「リコピンを過剰摂取」すると現れる症状はご存知ですか?【管理栄養士監修】

リコピンを過剰摂取するとどうなる?Medical DOC監修医がリコピンを過剰摂取すると現れる症状・一日の摂取量・効果・多く含む食品・効率的な摂取方法などを解説します。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
目次 -INDEX-
「リコピン」とは?

リコピンの一日の摂取量

リコピンの効果

発がん抑制効果
細胞のがん化を、リコピンが抑制するといわれています。この際、トマトジュースでリコピンを摂取する方がより効果が高いことが研究によって明らかにされています。しかし、国立がん研究センターの研究結果では、リコピンやビタミンCなどの抗酸化ビタミンの摂取量と前立腺がん罹患リスクとの関連はみられなかったとされています。あくまでも発がん抑制効果が期待できる程度の認識でいたほうがよいでしょう。老化予防効果
リコピンには抗酸化作用があります。抗酸化作用とは、老化の原因となる活性酸素そのものを取り除いたり、その働きを抑制する作用です。この作用によって老化が予防できます。生活習慣病の予防効果
リコピンは抗酸化作用により、悪玉コレステロールの酸化を防止します。悪玉コレステロールは血のかたまりを生成するため、動脈硬化や高血圧など生活習慣病の予防に役立ちます。肥満防止効果
リコピンは血流を改善する効果があり、血流が改善されることによって代謝が活発化します。代謝が活発化すると、身体では効率よく栄養や脂肪が消費されるため、肥満防止に役立ちます。美肌効果
活性酸素によって肌細胞が傷害され、しわやたるみの原因になります。また、活性酸素はシミの原因となるメラニン色素の産生を促進します。そのため、活性酸素の働きを抑制するリコピンは、肌の透明感を維持する効果があるといえるでしょう。視機能改善効果
リコピンの抗酸化作用は、活性酸素を原因とする視機能低下の防止に役立ちます。また、白内障や黄斑変性症においては、ルテインとの相互作用によってリコピンが視覚障害の予防や抑制に効果的に働くことがわかっています。リコピンを過剰摂取すると現れる症状

柑皮症
リコピンを過剰摂取することによって、肌が黄色っぽくなることがあります。手が黄色っぽくなることが多く、全身が黄色っぽくなることは稀です。リコピンの摂取を中止することで次第に黄色っぽさは落ち着きますが、気になる場合は皮膚科を受診しましょう。リコピンを多く含む食品

トマト
リコピンをトマトから効率よく摂取する方法は以下のものがあります。 熟したトマトを選ぶ トマト製品から摂取する 朝、摂取する 油を使って調理する 前述したように、完熟トマトには1kgあたり約50mgのリコピンが含まれていますが、熟していないトマトだと1/10の約5mgにまで低下します。トマトは熟したものを選んで食べるようにしましょう。また、トマトはトマトジュースやケチャップなど加熱処理を加えられているトマト製品のほうが体内にリコピンが吸収されやすく、おすすめです。加えてリコピンは朝に摂取したほうが体内に吸収されやすいことがわかっています。リコピンを摂りたい場合は、できるだけ朝に摂取するようにしましょう。さらに、リコピンは脂溶性のため油を使って調理したものを食べると、体内の吸収率が上がるといわれています。すいか
すいかのリコピン量は、トマトの1.5倍だといわれています。前述したように、リコピンは朝摂取したり油を使って調理したりしたほうが効率よく摂取できます。そのため、朝にすいか料理に挑戦してみるのもよいでしょう。ピンクグァバ
朝、脂質と一緒に摂取することをおすすめします。加熱して、ジャムにすることでリコピンの吸収率を上げるのもよいでしょう。ピンクグレープフルーツ
ピンクグレープフルーツの、ピンク色の果肉にリコピンが多く含まれています。ピンクグレープフルーツ以外のグレープフルーツには、リコピンはあまり含まれていません。リコピン以外にも、食物繊維やビタミンも豊富です。あんず
朝、脂質と一緒に摂取することをおすすめします。なお、あんずもジャムにすることでリコピンの吸収率を上げることができ、おすすめです。リコピンを効率よく摂取する方法

リコピンを多く含む食品の摂取
リコピンを多く含む食品は、以下のものがあります。 トマト すいか ピンクグァバ ピンクグレープフルーツ あんず リコピンは、赤色の天然色素のため赤っぽい野菜や果物に含まれていることが多いのが特徴です。リコピンと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品
リコピンは、油脂と一緒に摂ると、より効果的です。前述しているように、リコピンは脂溶性のため、油脂と一緒に摂ると吸収率が高まります。実際に以下の食品と組み合わせることでリコピンの吸収率が上がることが報告されています。 オリーブオイル・大豆油・キャノーラ油などの植物油脂 牛乳 モッツァレラチーズ モッツァレラチーズ以外のチーズに関してはまだ検証がされていないので断言はできませんが、一定の脂質が含まれていれば、モッツァレラチーズ以外のチーズでも同等の効果が得られるでしょう。また、ホウレンソウやケールなどに含まれるルテインをリコピンと一緒に摂取することで、相互作用によって白内障や黄斑変性症に効果を発揮します。リコピンの効果を高める摂取タイミング
朝摂取すると、吸収率が高まるためおすすめです。リコピン摂取までの絶食時間が長くなる程、吸収率が高まるためです。どうしてもリコピンの吸収率を上げて摂取したい場合は、絶食時間を長めにとっておくとよいでしょう。「リコピンの過剰摂取」についてよくある質問

ここまでリコピンの過剰摂取を紹介しました。ここでは「リコピンの過剰摂取」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
リコピンのサプリメント、食事での過剰摂取リスクの違いは?
武井 香七 医師
リコピンをサプリメントから摂るのと、食事から摂るのとでは過剰摂取のリスクは異なります。例えば、リコピンを食事で摂取しようとした場合、トマトから摂取するという方が多いのではないでしょうか。リコピンを多量に摂ろうとしてトマトを大量に摂取すると、トマトに含まれている成分により、以下のような身体への影響があります。 身体が冷える 消化が悪くなる 胆石や結石ができる 痒みやじんましんの症状が出る また、サプリメントからの摂取では摂ったときに満腹感を感じないため、一度に大量のサプリメントを服用することができてしまいます。このように、リコピンをサプリメントから摂るのと食事から摂るのとでは、それぞれ異なるリスクが生じます。食事から摂る際は、トマトだけを大量に食べるなど偏った食べ方はしないことに気を付けましょう。サプリメントから摂る際は、満腹感を感じないからといって一度に大量のサプリメントを服用することは避けることが大切です。
編集部まとめ
リコピンを過剰摂取すると、肌が黄色っぽくなる柑皮症を発症する可能性があります。効果的な1日の摂取量は15㎎程度です。 また、リコピンには以下の効果があります。 発がん抑制効果 老化予防効果 生活習慣病の予防効果 肥満防止効果 美肌効果 視機能改善効果 これらの効果を得るために、トマトやすいかといったリコピンが豊富に含まれる食品を、加熱して脂質とともに朝摂取するとよいでしょう。 そのようにすることで、リコピンの吸収率が高まり、おすすめです。「リコピン」と関連する病気
「リコピン」と関連する病気は6個程あります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。皮膚科の病気
- 柑皮症
眼科の病気
- 黄斑変性症
- 白内障
内科の病気
- がん
「リコピン」と関連する症状
「リコピン」と関連している、似ている症状は2個程あります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。関連する症状
- しわができる
- 肌がたるむ




