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「コーヒーのカフェイン量」はご存知ですか?コーヒー何杯分に相当するか解説!

 公開日:2025/07/03
「コーヒーのカフェイン量」はご存知ですか?コーヒー何杯分に相当するか解説!

コーヒーのカフェイン量はどれくらい?Medical DOC監修医がカフェインの一日の摂取量・カフェインレスコーヒーやエナジードリンクのカフェイン量・過剰摂取すると現れる症状・取りすぎてしまった際の対処法などを解説します。

大沼 さやか

監修管理栄養士
大沼 さやか(管理栄養士)

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障がい者支援施設、病院、老健、学校給食で栄養士として勤務後、管理栄養士資格を取得。現在は子育てをしながら執筆活動を行っています。

「カフェイン」とは?

「カフェイン」とは?

カフェインは、コーヒー豆や茶葉、カカオ豆などに含まれる成分で、私たちの生活の中ではコーヒーやお茶といった飲み物を通じて最も多く摂取されています。また、コーラなどの清涼飲料水には、苦味を加える目的で食品添加物としてカフェインが使用されることもあります。
カフェインには、中枢神経を刺激して気分を高めたり、眠気を抑えたりする作用があり、集中力や注意力の向上に役立つ一方、過剰に摂取すると不眠や不安感を引き起こすこともあるため、適切な量の摂取が大切です。

カフェインの一日の摂取量

カフェインの一日の摂取量

カフェインの摂取許容量には個人差があるため、「許容一日摂取量(ADI)」のような厳密な基準は設けられていませんが、健康な成人では1日あたり400mg以下が目安とされています。これはコーヒーで換算すると約4〜5杯(1杯150mLあたり85〜90mg)に相当します。過剰摂取は海外で死亡事例も報告されているため、飲料や食品のカフェイン量を確認し、摂りすぎには注意が必要です。
子どもや青少年については、少量でも不安やイライラなどの副作用が生じやすく、体重1kgあたり2.5mg以下の摂取にとどめるのが望ましいとされています(ILSI, 2017)。
妊婦に対しては、胎児の低体重や流産、死産のリスクを避けるため、WHOでは300mg以下、欧州食品安全機関では200mg以下の摂取を推奨しています。
また、頭痛との関係にも注意が必要です。カフェインは適量であれば頭痛の軽減に役立つ一方、常用や過剰摂取(1日200mg以上)が続くと、「カフェイン離脱」による頭痛を引き起こすことがあります。頭痛が気になる方は、1日2〜3杯程度に抑えるのが無難です。

コーヒーのカフェイン量はどれくらい?

コーヒーのカフェイン量はどれくらい?

一般的なコーヒー1杯(150mL)に含まれるカフェイン量は、レギュラーコーヒー(浸出液)で約90mg、インスタントコーヒーでは約85mgが目安とされています。カフェインの摂取量を気にする際は、飲み方によって多少差があることを覚えておくとよいでしょう。

カフェインレスコーヒーのカフェイン量はどれくらい?

カフェインレスコーヒーのカフェイン量はどれくらい?

カフェインを控えたい人向けのカフェインレスコーヒーにも微量のカフェインが含まれています。こちらは1杯(150mL)あたり約9mgと、通常のコーヒーと比べて大幅に少ない量です。

エナジードリンクのカフェイン量はどれくらい?

エナジードリンクのカフェイン量はどれくらい?

コーヒー以外でも注意が必要なのがエナジードリンクや栄養ドリンクです。代表的なエナジードリンク1本(355mL)には約142mgのカフェインが含まれており、栄養ドリンク1本(100mL)では約50mgのカフェインが含まれています。これらは短時間で多くのカフェインを摂取してしまう可能性があるため、1日に何本も飲むことは避けた方がよいでしょう。

カフェインを過剰摂取すると現れる症状

カフェインを過剰摂取すると現れる症状

不眠

カフェインの摂取によって、入眠が難しくなる、あるいは寝ついても途中で目が覚めやすくなるといった影響が出ることがあります。ベッドで過ごす時間に対して実際に眠れた時間の割合が減るなど、睡眠の質を低下させる要因にもなります。
症状が気になる場合は、「カフェインを取りすぎてしまった際の対処法」を参考にしながら対策を試みましょう。必要に応じて内科を受診することも検討してください。

下痢

カフェインは消化器系を刺激する作用があり、人によっては下痢を引き起こすことがあります。特に空腹時や大量摂取後に起こりやすい傾向があります。
まずは対処法を試し、それでも症状が続く場合は内科または消化器内科で相談すると安心です。

