「糖質の一日の摂取量」はご存知でしょうか?不足すると現れる症状も管理栄養士が解説!
公開日:2025/10/14

糖質の一日の摂取量とは?メディカルドック監修医が糖質の一日の摂取量・男女別の摂取量・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・多く含む食品・効率的な摂取方法などを解説します。

監修管理栄養士:
流田 春菜(管理栄養士)
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特別養護老人ホーム、老人保健施設、合わせて5年弱の勤務経験あり。また、山口県長門市の認定栄養ケア・ステーションファンスタディに所属、地域活動として市の家庭教育学級での講演や保育園の栄養相談などを行っている。こども食堂での食育経験もあり、こどもから高齢者まで幅広くお話させていただいています。
目次 -INDEX-
「糖質」とは?

【男性】糖質の一日の摂取量

【女性】糖質の一日の摂取量

【ダイエット中の女性】糖質の一日の摂取量

糖質を過剰摂取すると現れる症状

眠気
摂り過ぎた糖質を血液から細胞に取り込む際に血糖値が急激に低下し、それにより強い眠気を感じます。安く早くお腹いっぱいになれるからといって、ラーメンとチャーハン、うどんとおにぎり、のような糖質同士の組み合わせの食事は避けた方がいいでしょう。空腹感
過剰な糖質を処理するためインスリンが大量に分泌され血糖値が低下します。するとグレリンという食欲を増進するホルモンが分泌され空腹感を感じるようになります。食べたはずなのになんだか口さみしいときは、糖質の摂り過ぎかもしれません。免疫低下
過剰な糖質摂取は腸内環境に影響を与える可能性があり、バランスのとれた食事を心がけることが大切です。糖質が不足すると現れる症状

集中力の低下
糖質が不足すると低血糖状態になります。糖質は脳のエネルギー源になるため、血糖値が低下するとボーッとしてしまいます。体臭・口臭がきつくなる
エネルギー源である糖質が不足すると、私たちの体は脂肪を分解しエネルギーを作り出そうとします。その際にケトン体という酸性物質ができ、ツーンとしたケトン臭が発生します。汗や呼気として排泄されるため、体臭や口臭がきつくなることがあります。筋肉の機能低下
糖質が不足するとエネルギー源にできないので、筋肉からタンパク質を分解してエネルギーを作ろうとします。それにより筋肉の疲労感を感じることがあります。適正な量の糖質を摂取すると、タンパク質よりも優先して糖質がエネルギーに変換されるため、筋肉量を維持することができます。糖質の多い食品

砂糖・キャンディ・菓子類
砂糖やキャンディは甘いので糖質が多いことが想像しやすいかと思いますが、塩気のあるせんべいやポテトチップスにも糖質は多く含まれています。原材料はそれぞれ米やいもなので、摂り過ぎには注意が必要です。糖尿病などで低血糖が心配な方はすぐに食べられるブドウ糖やキャンディを持ち歩くとよいでしょう。登山時の非常食にもよいでしょう。いも類
じゃがいもやさつまいもなどには糖質が多く含まれます。ビタミンCやミネラル、食物繊維も豊富です。ヘルシーなイメージのある春雨ですが、芋や豆のでんぷんを原料にして作られた加工品なので糖質が多く含まれます。ダイエットを目的に食べるなら注意が必要な食品です。米類
米などの穀類に含まれる食物繊維は、糖の吸収をゆるやかにするという報告があります。また、玄米には精白米よりも多くのビタミンB1が含まれており、糖質をエネルギー源に変える働きがあります。ライスペーパーやビーフンなど、米を材料にした加工品にも糖質は多く含まれています。小麦類
小麦は加工品として私たちの身近にたくさん存在します。パン、うどん、中華麺、スパゲッティ、マカロニ、てんぷら粉、ケーキやクッキーなどのお菓子の材料、などさまざまな形で食べられています。穀類である小麦にも糖質は多く含まれています。とうもろこし
野菜のイメージがあると思いますが、穀類の仲間なので糖質が豊富です。とうもろこしの加工品であるコーンフレークやコーングリッツにも糖質が多く含まれています。糖質の効率的な摂取方法

糖質と一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品
糖質をエネルギーに変えるためにはビタミンB1、B2、ナイアシンが必要です。ビタミンB1は豚肉、大豆、うなぎ、たらこ、鶏レバー等に、ビタミンB2は牛乳・乳製品、肝臓、卵、緑黄色野菜、干しシイタケ、アーモンド、うなぎ等に、ナイアシンは落花生、干しシイタケ、まぐろ赤身、鶏肉等に多く含まれます。主菜・副菜がそろった食事を心がけるとよいでしょう。 また、サプリメント等としてナイアシンを大量に摂取すると、消化器系疾患、肝障害などの過剰症がおこることがあるので注意が必要です。糖質と一緒に摂取すると効果を下げる栄養素・食品
特に避けるべき栄養素はありませんが、糖質の吸収速度に影響を与える食品もあります。例えば、脂質の多い食事は糖質の吸収を遅らせますが、効果を下げるとは限りません。糖質の効果を高める摂取タイミング
3食決まった時間に食べることが理想的です。食べるときは野菜のおかず、肉や魚や豆類などのたんぱく質のおかず、糖質の順番で食べると血糖値の急激な上昇を抑えることができます。 また、仕事などで夕食が遅くなる場合には、分食がおすすめです。夕方におにぎりやサンドイッチなどの糖質を含む食品を食べ、帰宅後に主菜と副菜を食べると血糖値の変動が抑えられます。「糖質の一日の摂取量」についてよくある質問

ここまで糖質の一日の摂取量を紹介しました。ここでは「糖質の一日の摂取量」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
白米の糖質の量は多いですか?
流田 春菜
精白米を見ると、食品100gあたりでは単糖当量として38.1gの糖質が含まれています。1食分では、コンビニおにぎり2個(約200g)で76.2gとなります。食パン(6枚切り)1枚が28.9gと、食パンの方が糖質が低いのですが、脂質や添加物も含まれていることが気になります。献立を考えたときにバランスの良くなる和食がおすすめです。
糖質50gはどれくらいの量ですか?
流田 春菜
ごはん軽くお茶碗1杯(130g)、食パン2枚(6枚切り)、うどん1玉(ゆで250g)が糖質50gに該当します。他にサイダーやオレンジジュースなどの清涼飲料水は500ml、スポーツドリンクは1000ml、柿や梨は2個に糖質50gが含まれています。
まとめ
摂り過ぎた糖質はエネルギーに変換されずにグリコーゲンや中性脂肪となります。糖質が不足したときにはこれらの貯金を切り崩しますが、糖質の多い食事が続くと、肥満や糖尿病などの生活習慣病を引き起こします。血糖値が高い状態が続くことで血管が傷つき、脂質異常症、動脈硬化を引き起こすこともあります。かと言って、極端に糖質を制限してたんぱく質や脂質を多く摂取することは望ましくありません。栄養素はチームで働きます。特定の食品ばかりを食べることなく、様々な食品から満遍なく栄養素を摂取することを心がけましょう。「糖質」と関連する病気
「糖質」と関連する病気は3つほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。内科の病気
「糖質」と関連する症状
「糖質」と関連している、似ている症状は4つほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。関連する症状
- 集中力低下・イライラ
- 眠気
- 肥満




