「AGA治療の効果が出るのが早い人の特徴」はご存知ですか?治療薬も解説!
AGA治療の効果は徐々に実感するものであり、なかなか効果が見られなくても6ヶ月後程度は治療を継続することが推奨されています。
そのような中、AGAの進行度や生活習慣によってはより早く治療の効果を実感できる人もおり、治療の効果の出方は個人差が大きいともいわれています。
では、AGA治療の効果が出るのが早い人にはどのような特徴があるのでしょうか。
今回は、AGA治療における効果の出方について解説します。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
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AGA治療の効果が出るのが早い人の特徴は?
冒頭にてご説明したように、AGA治療の効果を実感する時期には個人差があります。半年が経過して急に効果を実感するような人もいれば、早くて数ヶ月程度で薄毛の改善が見られる人もいるのが現状です。AGA治療の効果が早く出やすい人には、以下のような特徴があります。
- AGAを早期発見して治療を受けている人
- 自分に合ったAGA治療を受けている人
- 複数のAGA治療を組み合わせている人
- 治療薬の用量・用法を守っている人
それぞれ詳しく解説します。
AGAを早期発見して治療を受けている人
AGAの治療においては、早期に発見した方が効果を早く見込めるといわれています。これにはAGAの進行度が影響しており、症状の軽い初期段階であるほど治療効果も高くなるためです。AGAは進行度によって7つに分類できます。
- Ⅰ型:生え際の後退
- Ⅱ型:前頭部の髪の密度が減少
- Ⅲ型:髪全体のボリュームの減少
- Ⅳ型:生え際の後退と頭頂部の薄毛が進行
- Ⅴ型:地肌の露出
- Ⅵ型:生え際と頭頂部の地肌の露出箇所が合体
- Ⅶ型:残っている側頭部の毛髪も減少
AGAを発症するとヘアサイクルが乱れ、通常であれば2〜6年かけて循環するサイクルが数ヶ月〜1年になってしまいます。実はこのヘアサイクルには上限があり、生涯40〜50回程度が限度です。これを加味すると、AGAにより数ヶ月程度で1回のヘアサイクルが消費される状態が続けば、通常の2〜10倍の速度で猶予がなくなっていくことになります。
AGA治療でなるべく早い段階での治療が推奨されるのは、このヘアサイクルの残存数を可能な限り、残しておくためです。AGAがⅤ型以降にまで進行してしまうと、どれだけ治療しても納得いく効果が出ないままにヘアサイクルが終了してしまう恐れがあります。
自分に合ったAGA治療を受けている人
AGAの治療では、自分に合った治療を受けることも非常に大切です。後述しますが、AGAの治療では進行度によって処方される薬剤が変わってきます。例えば、AGAが進行し脱毛の症状が見られる場合には、AGAの進行を抑制する治療薬の他に育毛効果のある治療薬も併用するのが望ましいでしょう。
自分の症状の進行度に合った治療が受けられれば、早期に効果を期待できるのは明らかです。AGAの治療を受けるクリニックは、信頼できるところを選ぶようにしましょう。
複数のAGA治療を組み合わせている人
前述のように、AGA治療では複数の治療を組み合わせることでより効果を期待できるようになります。AGAで代表的な治療薬といえば、ミノキシジルやプロペシアなどですが、AGA治療はそれだけにとどまりません。例えば、近年では毛髪再生メソセラピーと呼ばれる直接的な治療法が普及してきています。
短期間で発毛を実感できることから、AGAの進行を抑える治療薬と組み合わせて行うクリニックが多いようです。その他にも、自分の毛包組織を粉砕して患部に注入するダブルマトリックスと呼ばれる治療法もあります。様々なAGA治療をどのように組み合わせるかは医師と相談して決めましょう。
AGAの治療を継続して受けている人
AGAの治療は、継続することが非常に大切です。その理由は2つあります。1つ目は、治療の効果が出るまでには時間がかかってしまうためです。AGA治療では、まずは6ヶ月を目安に治療を続ける必要があります。効果が出ない場合には治療薬を変更するなどの対応をし、改善を重ねながら治療を継続していかなければなりません。2つ目は、AGAが進行性の脱毛症であるためです。AGAは放置していると徐々に症状が進行し、止まることはありません。
たとえAGAの治療を受けていたとしても、途中で中断すればまたAGAの進行が始まることになります。AGAにかかってしまったら、否が応でも治療を続けなければならないのです。少々酷な話ではありますが、AGAの進行を止めるような特効薬はまだありません。なるべく症状の進行を抑制し、上手く付き合っていくには、継続的な治療が不可欠です。
治療薬の用量・用法を守っている人
何事にもいえることですが、治療薬は用量・用法を守って服用しなければなりません。1日2回の服用が必要な治療薬にもかかわらず、1回しか服用していなければ期待していた効果は実感できないでしょう。
ミノキシジルの外用薬の場合には、塗布したあとに優しくマッサージをして塗り込まなければなりません。正しい使用方法・使用量を守ることで、治療の効果を最大限に引き出せるようになります。
