「エーラスダンロス症候群」とは?症状・原因・検査方法についても解説!

皮膚や血管、関節などが脆くなってしまうエーラスダンロス症候群と呼ばれる病気をご存じでしょうか。日本でも、難病指定されており、脱臼や皮膚の脆さなどの症状以外にも、命に関わる合併症を引き起こすこともあるため、症状に応じた治療が必要です。
今回はエーラスダンロス症候群とはどのような病気か、症状や原因、治療法などを解説します。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
目次 -INDEX-
エーラスダンロス症候群とは?
エーラスダンロス症候群とはどのような病気ですか?
皮膚や関節が異常に伸びる・曲がる、切れやすい、出血しやすい、血管や皮膚が脆くなるなどの症状が挙げられます。症状の内容や程度は病型によって異なり、同じ病型でも症状の現れ方には個人差があります。
原因と症状から、主に6つの病型に分類されており、すべての病型を合わせると発症頻度は1/5,000人の割合です。遺伝性の病気のため、根本的な治療法はなく、基本的には対症療法で対応します。
日本では、難治性の病気として難病指定されています。
エーラスダンロス症候群の病型
エーラスダンロス症候群の病型を教えてください。
- 古典型
- 関節可動亢進型
- 血管型
- 後側彎(こうそくわん)型
- 多発性関節弛緩(しかん)型
- 皮膚弛緩型
国際分類・命名法では、上記の6つの病型を含め、13の病型「D4ST1欠損に基づくEDS(DDEDS)」に分類されており、より細かく分けられました。エーラスダンロス症候群は日々研究が進んでおり、新しい病型が発見されています。
病型と遺伝の関係
エーラスダンロス症候群と子どもへの遺伝について教えてください。
後側彎型と新しく分類された病型「D4ST1欠損に基づくEDS(DDEDS)」などは、常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)となり、患者の子どもに1/4の確率で遺伝します。
エーラスダンロス症候群の症状
エーラスダンロス症候群はどのような症状が現れますか?
古典型の症状
古典型ではどのような症状が現れますか?
そのほかにも、内出血しやすくなる、あるいは心臓弁の逸脱・逆流、上行大動脈拡張などの心臓の障害も現れることがあります。
関節可動亢進型の症状

関節可動亢進型ではどのような症状が現れますか?
慢性難治性疼痛のような原因が分からない慢性的な痛みのほかにも、便秘や下痢を繰り返す機能性腸疾患、立ちくらみや動悸、めまいなどの自律神経異常など、さまざまな症状が見られるのも関節可動亢進型の特徴です。
血管型の症状

血管型ではどのような症状が現れますか?
また、血管が脆くなっているため内出血しやすく、皮膚が薄く皮下静脈が透けて見えるなどの特徴も見られます。
筋拘縮型の症状
筋拘縮型ではどのような症状が現れますか?
結合組織(コラーゲン)が徐々に脆くなっていくために、古典型のように、皮膚の異常な伸び・脆さ、関節の過伸展・脱臼、巨大皮下血腫、足や脊椎の変形などの症状が起こります。
エーラスダンロス症候群の原因

エーラスダンロス症候群の原因は何ですか?
6分類の病型では、以下のコラーゲン遺伝子の変異が原因です。
- 古典型:V型コラーゲンの遺伝子変異
- 血管型:III型コラーゲンの遺伝子変異
- 後側彎型:コラーゲン修飾酵素リジルヒドロキシラーゼの遺伝子変異
- 多発性関節弛緩型:I型コラーゲンの遺伝子変異
- 皮膚弛緩型:プロコラーゲンI N-プロテイナーゼの遺伝子変異
関節可動亢進型は原因遺伝子が見つかっていません。それぞれの遺伝子変異がどのように合併症を引き起こすのかはまだ分かっていないのが現状です。
エーラスダンロス症候群の受診科目
気になる症状があるときは何科を受診すればいいですか?
皮膚症状があれば皮膚科、脱臼などの関節症状があれば整形外科のように症状に応じた科を受診します。病型によっては小児科や産婦人科での診察時や出生時に気づくこともあります。
エーラスダンロス症候群の疑いがあれば、詳しい検査のために遺伝子診断などに対応している専門科目を受診します。
エーラスダンロス症候群の検査方法
エーラスダンロス症候群ではどのような検査を行いますか?
エーラスダンロス症候群の疑いがあれば、生化学検査や遺伝子検査など、確定診断のための検査を行います。
エーラスダンロス症候群の性差・年齢差
エーラスダンロス症候群には性差や年齢差はありますか?
エーラスダンロス症候群の治療方法
エーラスダンロス症候群はどのような治療を行うのですか?
皮膚症状では裂傷部分の縫合を行ったり、関節への痛みには鎮痛薬を使用したりします。
関節の症状の場合は、運動を控えたり、補助装具を使用したり、リハビリを行ったりすることもあります。
動脈解離や動脈瘤などの血管の症状がある場合は、人工血管置換術などの手術を行うこともあります。
そのほかにも、各診療科の定期健診が重要で、病型によっては血管の破裂防止策、あるいは便秘対策などを行います。
編集部まとめ
エーラスダンロス症候群は皮膚や血管、関節などが脆くなってしまう遺伝子異常が原因で起こる病気です。日本でも難病指定されており、脱臼や皮膚の脆さなどの症状以外にも、命に関わる合併症を引き起こすこともあるため、症状に応じた治療が必要です。
エーラスダンロス症候群は、対症療法が基本となるため、気になる症状があればまずは症状に応じた診療科を受診することが大切です。症状が繰り返したり、良くならなかったりする場合は、より詳しい検査を受けるために専門科を受診しましょう。
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