何に気を付けないと「鶏肉の効果」に差が出る?うま味を引き出す技も管理栄養士が解説!

鶏肉の効果とは?メディカルドック監修医が鶏肉の健康効果・含まれる栄養素・効率的な摂取方法・保存方法・摂取する際の注意点などを解説します。

監修管理栄養士:
中島 三容子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「鶏肉」とは?

「鶏肉(けいにく)」とは、にわとりの筋肉部分を食材としたものです。日本の鶏肉は、日本の在来種由来で長期間一定の条件下で飼育し、鶏本来の旨みとコク、適度な歯ごたえをもつ「地鶏」、鶏種や飼料に工夫を凝らして、淡白で臭みが少なく柔らかい「銘柄鶏」、産肉能力に優れ、淡白な味わいで柔らかい「ブロイラー」と種類が豊富です。「ブロイラー」は成長が速く短期間で出荷できる肉用若鶏の総称で、一般的に”国産”として手頃な価格で流通している鶏肉のほとんどを占めています。
鶏肉に含まれる栄養素

栄養素の含有量は日本食品標準成分表(八訂)増補2023年より、「若どり」の値を参照します。
たんぱく質
たんぱく質は、炭水化物、脂質と共にエネルギー産生栄養素のひとつですが、筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの体構成成分、ホルモン・酵素・抗体などの体調節機能成分として、生命の維持に欠くことができない栄養素です。
たんぱく質の部位別含有量(100gあたり):ささみ23.9g>むね(皮なし)23.3g>むね(皮つき)21.3g>もも(皮なし)19.0g>手羽17.8g>もも(皮つき)16.6g
脂質
脂質は、炭水化物、たんぱく質と並ぶエネルギー産生栄養素のひとつです。体内でエネルギー源となるほか、細胞膜やホルモンの材料、脂溶性ビタミンの吸収を促す働きがあります。適量の脂質摂取は生命維持に欠かせませんが、脂質1gは9kcalに相当し、余剰分は体脂肪となって蓄えられることから、摂り過ぎは肥満のリスクとなります。
脂質の部位別含有量(100gあたり):手羽14.3g>もも(皮つき)14.2g>むね(皮つき)5.9g>もも(皮なし)5.0g>むね(皮なし)1.9g>ささみ0.8g
ビタミンB群
ビタミンB群は、様々な代謝の補酵素として必要な水溶性ビタミンです。例えば、鶏肉に多いビタミンB6はたんぱく質の代謝、ナイアシンはエネルギー代謝に関与しています。
ビタミンB6の部位別含有量(100gあたり):むね(皮なし)0.64mg>ささみ0.62mg>むね(皮つき)0.57mg>手羽0.38mg>もも(皮なし)0.31mg>もも(皮つき)0.25mg
ナイアシンの部位別含有量(100gあたり):むね(皮なし)・ささみ17.0mgNE>むね(皮つき)15.0mgNE>もも(皮なし)9.5mgNE>手羽9.4mgNE>もも(皮つき)8.5mgNE
※ナイアシンはアミノ酸のトリプトファンからも生合成されるため、含有量はナイアシン当量で示します。
ビタミンA
ビタミンAは、視覚機能の維持や皮膚・粘膜の健康を保つほか、免疫機能の維持や成長に関与する脂溶性ビタミンです。
ビタミンAの部位別含有量(100gあたり):手羽47μgRAE>もも(皮つき)40μgRAE>むね(皮つき)18μgRAE>もも(皮なし)16μgRAE>むね(皮なし)9μgRAE>ささみ5μgRAE
なお、鶏の内臓であるレバー(肝臓)には非常に多く、100gあたり14,000μgRAE含まれています。
※ビタミンAの含有量はレチノール活性当量(RAE)で示します。
鉄
鉄は、人体に必要な微量ミネラルの一種で、その多くが赤血球のヘモグロビンや筋肉のミオグロビンに存在し、酸素運搬機能や酵素機能を担います。
鉄の部位別含有量(100gあたり):もも0.6mg>手羽0.5mg>むね・ささみ0.3mg
レバー(肝臓)には9.0mg含まれています。
鶏肉の健康効果

効率的な体づくり
鶏肉を含むほとんどの動物性食品のたんぱく質中には、ヒトが体内で合成できず食物から摂取しなければならない必須アミノ酸の全てが、不足なくバランスよく含まれています。このように高品質なたんぱく質は「アミノ酸価100」と表現され、効率的に筋肉・皮膚・髪の毛などの体たんぱく質として利用することができます。
エネルギー産生をサポート
鶏肉に含まれるビタミンB群は、糖質・脂質・たんぱく質からエネルギーを作る代謝に欠かせません。十分に摂ることで、エネルギーを効率よく使えるようになり、日々の活動を支える働きが期待できます。
免疫機能の維持をサポート
鶏肉では手羽や皮つきのもも肉に比較的多く含まれるビタミンAは、皮膚や粘膜の健康を保つことで、病原体の侵入を防ぐバリア機能の維持に関与します。また、全身の粘膜に存在するIgA抗体の産生を支える働きがあり、免疫機能の正常な働きをサポートすると考えられています。
鶏肉のコラーゲンにはどんな効果がある?

