「かぶ」は”何の栄養”が牛乳より2倍ある?大根との違いも管理栄養士が解説!

かぶの栄養は?メディカルドック監修管理栄養士が栄養素・健康効果・保存方法について解説します。

監修管理栄養士:
曽田 久美子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
かぶとは?

アブラナ科の野菜で、丸い根の部分は柔らかくて甘みがあり、葉も栄養が豊富です。かぶの根は淡色野菜、葉は緑黄色野菜に分類されます。栽培期間が短く、種をまいてから収穫までおよそ一ヵ月半から二か月で収穫できます。耐寒性が強く、在来種は秋まき栽培が基本で秋冬が旬ですが、小かぶ品種は夏でも品種を変えたり産地を移すなどして栽培されています。大きさでわけると小かぶと大かぶがあります。大かぶは直径15センチほど以上のものをさし、聖護院かぶらが有名です。色分けすると、白かぶと赤かぶがあり、赤かぶは、表面だけ赤いものや、果肉の中も赤みがかっているもの、また茎や葉も赤いものがあり、たくさんの種類があります。赤かぶは表面の奇麗な色を活かして、漬物やサラダとして利用されることが多く各地域で赤かぶが栽培されています。また、別名はかぶら、すずなとも言われ、春の七草の1つです。
かぶに含まれる栄養素

カリウム
かぶ・根・皮つき・生にカリウムが100gあたり280㎎含まれています。カリウムは、ナトリウムとともに、細胞の浸透圧を維持しているほか、酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などに関与しています。また、カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進することで、血圧を下げる作用があります。カリウムは水溶性であるため、煮たり茹でたりすると水に溶け出します。そのため、生のままサラダで食べると、より多くのカリウムを摂取することができます。
ビタミンC
かぶ・根・皮つき・生にビタミンCが100gあたり19㎎含まれています。ビタミンCには抗酸化作用があり、体内に増えた活性酸素から体を守る働きがあります。また、ビタミンCはコラーゲンの合成に必要な栄養素であり、不足すると血管がもろくなり、出血傾向となり壊血病の発症につながります。ビタミンCは水溶性で水に溶け出しやすい性質があるため、汁物にすると溶け出したビタミンCも一緒に摂取することができます。
食物繊維
かぶ・根・皮つき・生に食物繊維が100gあたり1.5g含まれています。このうち不溶性食物繊維が1.2g、水溶性食物繊維が0.3g含まれています。不溶性食物繊維は、水分を吸収して便の容積を増やします。便が増えると大腸が刺激されて排便がスムーズになります。また有害物質を吸着させて体の外に排出するため、腸内環境を整えるのに役立ちます。
アミラーゼ
かぶ・根には「アミラーゼ」という消化酵素が含まれています。アミラーゼは食事に含まれるデンプンを糖に分解する働きをもつ酵素です。そのため、かぶは生で食べることで酵素が働きやすく、食後の消化を助ける効果が期待できます。なお、アミラーゼは熱に弱い性質があるため、加熱するとその働きは低下します。酵素の働きを活かしたい場合は、かぶらおろしやサラダなど、生のまま食べるのがおすすめです。
葉酸
かぶ・根・皮つき・生に葉酸が100gあたり48㎍含まれています。葉酸は、代謝に関与しており、DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の生合成を助け、細胞の増殖や再生を促すことから、体の発育にも重要なビタミンです。細胞の分裂や成熟に大きく関わるため、特に胎児にとって重要な栄養素と言われています。妊婦が葉酸を十分に摂取することで胎児の先天異常である神経管閉鎖障害のリスク低減に役立つとされています。葉酸は、水溶性ビタミンのため、損失を防ぐには、生で食べるほか、汁物にして汁ごと摂取するのがおすすめです。
かぶの葉に含まれる栄養素

