「アボカドの1個辺りの脂質量」はどれくらい?摂取する際の注意点も管理栄養士が解説!
公開日:2025/11/28

アボカドの1個辺りの脂質量はどれくらい?メディカルドック監修医がアボカドの健康効果・含まれる栄養素・効率的な摂取方法・保存方法・摂取する際の注意点などを解説します。

監修管理栄養士:
田中 純子(管理栄養士)
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保育園、小学校、特別養護老人ホーム、障害者支援施設で調理・献立作成の経験を経て、現在は総合病院に勤務。NST業務、栄養指導(外来・入院)、治験等に携わっている。
目次 -INDEX-
「アボカド」とは?

アボカドの一日の摂取量

アボカドの1個辺りの脂質量

アボカドに含まれる栄養素

脂質(オレイン酸)
アボカドに多く含まれるオレイン酸は、一価不飽和脂肪酸の一種です。 LDL(悪玉)コレステロールを減らし、HDL(善玉)コレステロールを保つ働きがあり、血中脂質のバランスを整えます。 その結果、血管の健康維持や中性脂肪の低下に寄与し、動脈硬化や生活習慣病の予防に役立つとされています。食物繊維
食物繊維が豊富で(5.6g/100g)、糖質の吸収を抑えて血糖値の急激な上昇を防ぎます。アボカドと豆腐を和えたサラダや、アボカドとサーモンを合わせた冷菜は、血糖値が気になる方にもお勧めです。ビタミンE
ビタミンE(3.6mg/100g)は脂溶性の抗酸化ビタミンで、体内で発生する活性酸素を抑え、細胞の劣化を防ぐ働きがあります。その結果、老化の進行を緩やかにし、血管や皮膚の健康維持にも貢献します。アボカドにくるみやアーモンドを加えたサラダは、ビタミンEを効率よく摂取できるだけでなく、抗酸化作用により骨吸収を抑え、骨の健康維持にも役立ちます。葉酸
葉酸(83μg/100g)は、赤血球の生成に欠かせないビタミンB群の一種で、「造血ビタミン」とも呼ばれます。 貧血予防に役立ち、免疫力を高める働きもあります。 また、胎児の正常な発育にも不可欠で、妊娠中に十分に摂取することで、先天性異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らすことが知られています。アボカドと納豆を組み合わせてご飯にのせれば、たんぱく質・脂質・炭水化物(PFC)のバランスが自然に整う、栄養価の高い一品になります。カリウム
カリウムには、体内の余分な塩分を排出する働きがあり、塩分を摂りすぎたときに摂取すると腎臓への負担を軽減できます。アボカドはカリウムを豊富に含み(590mg/100g)、バナナ(360mg/100g)よりも多く摂取できます。そのため、むくみの解消にも役立ちます。アボカドの健康効果

生活習慣病改善
アボカドは食物繊維を豊富に含み、腸内環境を整えるとともに、余分なコレステロールや糖の吸収を抑える働きがあります。これにより、血中コレステロール値や血糖値の上昇を緩やかにし、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病の予防・改善に役立ちます。 また、糖質量が少なく(約2.3g/100g)血糖値を安定させやすいのも特徴です。さらに、脂質の大部分はオレイン酸などの不飽和脂肪酸で構成されており、適量を摂ることで血中脂質のバランスを整え、心血管疾患のリスク低下にもつながります。認知症予防
脳の働きを維持するためには、良質な脂肪の摂取が大切です。アボカドには不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、記憶力を高め、認知機能の低下を防ぐ効果が期待できます。美肌・アンチエイジング
アボカドに含まれるビタミンEやビタミンCは、抗酸化作用があります。これらは肌の細胞の酸化を防ぎ、シミやシワ、肌の老化の予防に役立ちます。美肌スイーツとしてアイスのようにして召し上がれ、ビーガンの方にもお勧めの作り方をご紹介します。材料(2人分)は、アボカド1個、バナナ1本、メープルシロップ大さじ2を用意します。材料をフリーザーバッグに入れてよく揉み、平らにして冷凍庫で2時間冷やすだけでとても簡単です。高血圧予防
アボカドに含まれる不飽和脂肪酸(オレイン酸)は、血液の流れを整え、脳や体に酸素を運ぶのを助けます。カリウムも多く含まれており、ナトリウムの排泄を促進することで血圧上昇を抑える効果が期待されます。オレイン酸とカリウムの相乗効果により、高血圧の予防・改善に有用な食品といえます。アボカドの栄養素を効率的に摂取する方法

