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更年期に『月経異常』が起こるのはなぜ? 具体的な症状や治療方法を婦人科医が解説

 更新日:2024/03/05

これまで月経周期が規則正しかった人でも更年期になると突然その周期が乱れてしまい、月経が長く続いたりいつもより早いペースで巡ってきたりすることがあります。更年期の月経異常の原因や治療方法について、ショコラウィメンズクリニックの木崎先生に教えていただきました。

木崎 尚子

監修医師
木崎 尚子(ショコラウィメンズクリニック)

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東京女子医科大学卒業。川崎市立井田病院・川崎病院で初期研修。東京女子医科大病院産婦人科、国際親善総合病院産婦人科、湘南藤沢徳洲会病院産婦人科、茅ヶ崎徳洲会病院産婦人科などを経て、2021年10月、横浜市都筑区にショコラウィメンズクリニックを開院。古くから薬能があるとされ、また、人を癒やしたりリラックスしたりする効果があるとされるチョコレートのように、ほっとできる空間を提供したいとの思いから、「ショコラウィメンズクリニック」と命名。

更年期になると女性の心身に起こる症状とは? 月経不順も更年期のサイン?

更年期になると女性の心身に起こる症状とは? 月経不順も更年期のサイン?

編集部編集部

更年期になると、心身にはどのような変化が起きるのですか?

木崎尚子医師木崎先生

更年期になって現れる症状は、主に以下の3つに分類されます。

  • 血管の拡張と放熱に関係する症状
  • ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗など

  • そのほかのさまざまな身体症状
  • めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさなど

  • 精神症状
  • 気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠 など

編集部編集部

なぜ、そのような症状が出るのですか?

木崎尚子医師木崎先生

更年期に現れる諸症状によって日常に支障が生じることを「更年期障害」といいますが、主な原因はこの時期に女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが大きくゆらぎながら低下していくことにあります。さらに、加齢や性格、職場や家庭における人間関係などさまざまな因子が重なり合うことで、更年期障害を発症するとされています。

編集部編集部

更年期になると「月経不順」も起きると聞いたことがあります。これも更年期障害のひとつですか?

木崎尚子医師木崎先生

はい、更年期に入ると卵巣の機能が低下していき、これまで規則正しかった女性ホルモンのリズムが崩れてきます。それにより、周期や経血量の変化といった月経異常が生じるのです。

更年期の月経不順・月経異常の特徴とは? 月経周期や出血量、痛みの変化など

更年期の月経不順・月経異常の特徴とは? 月経周期や出血量、痛みの変化など

編集部編集部

更年期におきる月経異常にはどのような特徴がありますか?

木崎尚子医師木崎先生

更年期に入って起きる月経の異常には、主に以下のようなことが見られます。

  • 月経周期が短くなる/長くなる
  • 月経日数が増える/減る
  • 少量の出血が長く続く
  • 月経量が減少する/増える

※個人差があります

編集部編集部

こうした変化はいつ頃から起きるのですか?

木崎尚子医師木崎先生

一般的にまずは40歳を過ぎた頃からホルモンが急激に減少してくるのでバランスが崩れやすくなります。

編集部編集部

変化のスタイルもさまざまですね。

木崎尚子医師木崎先生

はい、非常に個人差が大きいので、ほかの人と比べるのは困難です。月経周期が崩れて徐々に周期が長くなり、やがて閉経に至る人もいますし、頻繁に月経が続いたと思ったら突然パタっと月経が来なくなる人もいます。閉経に至るプロセスは人それぞれです。

編集部編集部

そうした月経不順は閉経まで続くのですか?

木崎尚子医師木崎先生

はい、月経が1年以上ない状態のことを閉経といいますが、閉経の年齢は人によって異なります。だいたい50~52歳前後になるといわれていますが、年齢は個人差が大きく、早い人だと45歳くらい、遅いと56歳くらいで閉経を迎えるとされています。

編集部編集部

閉経はどのようにして定義されるのですか?

木崎尚子医師木崎先生

最後の月経から丸1年なければ閉経になります。つまり閉経のタイミングは、月経が終わったあとで判断することになります。

更年期の月経不順・月経異常への対処法は? 婦人科で相談できる薬物療法はどんなものがある?

更年期の月経不順・月経異常への対処法は? 婦人科で相談できる薬物療法はどんなものがある?

編集部編集部

更年期の月経異常は、どのようにして対処すれば良いのですか?

木崎尚子医師木崎先生

異常のタイプによって異なります。たとえば、月経の周期が長くなる場合には何もせず様子を見ることが多いですが、頻繁に月経が来たり経血量が多かったりする場合には治療が必要なこともあります。

編集部編集部

どのような薬剤が用いられるのですか?

木崎尚子医師木崎先生

月経不順に対してはホルモン剤で周期調整をします。患者さんのご希望により、漢方薬を使うこともあります。

編集部編集部

では、どのようなタイミングで受診するのがよいでしょうか?

木崎尚子医師木崎先生

不正出血が10〜14日以上続く場合や、頻繁に出血する場合には、一度受診することをおすすめします。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

木崎尚子医師木崎先生

女性ホルモンの変化は年齢に応じて起こるものであり、誰もが通る道でもあります。しかし、場合によっては病気が隠れている場合もありますので、何か不安な症状が見られる場合にはぜひ一度、婦人科を受診すると良いと思います。受診したからといって必ずしも治療が必要なわけではなく、特に治療を行わず様子を見る場合もあります。もしお困りのことがあれば、更年期障害の治療に詳しい医師にぜひ、ご相談ください。

編集部まとめ

更年期に起きる症状のなかで、月経異常に悩まされている女性も多いのではないでしょうか。特に経血量が増えたり、頻繁に月経が来たりすることで、仕事や家庭のこと、趣味が思うようにできないという人もいるかもしれません。そのような場合にはホルモン剤などでの治療が可能です。困ったことがあればぜひ、専門医に相談してみましょう。

医院情報

ショコラウィメンズクリニック

ショコラウィメンズクリニック
所在地 〒224-0062 神奈川県横浜市都筑区葛が谷10-16-2F
アクセス 横浜市営地下鉄グリーンライン「都筑ふれあいの丘駅」の改札を出て目の前
診療科目 婦人科、産科、予防医療、美容診療、外来手術、ユースクリニック

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