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「ビフィズス菌の効果」はご存じですか?乳酸菌との違いについても管理栄養士が徹底解説!

 公開日:2025/08/04
「ビフィズス菌の効果」はご存じですか?乳酸菌との違いについても管理栄養士が徹底解説!

ビフィズス菌の効果とは?Medical DOC監修医がビフィズス菌の効果・乳酸菌との違い・種類・BB536の効果・BB12の効果・ヨーグルトの効果・多く含む食品・効果的な摂取方法などを解説します。

武井 香七

監修管理栄養士
武井 香七(管理栄養士)

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帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。

保有免許・資格
管理栄養士資格

「ビフィズス菌」とは?

「ビフィズス菌」とは?

ビフィズス菌は人間や動物の腸内に存在する善玉菌で、加齢とともに減少します。生育に酸素を必要としない偏性嫌気性菌のビフィズス菌は、酸素に影響されにくいともいわれています。ビフィズス菌は糖分や食物繊維を発酵や嫌気呼吸によって、乳酸や酢酸などを発生させる善玉菌です。大腸内を弱酸性に保てるため、酸性に弱い毒性物質を抑える整腸作用効果があるといわれています。本記事では、ビフィズス菌の種類・効果・摂取方法について、順番に解説していきます。

「ビフィズス菌」と「乳酸菌」の違い?

乳酸菌はビフィズス菌と同じ善玉菌です。大腸内のビフィズス菌は、乳酸菌の約100倍といわれています。整腸効果や免疫力の向上など、得られる効果は類似していますが、ビフィズス菌との違いは以下のとおりです。

  • 通性嫌気性細菌
  • 人間の腸以外に発酵食品や牛乳・乳製品、自然界に棲息が可能
  • 酸素呼吸が不可能な状態になると糖分を代謝して乳酸を作り出す
  • 食品の風味や保存性の向上効果がある

「ビフィズス菌」の種類

人間の腸内に存在するビフィズス菌は12種類あり、パターンは一人ひとり異なります。主なビフィズス菌の種類は下記のとおりです。

  • ビフィズス菌BB536
  • ビフィズス菌12
  • ビフィズス菌M-16V
  • ビフィズス菌MCC1274

ビフィズス菌の効果

ビフィズス菌の効果

整腸作用

腸内のバランスは身体の健康にも影響を及ぼす恐れがあります。ビフィズス菌が腸内にある毒性物質を抑え、腸内腐敗産物を減らし下痢や便秘を改善します。腸内フローラバランスは、善玉菌20%・悪玉菌10%・日和見菌70%が理想的な腸内環境とされています。

感染症予防効果

ビフィズス菌には薬剤耐性菌に効果があり、感染症の予防効果があると考えられています。効果があると考えられている感染症は以下のとおりです。

  • インフルエンザ
  • ロタウイルス
  • 下痢症
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病

免疫力の少ない新生児や・低出生体重児・高齢者に対する感染予防としても、効果的とされています。

アレルギー疾患に効果的

年々増加傾向の食物アレルギー・アトピー性皮膚炎・花粉症などのアレルギー疾患は、日本人の約3人に1人が罹患しているという調査報告があります。ビフィズス菌はアレルギー疾患の治療や予防効果があるといわれています。

ビフィズス菌BB536の効果

腸の調子を整える

ビフィズス菌BB536の摂取により、腸内環境が整い、お腹の調子がよくなるとされています。乳酸菌だけ入ったヨーグルトよりも、ビフィズス菌BB536のヨーグルトの方が整腸作用が高い傾向にあります。

肉食による腸内劣化抑制作用

食事中、肉や卵に限定した肉食メニューとビフィズス菌BB536入りヨーグルトを同時に食べたところ、腸内のビフィズス菌が安定し悪玉菌の増加が抑制されたという報告があります。

毒素産生型フラジリス菌の除菌作用

毒素産生型フラジリス菌は、大腸がんのリスク因子と考えられています。ビフィズス菌BB536摂取により、フラジリス菌が減少するといわれています。ただし、継続摂取しないと、再び量が増えてしまうため注意が必要です。

ビフィズス菌BB12の効果

酸に強い

ビフィズス菌BB12は、pH2.0の強い酸性下でも生きていられる程抗酸作用が高いため、生きたまま腸に届きます。その結果、ヨーグルトの中の菌数を保つことが可能です。一般的なビフィズス菌に感じる酢酸臭が少なく、クリアなヨーグルト風味が楽しめます。

腸管細胞への付着性が高い

ビフィズス菌BB12は、どの年代でも同じように生きたままビフィズス菌が腸まで届き、腸管への付着率も高いとされています。腸管環境の健康を長期間保ち、免疫機能の調整や栄養素の吸収にも効果的です。

免疫機能への効果

ビフィズス菌BB12を摂取すると、免疫機能が高まる傾向にあります。ただし毎日摂取しないと、ビフィズス菌BB12の効果はもとに戻ってしまうため、注意してください。

ヨーグルトの効果

ヨーグルトの効果

花粉症に効果的

花粉数の増加や食生活の欧米化など変化により、花粉症に悩まされる方が年々増加しています。ヨーグルトには、アレルギー性鼻炎の症状を抑える効果や、免疫の中枢であるヘルパーT細胞数を調整する働きがあるとされています。さまざまなプロバイオティクスが含まれたヨーグルト摂取が効果的です。

整腸作用効果

ヨーグルトを摂取すると善玉菌が増え、悪玉菌の抑制や有害物質を排出し、腸内環境を整えます。ただし乳糖不耐症の方は、ヨーグルトで下痢を引き起こす恐れがあるため注意しましょう。乳糖が少ないヨーグルトやプロバイオティクスが豊富なヨーグルトを選ぶようにしてください。