βカロテン
かぶの葉は緑黄色野菜に分類され、かぶ・葉・生にβカロテンが100gあたり2800㎍と多く含まれています。βカロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を健康に保つ、抵抗力を高める働きがあります。βカロテンは脂溶性のため、油で炒めて摂取すると吸収効率がよくなります。
カルシウム
かぶ・葉・生にカルシウムが100gあたり250㎎含まれています。普通牛乳100gあたり110㎎のカルシウムが含まれていることと比較すると、重量あたりでは多くのカルシウムを含んでいることがわかります。野菜から摂取するカルシウムは牛乳に比べると吸収率は低いですが、大切な栄養源と言えます。かぶを料理する時には、かぶの葉も一緒に煮物に入れると、葉のかさも減り摂取する量を増やしやすいと考えられます。
ビタミンC
かぶ・葉・生に、ビタミンCが100gあたり82㎎含まれています。ビタミンCには抗酸化作用があり、体内に増えた活性酸素から体を守ってくれています。また、ビタミンCはコラーゲンを合成するために必要であり、不足すると血管がもろくなり出血傾向となり壊血病の発症につながります。ビタミンCは水溶性であり水に溶け出しやすい特徴があるので、かぶの根と一緒に汁物に入れて、溶け出したビタミンCを一緒に摂取するとよいでしょう。
かぶと大根の違いは?

かぶと大根はどちらもアブラナ科に属する野菜ですが、かぶはアブラナ属、大根はダイコン属に分類される異なる植物です。かぶの食用部分は、主に胚軸(はいじく)と呼ばれる茎の基部が肥大した部分で、これに一部の根が含まれています。一方、大根は主根を中心に胚軸も含めて肥大したものです。こうした成り立ちの違いが、形や食感の差につながっています。味わいにも違いがあり、かぶは水分が多く、やわらかくて甘みがあり、加熱するととろけるような食感になります。そのため、離乳食ややさしい味付けの料理に向いています。大根は部位によって辛味の強さが異なり、先端部分ほど辛味が強い傾向があります。肉質は比較的しっかりしており、煮物にすると味がよく染み込み、かぶに比べて煮崩れしにくいのが特徴です。
かぶの健康効果

消化を助ける
かぶにはアミラーゼという酵素が含まれており、でんぷんを糖に分解する働きがあります。この酵素は消化を助け、胃腸への負担をやわらげてくれます。なお、アミラーゼは熱に弱いため、生やすりおろしで食べると働きを活かしやすくなります。
免疫機能の維持
かぶにはビタミンCやβカロテンが含まれています。ビタミンCには抗酸化作用があり、体内で増えた活性酸素から体を守る働きがあります。βカロテンは、必要に応じてビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を健康に保ちます。また食物繊維は腸内環境を整えることで、免疫機能の維持をサポートします。
骨の健康維持
かぶの葉には特にカルシウムが多く含まれていて、カルシウムは骨の形成に欠かせない栄養素です。ビタミンDと一緒に摂取するとカルシウムの吸収を助けるのでかぶの葉と、しらすなどの魚類や天日干ししたキノコ類を一緒に炒めると、より効率よく摂取でき、骨の健康維持に役立ちます。
血圧調整
かぶにはカリウムが含まれており、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進することで、血圧を下げる作用があります。
かぶを食べる時の注意点

加熱しすぎない
かぶに含まれるビタミンCは水溶性のため加熱やゆで汁に溶け出すことで減少します。かぶは比較的短時間で柔らかくなるため、加熱しすぎないことが栄養素を保つポイントです。
葉も一緒に料理する
かぶには多くの栄養素が含まれていますが、特に葉には、βカロテン、カルシウム、ビタミンCが豊富です。葉も一緒に汁物に使用したり、炒め物にすると、効率よく摂取できます。葉は根に比べて傷みやすいので、購入後は新鮮なうちに調理するのがおすすめです。
汁も一緒に摂取する
かぶにはビタミンCやカリウムなど、水に溶けやすい栄養素が含まれています。ゆでるとこれらの栄養素はゆで汁に溶け出してしまうため、汁物にして摂取すると、溶け出たかぶの栄養素を摂取することができます。
かぶの栄養素を効率的に摂取する方法

