「トマト」は何のリスクを下げる「効果」がある?食べすぎで起こる症状も解説!
公開日:2025/09/18

トマトの効果とは?メディカルドック監修医がトマトの健康効果・血圧や肌に対する効果・含まれる栄養素・効率的な摂取方法・保存方法・摂取する際の注意点などを解説します。

監修管理栄養士:
都々地尾 ゆき(管理栄養士)
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介護老人保健施設で給食管理や栄養管理業務等、約10年間従事しました。その後、管理栄養士の資格を取得し、現在は同施設で栄養ケアマネジメント業務やおやつレクを担当しています。日々の食事を楽しんでいただけるよう、心を込めてサポートしています。
目次 -INDEX-
「トマト」とは?

トマトに含まれる栄養素

β-カロテン
生のトマト(中玉100g)には約540μg、ミニトマト(100g)には約960μgのβ-カロテンが含まれています。β-カロテンはカロテノイドの一種で、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるため「プロビタミンA」とも呼ばれます。また、同じカロテノイドの仲間であるリコピンはトマトの赤色の色素成分で、抗酸化作用が強いことで知られています。リコピンの抗酸化力は実験条件によってはβ-カロテンやビタミンEよりも強いとされ、健康効果について研究が進められています。赤みが濃いトマトほどリコピンを多く含む傾向があります。ビタミンC
生のトマト(中玉100g)に含まれるビタミンC は15mg、ミニトマト(生100g)だと32mg含まれています。水溶性のビタミンでコラーゲンの合成に関与しています。ビタミンE
生のトマト(中玉100g)に1.1mg、ミニトマト(生100g)に1.4mg含まれています。脂溶性ビタミンで、過酸化脂質の生成を抑制する効果があります。カリウム
生のトマト(中玉100g)に210mg、ミニトマト(生100g)に290mg含まれています。人体に必要なミネラルの一種で、浸透圧の調節をする働きがあります。また、余分なナトリウムを体外に排出する働きもあるため、正常な血圧を保つのに必要な栄養素です。食物繊維
生のトマト(中玉100g)に1.0g、ミニトマト(生100g)に1.4g含まれています。腸内環境を整え、便秘解消に役立ちます。トマトの健康効果

肌の健康を保つ
トマトに含まれるリコピンやビタミンCは、抗酸化物質として働き、酸化ストレスを防ぎ細胞を保護するのを助けます。コラーゲンの生成や鉄分の吸収を高め、肌の健康維持に役立ちます。がんのリスクを低減
トマトに含まれる栄養素には、抗酸化作用を持つものが多く含まれています。抗酸化作用には、体内で発生する活性酸素によるダメージから細胞を保護する働きがあります。活性酸素は動脈硬化を引き起こす物質を作りだし、増加することでがんの発生リスクが高まります。トマトに含まれるリコピンには、強い抗酸化作用があるため、がんの発症リスクを低減するという研究結果もあります。免疫機能を保つ
トマトに豊富に含まれるリコピンには、強い抗酸化作用があり、免疫機能の維持や動脈硬化の予防にも効果があると期待されています。トマトジュースの健康効果

血圧上昇を抑える
トマトには「GABA(γ-アミノ酪酸)」というアミノ酸の一種が含まれています。GABAは血圧を下げる働きがあるとされますが、トマトジュースに含まれる量は野菜全般と同程度であり、必ずしもそれ自体で大きな効果をもたらすとは限りません。一方、トマトジュースを継続的に摂取することで血圧低下に寄与したとする研究が報告されており、特にリコピンなどの抗酸化成分が関与していると考えられています。日常的に取り入れることで、血圧維持に役立つ可能性が期待されています。コレステロール値の改善に関与
リコピンの継続的な摂取により、コレステロール値の改善に効果があると期待されています。総コレステロールとトリグリセリド値を低下させ、HDLコレステロールを増加させるという研究結果が示されています。骨の健康維持
リコピンには抗酸化作用があり、骨代謝に関与する可能性が示されています。観察研究や一部の試験では、リコピンの摂取が骨密度の低下や骨折リスクに関わる指標の改善と関連する可能性が報告されています。ただし、ヒトでのエビデンスはまだ十分ではなく、明確に骨折リスクを下げると結論づけることはできません。トマトジュースをはじめ、日常的にトマトを取り入れることは、骨の健康維持に役立つ可能性が期待されています。トマトの血圧に対する効果