コラーゲンは、ヒトの身体に存在するたんぱく質の約30%を占め、皮膚や骨、関節、血管、腱などの構造を支える重要な成分です。鶏肉では特に手羽や皮に多く含まれており、摂取したコラーゲンは体内でアミノ酸やペプチドに分解されたのち、体内でコラーゲンをはじめとするたんぱく質を合成するための材料として利用されます。
鶏肉をヨーグルトに漬け込むとどんな効果がある?

ヨーグルトに含まれる乳酸によって鶏肉のpHが低下し、筋繊維の構造が変化することで保水性が高まります。そのため、加熱しても水分が抜けにくく、しっとりとした食感に仕上がります。また、酸性環境により鶏肉のうま味を感じやすくなり、もともと含まれるイノシン酸などのうま味成分が引き立ちます。
鶏肉をレモンに漬け込むとどんな効果がある?

レモンに含まれるクエン酸によって鶏肉のpHが低下し、筋原線維たんぱく質の構造が変化することで保水性が高まります。そのため、加熱しても水分が抜けにくく、しっとりと柔らかい食感に仕上がります。また、レモンの香り成分であるリモネンが鶏肉の臭みを和らげ、爽やかな香りとほどよい酸味が加わることで、全体の風味が引き立ちます。
鶏肉の栄養素を効率的に摂取する方法

部位を選ぶ
鶏肉は部位によって含まれる栄養素に違いがあります。ささみやむね肉は脂質が少なく、たんぱく質やビタミンB群が豊富です。手羽や皮つきのもも肉には脂質やビタミンA、鉄が多いのが特徴です。
糖質を十分に摂る
糖質からのエネルギーが不足していると、たんぱく質がエネルギーとして使われてしまうため、効率的にたんぱく質を利用することができません。鶏肉のたんぱく質を効率的に利用するためには、ごはんなどの糖質から十分にエネルギーを摂ることが大切です。
鶏肉を食べる際の注意点

食中毒のリスク
例年、生の鶏肉や加熱不十分な鶏料理、鶏肉や調理器具の不適切な取扱いにより二次汚染された食品を原因とした、カンピロバクターによる食中毒が多発しています。1~7日の潜伏期間があり、下痢、嘔吐、腹痛、発熱の症状がみられる。また、感染から1~3週間後に神経に炎症が起きる急性疾患であるギラン・バレー症候群を引き起こすこともあります。食中毒のリスクを回避するためには、鶏肉の十分な加熱(中心温度75℃以上で1分以上)と衛生管理が必要です。
鶏肉の保存方法や期間

保存方法
鶏肉表面のドリップを拭き取って、小分けにしてラップで包み、しっかり空気を抜いて密閉袋に入れ、速やかに10℃以下の冷蔵庫(4℃以下のチルド室がベスト)で保管します。ポイントは空気にふれないようにすることです。冷凍保存する場合は、急速凍結できるようになるべく薄く平らな形にして密閉しましょう。
保存期間
冷蔵保存では、ひき肉は1日、スライス肉などは3日程度が目安です。冷凍保存では、ひき肉は2週間、スライス肉などは3週間程度が目安です。
「鶏肉の効果」についてよくある質問

ここまで鶏肉の効果を紹介しました。ここでは「鶏肉の効果」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
鶏肉を食べるとどんな効果が期待できますか?
中島 三容子
鶏肉には、イミダゾールジペプチドと呼ばれる成分が含まれており、疲労感の軽減や抗酸化作用、記憶機能の維持などに関与する可能性があることが研究で報告されています。イミダゾールジペプチドはヒトの体内では骨格筋や脳に多く存在し、さまざまな動物の筋肉組織に含まれていますが、鶏肉では特にむね肉やささみに比較的多く含まれていることが特徴です。
まとめ
多くの効果がある鶏肉ですが、その目的に応じて部位を選んだり、いろいろな種類の肉や魚を穀類、野菜・果物と組み合わせて摂ることによって、鶏肉に不足しがちな栄養素(ビタミンC・食物繊維・カルシウムなど)も補えますし、味の違いを楽しむことができます。
「鶏肉」と関連する病気
「鶏肉」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
内科の病気
- 肥満症
消化器内科の病気
「鶏肉」と関連する症状
「鶏肉」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。