生で食べる
かぶには、アミラーゼという酵素が含まれていて、火を通すると酵素の働きが低下します。また、かぶに含まれるビタミンCは水溶性で、加熱にも弱いため生で食べると栄養素の損失を抑えやすくなります。
油と一緒に摂取する
かぶの葉には、βカロテンが含まれています。βカロテンは脂溶性のため油と一緒に摂取すると吸収がよくなります。油で炒めたり、ドレッシングやオリーブオイルをかけてサラダとして食べるなど、油と組み合わせて摂取するのがおすすめです。
ビタミンDと一緒に摂取する
かぶの葉にはカルシウムが多く含まれています。カルシウムの吸収を助けるビタミンDを含む魚や天日干ししたキノコ類と一緒に摂ると効率よくカルシウムを取り入れられます。
かぶの保存方法や期間

葉と根にわけて冷蔵保存で3日~1週間
かぶは葉をつけたままにしておくと、葉が根の水分を吸い上げてかぶの甘みや水分が減ってしまうので、買ったらすぐに、根と葉を切り分けます。
[葉の保存方法]
かぶの葉は、湿らせたキッチンペーパーで包み、茎を下にして保存袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存します。葉は鮮度が落ちやすいので、できるだけ早めに食べるのがおすすめです。冷蔵保存の目安は約3日です。
[根の保存方法]
かぶの根は、ひとつずつキッチンペーパーで包み、保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。冷蔵保存の目安は約1週間です。
冷凍保存で約1か月
[葉の保存方法]
かぶの葉は、料理に使う大きさにカットして生のまま保存袋に入れて、空気を抜き冷凍します。
[根の保存方法]
小かぶの場合は皮をむいて丸のままラップで包んで保存袋に入れて冷凍します。丸のまま冷凍すると水分が逃げにくく美味しさをキープできます。解凍するときは、流水で表面の氷を洗い流す程度ですぐに調理に使えます。
また、半月やくし形にカットしてから保存袋に入れて冷凍保存すると、解凍せずにそのまま煮物や汁物に使えて便利です。
冷凍保存の目安は、約1か月です。
| 状態・場所 | 保存方法のポイント | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 冷蔵室(葉) | 湿らせたペーパーで包み、立てて保存 | 約3日 |
| 冷蔵室(根) | 1つずつペーパーで包み保存袋へ | 約1週間 |
| 冷凍庫(全体) | カットして保存袋へ。根は丸ごとでも可 | 約1か月 |
「かぶの栄養」についてよくある質問

ここまでかぶについて紹介しました。ここでは「かぶの栄養」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
かぶにはどんな栄養が含まれていますか?
曽田 久美子
かぶの根にはカリウム、ビタミンC、食物繊維、アミラーゼが含まれています。葉には、さらにβカロテンやカルシウムが多く含まれます。
かぶは体にどんな効果があるのでしょうか?
曽田 久美子
カリウムは、体内の余分な塩分を排出し、高血圧やむくみの予防に効果があります。葉に多く含まれるβカロテンやビタミンCは抗酸化作用があり、活性酸素から体をまもり、免疫力を維持する働きがあります。食物繊維は、腸の動きを活性化し、腸内環境を改善する働きがあります。根には、アミラーゼも含まれ、消化を助けます。
まとめ
かぶには、いろんな栄養素が含まれますが、かぶ・根にはアミラーゼという消化を助ける酵素が含まれます。大根にも同じ酵素が含まれていますが、大根は辛味やえぐみを感じることがあります。かぶは、えぐみが少なく甘みがあるので、小さなお子さんでも食べやすい野菜です。また、葉にもたくさんの栄養素が含まれていますので、根と葉を両方食べることで、より多くの栄養素を摂取できます。
「かぶ」と関連する病気
「かぶ」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
「かぶ」と関連する症状
「かぶ」と関連している、似ている症状は2個ほどあります。
各症状の原因などはリンクから詳細記事をご覧ください。
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