AGA治療の効果が実感できない理由
AGA治療の効果を早く実感できる人がいる一方で、なかなか効果が実感できない人がいるのはなぜなのでしょうか。考えられる理由には以下が挙げられます。
- 治療薬が薄毛の症状に合っていない
- 初期脱毛によって毛が抜けている
- AGA以外に薄毛の原因がある
それぞれ詳しく解説します。
治療薬が薄毛の症状に合っていない
先ほどご説明したように、AGA治療では症状の進行度によって適切な治療薬が変わってきます。症状が進行している場合には、一般的なAGA治療薬であるプロペシアでは効果がなかなか実感できないかもしれません。
その場合には、より高い効果を実感できるザガーロを服用する必要性が生じます。効果が実感できないからといって自己判断で治療を中断せず、医師に相談して治療法を変えてもらいましょう。
初期脱毛によって毛が抜けている
初期脱毛とは、AGA治療の治療において一時的に抜け毛が増えてしまう現象のことを指します。AGAが進行したかのように感じる現象ですが、実際は治療の効果が出ている証拠です。AGAにより十分に成長できないまま生えた古い毛髪が、AGA治療によって育成された新しい毛髪に押し出されることで脱毛が起きています。
そのため、治療後数ヶ月が経過した後に抜け毛が増えたとしても、そこまで心配する必要はありません。特にミノキシジルの外用薬では初期脱毛が認められているため、治療前に理解しておくと良いでしょう。初期脱毛が起きたからといって、治療を中断しないことが大切です。
AGA以外の薄毛の原因がある
薄毛や脱毛にはAGA以外にも様々な原因が考えられます。例えば以下のような原因です。
- 円形脱毛症
- 抜毛癖
- 先天性脱毛症
- 瘢痕性脱毛(はんこんせいだつもうしょう)
- 脂漏性脱毛
たとえAGA治療を行っていたとしても、原因が異なるのであれば効果は実感できません。それぞれの脱毛症によって適切な治療法は異なるため、まずは診断の段階で正しく原因を究明することが求められます。血液検査・皮膚生検・毛髪検査などを行い、適切に診断をしてもらいましょう。
AGA治療に使われる薬
AGA治療では、外用薬であるミノキシジルと内用薬であるプロペシア・ザガーロによって治療を進めるのが一般的です。ここでは、それぞれの治療薬の概要を解説します。
ミノキシジル
ミノキシジルは育毛効果が期待できる治療薬で、AGAの治療では5%の濃度の外用薬が推奨されています。ただ濃度が高くなるほど塗布部のかぶれを訴える人が増えるという研究結果があるため、必要に応じて1〜2%に濃度を下げる場合もあります。
元々は血圧を下げるお薬として処方されていましたが、副作用に多毛が生じることからAGA治療薬としての使い道が確立しました。ミノキシジルを使用する上で気をつけておきたいのは、初期脱毛がある点です。塗布後数ヶ月後に顕著に見られるようになりますが、その際に治療を中断しないようにしましょう。
プロペシア
AGAは、5αリダクターゼの分泌量が増加し、男性ホルモンと結合することで発症します。結合した5αリダクターゼはジヒドロテストステロン(DHT)となり、髪の成長を阻害します。
プロペシアは、この5αリダクターゼに作用することでジヒドロテストステロン(DHT)の増加を抑制する効果が期待できる治療薬です。これによりヘアサイクルの消費回数を抑え、毛髪の成長を促します。
ザガーロ
ザガーロは、プロペシアよりも高い抑制効果を期待できる治療薬です。プロペシアでは効果を見られなかった場合に処方されます。
ザガーロの方が効果が高いのは、プロペシアは5αリダクターゼⅠ型にしか作用しないのに対し、ザガーロはⅠ型・Ⅱ型の両方に作用するためです。プロペシアの治療薬で満足いく効果が見られない場合には、医師に相談しザガーロへの変更を検討してみましょう。
AGA治療の効果を実感できるまでの期間や費用は?
AGA治療は、最低でも半年以上は治療を継続しなければなりません。効果を実感するまでは個人差が大きいですが、3〜6ヶ月であることが多くあります。場合によっては半年以上かかることもありますが、根気強く続けていくことが大切です。
治療にかかる費用は1ヶ月に6,000〜8,000円程度ですが、外用薬と内用薬を併用する場合には追加で8,000円程度かかります。最近では毛髪再生メソセラピーといった新しい治療法も普及してきているので、必要に応じて検討してみるのがおすすめです。
自分に合ったAGA治療を受けて効果を実感しよう
AGAの進行度は人によって異なり、その進行度によって適切な治療法も変わってきます。効果を実感するには、適切な医療機関でしっかりと診断を受け、自分に合った治療法を模索していくことが何よりも大切です。
AGA治療はすぐに効果を実感できるわけではなく、その多くが長期戦となります。最低でも半年は治療を続け、効果を測定しましょう。
編集部まとめ
AGAの効果の出方は個人差が大きく、また治療開始後から効果を実感するまでに時間を要しやすいことが特徴です。
効果を早く実感するには、早期発見早期治療を心がけ、自分に合った治療方法を模索することが大切です。
AGAは進行性の病気であるため、治療を中断してしまえばまたAGAの進行が始まってしまいます。
効果を実感できないからといって、決して自己判断で治療を中止しないようにしましょう。