胎児の発育への悪影響

妊婦が高濃度のカフェインを摂取した場合、胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。特に低体重での出生リスクが報告されています。
カフェインの摂取量を見直しながら対処を行い、心配な場合は産婦人科での相談をおすすめします。

慢性片頭痛のリスクが高くなる

カフェインの過剰摂取は、慢性片頭痛のリスクを高める可能性があります。慢性片頭痛とは、1カ月に15日以上の頭痛があり、そのうち8日以上が片頭痛の特徴を示すものです。
離脱症状(頭痛や倦怠感)を避けるため、急激な中止ではなく徐々に減らすことがポイントです。
症状が強く出ている場合には、脳神経内科や頭痛専門外来での受診を検討してください。

カフェインを取りすぎてしまった際の対処法

カフェインを取りすぎてしまった際の対処法

摂取を控える

カフェインの影響を軽減するために、コーヒーや紅茶、エナジードリンクの摂取を控えましょう。

水分補給を意識する

カフェインの排出を促すために、適量の水をこまめに摂取することが重要です。
スポーツドリンクや経口補水液は、水分とミネラルを補給しながら体調を回復させるのに役立ちます。
一度に大量の水を飲むのではなく、少量ずつ頻繁に飲むことで、効率的にカフェインを排出できます。

電解質を補う

カフェインの利尿作用で不足しがちな電解質を補うことで、体調のバランスを整えられます。
カリウムを多く含む食品:バナナ、ほうれん草
マグネシウムを含む食品:ナッツ類、種子類

アルコールや糖分の多い飲み物は控える

これらの飲み物は体内の水分保持を妨げ、カフェインの排出を遅らせる可能性があるので控えましょう。

カフェインを含まない飲み物を選ぶ

カモミールティーやミントティーなどのハーブティーは、心を落ち着けるリラックス効果が期待でき、寝る前の一杯にもぴったりです。
また、麦茶やデカフェの飲み物もおすすめです。これらはカフェインを含まない、あるいは微量しか含まれていないため、神経を刺激することなく、穏やかな気分を保つのに役立ちます。

「コーヒーのカフェイン量」についてよくある質問

「コーヒーのカフェイン量」についてよくある質問

ここまでコーヒーのカフェイン量について紹介しました。ここでは「コーヒーのカフェイン量」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

一日のカフェイン摂取量はコーヒー何杯分になりますか?

大沼 さやか大沼 さやか 医師

一日に摂取してよいカフェインの量は、年齢や健康状態によって異なりますが、一般的な目安として、健康な成人であればコーヒー約4〜5杯分(カフェイン換算でおよそ400mg)までが適量とされています。ただし、カフェインは片頭痛の誘因になったり、常用している人が急に摂取をやめた場合には「カフェイン離脱症状」として頭痛や倦怠感が起こることもあるため、こうしたリスクを避けたい方は、1日2〜3杯程度に抑えるのが理想的です。
また、妊婦さんの場合は胎児への影響を考慮し、1日2〜3杯(200〜300mg以内)までが推奨されています。子どもや青少年に関してはより慎重になる必要があり、体重1kgあたり2.5mg以下が望ましいとされています。たとえば体重50kgの子どもであれば、コーヒーは1日1杯半程度が限度となります。

カフェイン200mgはコーヒー何杯分になりますか?

大沼 さやか大沼 さやか 医師

一般的な目安として、レギュラーコーヒー(浸出液)1杯(約150mL)には約90mgのカフェインが含まれているため、およそ2.2杯分に相当します。一方、インスタントコーヒーの場合は1杯あたり約85mgのカフェインを含むとされており、この場合は約2.3杯分が200mgにあたります。

編集部まとめ

カフェインはコーヒーだけでなく、紅茶や緑茶、エナジードリンク、チョコレートなどにも含まれ、知らずに摂りすぎてしまうことがあります。適量であれば集中力を高めるなどの効果が期待できますが、過剰摂取は不眠や体調不良の原因になることも。飲み物の種類や1日のバランスに気を配り、エナジードリンクや医薬品との併用、アルコールとの同時摂取には注意しましょう。日々の摂取量を意識して、カフェインと上手に付き合うことが大切です。

「カフェイン」と関連する病気

「カフェイン」と関連する病気は1個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳神経内科や脳神経外科の病気

  • 慢性片頭痛

「カフェイン」と関連する症状

「カフェイン」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

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この記事の監修管理栄養士