「ミノキシジル」をやめるとどうなるかご存知ですか?服用のやめ時も解説!
年齢を重ねると髪について悩むことがあるかもしれません。これまでのような若々しいイメージを保つためにAGA(男性型脱毛症)の治療を検討する方もいるのではないでしょうか。
AGAに対し、ミノキシジルを使用している方は少なくありません。しかし、いつまでミノキシジルを使うのか疑問をもつこともあるでしょう。
本記事では、ミノキシジルをやめたらどうなるかについて解説します。また、フィナステリドとの併用・やめ時についても解説します。
監修医師:
高藤 円香(医師)
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ミノキシジルをやめるとどうなる?
ミノキシジルを使用し、発毛効果が実感できている方もなかにはいるでしょう。
実感できている理由で使用をやめても、このまま育毛効果は継続されるのでしょうか。ここからはミノキシジルをやめるとどのようなことが起きてしまうのか、解説します。
やめると薄毛が進行する可能性がある
ミノキシジルはフィナステリド・デュタステリドと並ぶ、AGA(男性型脱毛症)の治療薬です。その効果は、毛髪の成長期を延長し発毛を促すことです。ミノキシジルによる発毛効果は人により異なりますが、使用開始から4週間ほどで効果を実感する方が多いようです。
また、効果を維持するためには継続して使用しなければなりません。ミノキシジルを中止することで、毛髪の成長期期間はもとに戻り、太く長い毛が生えてくることが難しくなります。そのためミノキシジルの使用を中止すると、再び薄毛や抜け毛が進行する可能性があります。
ミノキシジルは脱毛の原因を取り除くわけではない
AGAは遺伝性がある薄毛・脱毛で、数年をかけてゆっくりと進行していくものです。AGAの原因は、毛髪が生え変わるヘアサイクルの乱れによる成長期期間の短縮と、休止期に移行した毛包がなかなか成長期にならないことです。
ミノキシジルは、ヘアサイクルの成長期期間を延長させ、発毛を促す効果があります。そのため、ミノキシジルはAGAの原因そのものを取り除くわけではありません。また、AGAは進行性の病気であるため、ミノキシジルの使用で進行を止めることは難しいです。
AGAの進行を遅らせるために、予防を目的とした薬剤を服用するとよいでしょう。代表的な薬剤にフィナステリドがあります。フィナステリドは薄毛の進行を遅らせる効果があるものなので、ミノキシジルとは効果が異なるものです。
ミノキシジルとフィナステリドは併用できる?
AGA治療薬にはさまざまな種類がありますが、そのなかの一つであるフィナステリドと併用はできるのでしょうか。ここからは、ミノキシジルとフィナステリドの併用について解説します。
医師に相談すれば併用が可能
ミノキシジルもフィナステリドもAGA治療薬として頻繁に使用される薬剤ですが、効果が異なります。ミノキシジルは発毛を促す治療薬です。一方で、フィナステリドは薄毛の進行を予防する治療薬です。
ミノキシジルとフィナステリドを併用することで、発毛と予防効果が得られるため、どちらか一方だけで治療を行うよりも高い効果が期待できます。そのため、ミノキシジルとフィナステリドの併用はAGA治療に有効といえるでしょう。
薬剤を併用して使用するためには医師への相談が必要です。AGA治療薬はインターネットなどで簡単に購入できます。しかし薬剤の使用は、医師や薬剤師の指導を受けたうえで安全性に留意して使用することが大切です。
AGA治療を専門とするクリニックの医師へ相談し、適切な診察を受けることで、併用が可能かどうか判断してもらいましょう。
併用のポイント
AGAの治療にミノキシジルとフィナステリドを併用することは有効です。日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインによると、AGAの治療ではフィナステリドの内服・デュタステリドの内服・ミノキシジルの外用を行うよう強く推奨されています。
ここで注意してほしいポイントは、ミノキシジルは外用であるということです。もともとミノキシジルは降圧剤として使用されていました。その副作用として多毛が見られたため、発毛効果が明らかにされたものです。
しかし、内服した場合には発毛効果がある一方で、心拍数の増加・心不全・胸痛など健康を害する症状が現れる可能性があります。そのため、ミノキシジルの内服薬は日本では承認されておらず、日本皮膚科学会も推奨していません。
ミノキシジルは外用薬の方が重篤な副作用が現われにくく、フィナステリドと併用する場合には外用薬が広く使われています。
併用した場合の効果
ミノキシジルとフィナステリドを併用して使用した場合、毛髪の変化を早く実感できるでしょう。ミノキシジルは血管拡張作用があるため、発毛を促進させる細胞を活性化させ、発毛効果を発揮します。
フィナステリドは薄毛の原因となる還元酵素(5αリダクターゼ)を阻害し、薄毛の進行を予防する効果があります。そのため併用することで、薄毛の進行を予防しながら発毛を促すといった効果を得られるでしょう。
ミノキシジルだけをやめる場合
ミノキシジルとフィナステリドの併用により、自分が満足する毛髪の状態になった場合には、ミノキシジルだけをやめるという選択肢もあります。ミノキシジルは、発毛を促す効果があるため、満足する毛量を得られた場合には中止することも一案です。
しかし、AGAは進行性の疾患であるため、症状の出現を止めることは難しいでしょう。そのため、AGAの予防は続けていく必要があります。ミノキシジルの使用をいつまで継続したらよいのか悩んだときには、ミノキシジルのやめどきについて医師へ相談してみましょう。
ミノキシジルのやめ時はいつ?