豊富な栄養源

ヨーグルトに含まれる栄養源は以下のとおりです。

  • カルシウム
  • タンパク質
  • ミネラル
  • ビタミン

ヨーグルトは栄養価が高い食品で、低カロリーです。プレーンヨーグルトの場合100gあたりのカロリーが62kcalのため、ダイエット食品としても注目されています。糖分が少なく、タンパク質含有量の高いヨーグルトがおすすめです。

ビフィズス菌を多く含む食品

ビフィズス菌を多く含む食品

ヨーグルト

ヨーグルトは整腸作用や血糖値低下などの効果が高い食品です。しかし、糖分が多いと、カロリーや糖質の過剰摂取につながる恐れがあります。脂質が多い場合は、発がん物質が増加する恐れがあります。無糖や低糖質のヨーグルトを選び、1日100g~200gを目安に摂取しましょう。

牛乳

牛乳に含まれるたんぱく質のk-カゼインの分解物質には、ビフィズス菌を増加させる効果があります。ビフィズス菌BB536配合の牛乳は、タンパク質や食物繊維などの栄養素も含まれており、栄養素が豊富です。液体タイプ以外にも、ヨーグルトに混ぜたり食パンに塗ったり、調味料としても使える大人の粉ミルクもあります。

アイスクリーム

原料が牛乳と乳製品のため、多くのアイスクリームには、タンパク質・脂質・炭水化物・カルシウム・ビタミンなどの栄養が含まれています。ビフィズス菌BifiXを生きたまま凍結したアイスクリームは、脂肪分控えめのため、健康に配慮してアイスクリームを楽しめます。

ぬか漬け

ぬか漬けに含まれる酪酸菌は、胃酸・熱・抗生物質に強く、ビフィズス菌を発育や活性化させる働きがあります。日本人の腸に吸収されやすい酪酸菌は、腸内の免疫力が高まります。下痢症状の改善や抗うつの治療、糖尿病や大腸がんの予防に効果的です。ただし、漬物は塩分が強いため、過剰摂取には注意しましょう。

納豆

納豆に含まれる納豆菌は、胃酸に強く生きたまま腸まで届き、酸素の吸収で活性酸素を分解するため、ビフィズス菌が活動しやすい環境を整えてくれます。納豆はタンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富で栄養価が高いため、便通改善・免疫力アップなどの効果が期待できます。特に、夕食に食べるのがおすすめです。

ビフィズス菌の効果的な摂取方法

ビフィズス菌の効果的な摂取方法

ビフィズス菌を多く含む食品の摂取

ビフィズス菌を多く含む主な食品は、以下のとおりです。

  • ヨーグルト
  • 牛乳
  • アイスクリーム
  • ぬか漬け
  • 納豆

ビフィズス菌と一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品

ビフィズス菌は、相性のよい食品や食物繊維・オリゴ糖などの栄養素と一緒に摂取すると、増やすことができます。食物繊維が多く含まれている主な食品は、以下のとおりです。

  • 野菜
  • 豆類
  • 味噌
  • いも類
  • きのこ類
  • 海藻類
  • バナナ
  • 穀類

オリゴ糖が多く含まれている主な食品は、以下のとおりです。

  • ごぼう
  • 玉ねぎ
  • リンゴ
  • はちみつ

肉や揚げ物など、脂分の多い食事は悪玉菌を増やす原因となります。切り干し大根・きんぴら・魚料理など、和食を中心に煮る・蒸す・網焼きなどの調理方法を取り入れましょう。

ビフィズス菌の効果を高める摂取タイミング

ビフィズス菌を効果的に摂取するためには、胃酸の影響を避けることが重要です。食後2時間程度経過後、または胃酸が落ち着いたタイミングで摂取するのが理想的とされています。効果的な摂取タイミングは以下のとおりです。

  • 胃酸の濃度が高い空腹時を避ける
  • 胃酸や胆汁が落ち着く食後2~3時間後か食間
  • 血糖を下げる効果があるヨーグルトは食事前に摂取
  • 夜間は腸内が活発化するため就寝3時間前までに摂取

毎日のビフィズス菌摂取が重要なため、ご自身の生活スタイルや体質に合わせて、摂取する時間を決めましょう。

「ビフィズス菌の効果」についてよくある質問

「ビフィズス菌の効果」についてよくある質問

ここまでビフィズス菌の効果を紹介しました。ここでは「ビフィズス菌の効果」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ビフィズス菌は毎日摂取したほうがいいのでしょうか?

武井 香七武井 香七 医師

年齢を重ねるごとにビフィズス菌は減少するため、ビフィズス菌は毎日摂取することが大切です。

まとめ

ビフィズス菌は、整腸作用・感染症予防効果・免疫調整作用などさまざまな効果がある善玉菌です。乳酸菌とビフィズス菌は、どちらも人間の腸に必要です。しかし、偏性嫌気性細菌と通性嫌気性細菌というしっかりとした違いがあります。ビフィズス菌1つで摂取するよりも、食物繊維やオリゴ糖が多く含まれる食品と一緒に摂取する方が高い効果を得られます。ヨーグルトや牛乳、発酵食品など、ご自身にあった摂取方法を見つけ、健康のために毎日ビフィズス菌を摂取しましょう。

「ビフィズス菌」と関連する病気

「ビフィズス菌」と関連する病気は2個程あります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

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「ビフィズス菌」と関連する症状

「ビフィズス菌」と関連している、似ている症状は2個程あります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

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