高血圧の新規発症リスクを下げる
1日あたり、大きめのトマト1個(110g以上)を継続的に摂取した場合、新規高血圧の発症リスクが低下したという報告があります。高めの血圧を下げる
トマトには「GABA」という成分が含まれており、血圧の上昇を抑える機能があると報告されています。収縮期血圧の低下
1日15mgのリコピンを継続的に摂取すると、収縮期血圧が有意に低下したという研究結果が示されています。トマトの肌に対する効果

紫外線から守る
トマトに含まれるリコピンは、強い抗酸化物質であるため、紫外線からの肌の赤みや炎症を抑える効果があると報告されています。美肌効果
トマトに含まれるビタミンCは、たんぱく質であるコラーゲンの生成に関与しています。また、リコピンには、シミやそばかすを防ぐ効果も期待されています。肌の健康を保つ
β-カロテンはプロビタミンAとも呼ばれ、必要な分だけビタミンAに変換されます。ビタミンAは肌のかさつきを防ぎ、皮膚の健康を保つのに役立ちます。トマトの栄養素を効率的に摂取する方法

トマトと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品
トマトに含まれるリコピンやβ-カロテンは、油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。また、加熱調理することで、より効果的に摂取できるため、油で炒めたり、スープにしたりするのがおすすめです。トマトの栄養効果を高める摂取タイミング
通常の生活(朝起きて夜寝る)を送っている方は、朝の摂取が一番吸収率が高いという報告があります。朝にトマトやトマトジュースを摂取することで、血中のリコピン濃度が上昇し、活性酸素の除去にも効果が期待されるため、朝食に摂取すると良いでしょう。また、摂取を避ける時間帯については具体的な報告はありませんでしたが、胃腸の弱い方や胃もたれしやすい方は、消化しにくい皮や種の部分は避け、大量摂取は控えると良いでしょう。トマトを食べる際の注意点

体が冷える
トマトをはじめとする夏野菜は「体を冷やす」と一般的に言われています。これは東洋医学や食養生の考え方に基づく表現であり、科学的な根拠は十分ではありません。ただし、冷たく冷やしたトマトを一度に大量に食べると、胃腸に負担がかかりお腹を壊すことがあるため注意が必要です。特に胃腸が弱い方は、常温や加熱調理で取り入れると安心です。消化が悪くなる
トマトの皮には食物繊維が含まれているので、胃腸の弱い方や胃もたれしやすい方は特に注意が必要です。また、熟していない青色のトマトも、食べると消化不良を起こす原因となるため、できるだけ赤く熟したトマトを摂取すると良いでしょう。まれに蕁麻疹が出ることがある
トマトには微量のアセチルコリンという成分が含まれており、ごくまれに摂取後にかゆみや蕁麻疹など、アレルギーに似た症状が出る場合があります。これは典型的な食物アレルギーとは異なり、毎回必ず起こるわけではありません。もし食後に違和感を感じた場合は摂取を控え、自己判断せずに医師へ相談することをおすすめします。トマトの保存方法や期間

トマトの鮮度を保つ保存方法
トマトに適した保存温度は10℃前後といわれているため、冷蔵庫の野菜室(温度設定7~10℃)での保存がおすすめです。また、トマトは寒さや外からの衝撃に弱いため、鮮度を長持ちさせるには1個ずつキッチンペーパーで包み、ヘタの部分を下にして保存用のポリ袋に入れるとより効果的です。トマトの保存期間
上記の保存方法で、7~10日ほど保存できます。「トマトの効果」についてよくある質問

ここまでトマトの効果を紹介しました。ここでは「トマトの効果」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
トマトは朝と夜どちらに食べると良いですか?
都々地尾 ゆき
リコピンに関しては、朝の方が吸収率が高く効果的であるといわれています。また、夜の摂取では睡眠の質が改善される可能性があるという報告もあるため、どちらが良いという明確な研究結果はまだありません。
トマトを食べ過ぎるとどんな症状が現れますか?
都々地尾 ゆき
下痢や消化不良、ごくまれにアレルギーのような症状が出ることがあります。
まとめ
トマトはリコピンやβーカロテンが豊富に含まれており、健康や美容に役立つ食材として注目されています。今のところはっきりとした研究結果がない部分もありますが、毎日継続的に摂取することでより効果を発揮します。また、摂り過ぎも注意が必要なため、バランスの良い食生活の一助として、トマトやトマトジュースを日々の食事に取り入れてみてください。「トマト」と関連する病気
「トマト」と関連する病気は6個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。免疫系の病気
- 悪性腫瘍




