトレンズの装用
  • 喫煙
  •     

  • 目薬
  • 上記の因子に触れる機会がある人は、頻度を減らすなどして上手に向き合うことが大切です。

ドライアイを引き起こす代表的な病気

ドライアイを引き起こす病気にはどのようなものがありますか?

    ドライアイは生活スタイルや環境が主な原因ですが、そのほかにも病気によってドライアイが起こる場合があります。

    ドライアイの代表的な病気は、シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群、関節リウマチなどの膠原病です。

    膠原病とは、皮膚や内臓などのいろいろな組織の間にある結合組織や血管が、炎症や変性を起こして、さまざまな臓器の機能に機能障害を引き起こす病気の総称です。

    ここではそれぞれを解説します。

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群とはどのような病気ですか?

    シェーグレン症候群とは、涙腺や唾液腺などの外分泌腺が破壊されて、慢性的な炎症が起こり涙や唾液が分泌されなくなる病気です。ドライアイが進行して重症化すると、目が開けられないほどの痛みが起こります。

    国内の推定患者数は約7万人で40〜60代の女性に多いとされています。

スティーブンス・ジョンソン症候群

スティーブンス・ジョンソン症候群とはどのような病気ですか?

    スティーブンス・ジョンソン症候群は「皮膚粘膜眼症候群」ともいい、感染症や薬剤アレルギーなどが原因で全身の皮膚・粘膜に異常が起きる病気です。異常が起こりやすいのは、目、口唇・口腔、鼻、外陰部などの粘膜で、ただれや水ぶくれなどの症状が現れます。

    目に起こった場合、目の表面に強い炎症が起きるため、重度のドライアイを発症します。

関節リウマチ

関節リウマチとはどのような病気ですか?

    関節リウマチとは、免疫の異常で関節に炎症が起こり、関節の痛みや腫れなどの症状が現れる病気です。進行すると、関節が変形したり機能障害が起こったりします。

    はっきりとした原因はわかっていませんが、遺伝や、喫煙、歯周病などが関係していると考えられています。

    関節リウマチは女性に多く、男性のおよそ4倍です。また、40〜60歳代で発症することが多いでしょう。また、関節リウマチは目や口腔内の乾燥を招くシェーグレン症候群を合併することがあり、合併するとドライアイを引き起こします。

ドライアイの受診科目

ドライアイ 受診

ドライアイの症状があれば何科を受診すれば良いですか?

    まずは、市販のドライアイ対策ができる目薬を使用しましょう。それでも改善しない場合は、眼科を受診してください。

ドライアイの検査

ドライアイではどのような検査を行いますか?

  • シルマーテスト:目盛り付きの試験紙を下まぶたに挟んで、涙で濡れた量を調べる
  • 角結膜生体染色検査:角膜、結膜に薬剤で色をつけて、ドライアイでできた小さな傷を顕微鏡で観察する
  • ケラトグラフ:目の情報を測定して、ドライアイの治療前後を比較する
  • BUT検査:目を開いたまま涙の膜が崩れるまでの時間を計測する
  • このほかにも問診も行い、ドライアイを引き起こす生活スタイルや環境はないかを確認します。

ドライアイの性差、年齢差

ドライアイに性差・年齢差はありますか?

    ドライアイは、女性の方が男性の約2倍起こりやすいことがわかっています。ドライアイを引き起こすシェーグレン症候群では、女性は男性の10〜20倍多いとの報告もあります。

    加齢とともにドライアイの頻度は増えており、実際にドライアイを訴えるのは中年以降の女性が最も多いでしょう。

ドライアイの治療方法

ドライアイではどのような治療を行いますか?

    ドライアイは生活環境の見直しも大切です。その上で、眼科では点眼薬の処方や涙点プラグ治療を行います。

まずは生活環境の見直し

日常生活ではどのようなことに注意すれば良いですか?

    ご自身の生活スタイルや環境の中で、ドライアイを悪化させている可能性があるものを減らすことが大切です。

    例えば、部屋が乾燥していれば加湿器を使用したり、長時間コンタクトレンズを使うのを避けて眼鏡に切り替えたりしましょう。

点眼薬の使用

点眼薬はどのようなものを使用しますか?

    ドライアイは、点眼薬で目にうるおいを与えることも大切です。ドライアイの治療で使用するのは、人工涙液やヒアルロン酸製剤などの体の外から水分を補う点眼薬と、目の中から水分や涙の成分であるムチンの分泌を促す点眼薬があります。

    重症のドライアイの場合は自分の血液から作った血清点眼を行うこともあります。

涙点プラグ治療

涙点プラグ治療とはどのような治療法ですか?

    涙点プラグ治療は涙の出口に栓をすることで、十分な涙が目に溜まるようにする治療です。最近では、液体コラーゲンプラグと呼ばれる治療法も行われています。

編集部まとめ

エアコンの使用やパソコン・スマートフォンの使用などでドライアイを訴える人は2,200万人もいると言われています。ドライアイは、生活スタイルや環境が原因で起こることも多いため、まずはそうした要因を避けたり頻度を減らしたりすることが大切です。

目の病気が原因でドライアイが起こることもあるため、気になる症状があれば眼科を受診しましょう。

この記事の監修医師