FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. コラム(医科)
  4. 「朝のコーヒー」に健康効果あり? 飲むタイミングや避けるべき体質は 【管理栄養士が解説】

「朝のコーヒー」に健康効果あり? 飲むタイミングや避けるべき体質は 【管理栄養士が解説】

 更新日:2023/11/17
朝のコーヒーが健康に与える影響は? 量やタイミングについて 【管理栄養士が解説】

毎朝、コーヒーが目覚めの一杯になっている人はたくさんいらっしゃいますよね。そんなコーヒーは健康に良いと言われる一方、飲みすぎは良くない、体に悪いという意見もあります。果たして、朝飲むコーヒーは目覚めさせるだけでなく健康にも良いものなのでしょうか? 「朝のコーヒー」は体にいいかどうか、飲まないほうがよい体質やコーヒーの種類について、管理栄養士の上坂マチコさんに話を聞いてみました。

上坂 マチコ

監修管理栄養士
上坂 マチコ(管理栄養士)

プロフィールをもっと見る
管理栄養士/料理家/健康系ライター/チョコレートエキスパート。雑誌編集、料理教室講師を経て高齢者施設で栄養科長として長年勤務。その後フリーランスの管理栄養士となり、メディア出演、講演会、コラム執筆、レシピ提供など幅広く活動中。「栄養学」「食品学」など4つの学校で非常勤講師も務める。サロンではダイエットを中心にオンラインカウンセリングを行う。

朝にコーヒーを飲むメリットは?

朝にコーヒーを飲むメリットは?

編集部編集部

朝にコーヒーを飲むとスッキリするのはなぜですか?

上坂 マチコさん上坂さん

コーヒーには苦味成分の「カフェイン」が含まれています。このカフェインには眠気を覚ましたり、やる気を出したりする作用があります。朝にコーヒーを飲み、30〜60分くらい経つとスッキリした気分になるのはこのためです。

編集部編集部

カフェイン以外にどのような成分がコーヒーには含まれていますか?

上坂 マチコさん上坂さん

コーヒーには「クロロゲン酸」や「コーヒーオリゴ糖(マンノオリゴ糖)」「トリゴネリン」といった機能性成分も含まれています。

編集部編集部

クロロゲン酸とは何ですか?

上坂 マチコさん上坂さん

クロロゲン酸」とは、コーヒーに多く含まれているポリフェノールの一種です。抗酸化作用や体脂肪の減少、血圧低下などの働きが期待できます。クロロゲン酸は抗酸化作用があるので、朝にコーヒーを飲むと昼間、紫外線で増える活性酸素の抑制を助けてくれるのかもしれません。

編集部編集部

コーヒーにもオリゴ糖が含まれているのですね。

上坂 マチコさん上坂さん

はい、コーヒーの豆カスからオリゴ糖が発見されました。コーヒーオリゴ糖はビフィズス菌などのエサになるので、腸の善玉菌を増やす作用があります。コーヒーはコーヒーノキの果実からコーヒー豆を取り出す工程で発酵が起こるため、実は発酵食品でもあります。

編集部編集部

「トリゴネリン」は初めて聞きました。

上坂 マチコさん上坂さん

トリゴネリン」はコーヒー豆に多く含まれています。記憶力の向上、脳の老化防止などに期待されています。コーヒーは体に有益な働きを持つ成分が多いと言えますね。

編集部編集部

おすすめの飲み方はありますか?

上坂 マチコさん上坂さん

コーヒーの飲み方としては、ブラックコーヒーが最もおすすめです。コーヒーが苦手な方は牛乳や豆乳、オーツミルクなどを混ぜてもいいでしょう。

朝にコーヒーを飲まない方がいい人は?

朝にコーヒーを飲まない方がいい人は?

編集部編集部

朝のコーヒーを避けた方がいい人はいますか?

上坂 マチコさん上坂さん

胃が弱い人は避けた方がいいでしょう。特に朝は胃もまだ完全に起きていません。そこにいきなり刺激が強いコーヒーを飲むと胃痛や胸焼けの原因になります。朝食はコーヒーだけという方は胃粘膜が荒れやすくなり、胃疾患の原因になります。コーヒーは朝食後に飲むようにしましょう。

編集部編集部

コーヒーは刺激物と聞きますが、メンタルへの影響はありますか?

上坂 マチコさん上坂さん

精神的に不安定な方にはコーヒーをおすすめできません。ドーパミンやアドレナリンなどによる脳の興奮は「アデノシン」が抑えています。ですが、このアデノシンはカフェインによって抑制され、脳にブレーキがかかりにくくなってしまいます。するとメンタルへの負担も大きくなりイライラや不安、不眠などの症状を悪化させてしまいます。また、アデノシンは睡眠物質とも言われ、コーヒーを飲むと目が覚める、夜に眠れなくなる理由でもあります。

編集部編集部

コーヒーには依存性があると聞きますが本当ですか?

上坂 マチコさん上坂さん

コーヒーのカフェインに依存性があります。例えば、毎日5杯以上コーヒーを飲み続けるとカフェインに対して耐性ができ、やる気や覚醒作用が感じにくくなります。するとカフェインの摂取量がどんどん増えていきます。毎日大量にコーヒーを摂取し続けると、脳や副腎が疲れてドーパミンやアドレナリンが十分に作られなくなります。これによってやる気や集中力がなくなり、うつ症状などに襲われやすくなってしまうのです。

朝にコーヒーを飲む時のおすすめの量やタイミングは?

朝にコーヒーを飲む時のおすすめの量やタイミングは?

編集部編集部

朝にコーヒーを飲む時のおすすめの量を教えて下さい。

上坂 マチコさん上坂さん

体への負担を考えると、朝は1〜2杯のコーヒーにとどめましょう。1日を通してでは、3〜4杯までにすることがポイントです。これを頭に入れて昼間などに飲むコーヒーの量を考えるといいでしょう。

編集部編集部

朝に飲む時は、食前・食後などタイミングはありますか?

上坂 マチコさん上坂さん

朝食後であれば、胃への負担が減るのでおすすめです。コーヒーに含まれるカフェインは食後のカロリー消費にも役立ちます。食後のコーヒーは理にかなっていると言えるでしょう。

編集部編集部

コーヒーの淹れ方にも違いはありますか?

上坂 マチコさん上坂さん

コーヒーはいれたてを飲むようにしましょう。いれてから保温して時間が経つと老化や病気の原因になる「AGEs(終末糖化産物)」が増えてしまいます。

編集部編集部

最後に読者へのメッセージをお願いします。

上坂 マチコさん上坂さん

コーヒーが好きという方はたくさんいらっしゃいますよね。コーヒーの香ばしい匂い、苦味、渋み、酸味、甘みが一体となって感覚を刺激し、リフレッシュやリラックスを与えてくれます。朝コーヒーにはメリットがたくさんありますので、ぜひ取り入れてみてください。

編集部まとめ

朝にコーヒーを飲む時のポイントやコーヒーの知識を知ることができました。朝のコーヒーにはメリットがあると分かりましたが、飲みすぎには注意が必要です。今回の記事を参考に、コーヒーを飲むタイミングや量を調整して生活に取り入れてみましょう。

この記事の監修管理栄養士