アボカドと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品
【トマトとアボカドのサラダ】 アボカド150gとトマト70gを、オリーブオイル大さじ1、にんにく小さじ1、レモン汁少々で和えた冷菜です。トマトに含まれるリコピンは脂溶性のため、オリーブオイルやアボカドに含まれる脂質と一緒に摂ることで吸収率が大幅に高まります。アボカドの栄養効果を高める摂取タイミング
アボカドは「森のバター」と呼ばれるほど脂質が豊富な果実です。できるだけ、活動量が多い朝や昼に召し上がるのがお勧めです。活動量が少なくなる夜に召し上がると、そのまま脂肪になるリスクがあります。アボカドを食べる際の注意点

腎不全
通常、カリウムは摂り過ぎても不要な分は尿として排出されます。しかし、腎不全になるとカリウムを排出する力が低下し、血液中に溜まりやすくなります。そのため、不整脈・倦怠感・脱力感・しびれなどの症状が出ます。カリウム摂取量を制限されている方は、摂取量の調整が必要です。脂質異常症
高エネルギーなため、摂り過ぎると体重増加や脂質の過剰摂取の原因となります。脂質異常症で脂肪制限が必要な方やダイエット中の方は、1日あたり1/2個程度を目安とすると良いです。消化不良
アボカドは脂質を多く含むため、食べ過ぎると人によっては消化に時間がかかることがあります。特に、消化機能が未発達な小児や、胃腸の働きが弱っている高齢者・体調不良時には注意が必要です。細かく刻んだり、ペースト状にして調理すると消化吸収しやすくなります。抗凝固薬を服用している方
アボカドに比較的多めに含まれるビタミンk (約21㎍/100g)は、血液凝固を促進する働きがあります。ワーファリンなど服薬中の方は、薬の作用を弱めてしまう可能性があるため、医師の指導に従ってください。アボカドの保存方法や期間

アボカドの鮮度を保つ保存方法
アボカドは、ヘタの部分から熟すため、ヘタを押した時に柔らかい弾力があるものが良いです。形は綺麗で、皮にツヤとハリがある物を選んでください。アボカドは熟度によって保存方法を変えることで、風味や栄養価を保ちやすくなります。アボカドの保存期間
新聞紙に包み、袋に入れた状態で冷蔵庫なら4〜5日間保存可能です。傷みやすいアボカドは、すぐに調理しない様でしたら、冷凍することをお勧めします。アボカドを半分に切り、種と皮をのぞいて角切りにします。レモン汁をかけてフリーザーバックに入れると酸化しにくくなり、変色を防止できます。保存期間は、3〜4週間位を目安としてください。ただし、食感がかなり変わってしまうため、解凍後はペースト状にするかスープに加えるなどして召し上がると良いです。「アボカドの脂質」についてよくある質問

ここまでアボカドの脂質を紹介しました。ここでは「アボカドの脂質」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
アボカドは毎日食べても問題ないですか?
田中 純子
アボカドには、肉などに含まれる飽和脂肪酸に比べ、体脂肪になりにくい不飽和脂肪酸(オレイン酸)が多く含まれています。そのため、1日1/2個程度であれば、毎日食べても問題ありません。アボカド自体は味が控えめですが、醤油や塩など少量の調味料を加えるだけで、他の食材の味を引き立てて美味しく召し上がれます。熟し過ぎたものでも、ディップやトーストなどに活用できます。一般的には、サラダや寿司などで加熱せずに生で食べることが多いです。
まとめ
健康と美容を意識した食生活に、アボカドを取り入れることはとても効果的です。脂質が多いイメージもありますが、適量を守れば太りにくく、むしろダイエットの味方にもなります。まろやかな味わいと鮮やかな緑色のアボカドを日々の食卓に添えてみてはいかがでしょうか。「アボカド」と関連する病気
「アボカド」と関連する病気は4個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。「アボカド」と関連する症状
「アボカド」と関連している、似ている症状は2個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。関連する症状
- むくみ
- 胃腸障害
参考文献