使用を中止してしまうと、発毛効果が薄れてしまうミノキシジルですが、どのような状況の時に使用をやめなければならないのでしょうか。ここからは、ミノキシジルのやめ時を解説します。
6ヵ月以上使用しても効果を感じられなかった時
ミノキシジルの効果は一般的に4ヵ月程度の使用で実感するものといわれています。しかし、6ヵ月以上使用しても効果を感じられなかったときは使用の中止を検討しましょう。ミノキシジルはAGAに対し効果を発揮するものです。
そのため、6ヵ月以上使用しても効果が得られない場合には、AGA以外の原因による脱毛症の可能性が考えられます。医師へ相談し、再度適切な診断を受けるようにしましょう。
副作用が出た時
ミノキシジルは血管を拡張させ、血圧を下げる効果があります。そのため、副作用が出た時には使用を中止しましょう。副作用は以下の症状が出る可能性があります。
- 皮膚:頭皮の発疹・発赤・かゆみ・かぶれ・ふけ・熱感
- 精神神経系:頭痛・めまい・気が遠くなる
- 循環器:胸の痛み・心拍が早くなる
- 代謝系:原因不明の急激な体重増加・手足のむくみ
特に心臓病や血圧に異常がある方・血圧の薬を内服している方は、使用前に内科や循環器科の医師へも相談しておくようにしましょう。また、使用する場合には副作用の出現に十分注意をし、気になる症状があれば医師へ相談するようにしてください。
薄毛が気にならなくなった時
ミノキシジルとフィナステリドの併用で薄毛が気にならなくなった時は、ミノキシジルのやめどきかもしれません。ミノキシジルは発毛を促す効果があるため、自分が満足する毛量となった場合には、中止することを検討してもよいでしょう。
しかしAGAは進行性のため、一度発症すると自然に回復することは難しいものです。そのため、進行を遅らせる治療は続けておいた方がよいでしょう。ミノキシジルを中止してもフィナステリドの使用は続け、AGAの予防をしていきましょう。
費用面で限界を感じた時
ミノキシジルなどAGA治療薬は保険適用や医療費控除の対象ではありません。そのため、費用は基本的に全額自己負担です。保険が利かないため費用面の負担は大きく、治療を継続することに限界を感じることがあるかもしれません。
そのときは、ミノキシジルによる治療を中止しなければいけないこともあるでしょう。また、市販のものや海外から個人輸入などで購入することもできますが、こちらも保険は適用されないため費用が高額になることもあります。
費用面で限界を感じた時には、ミノキシジルの使用をやめることを検討し、今後の治療方針について医師へ相談してみましょう。
編集部まとめ
ミノキシジルとフィナステリドを併用することは発毛と予防効果が発揮され、AGAの治療にとても有効です。
しかし、ミノキシジルを使用したAGAの治療は長期間に及ぶ場合があり、長い期間薬剤を使用することで不安が生じることもあるでしょう。
ミノキシジルの効果を実感したまたは、実感しなかった場合や、副作用の出現・費用の負担など、やめ時を決断しなければいけないときもあります。
医師と相談しながら、自分が納得できるAGAの治療方法を決定していきましょう。