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「EDはオンライン診療」できる?処方薬の種類やオンライン診療のメリットも解説!

 更新日:2023/03/14
「EDはオンライン診療」できる?処方薬の種類やオンライン診療のメリットも解説!

EDは、その内容から医療機関などで直接相談することがためらわれてしまう場合があり、病院での受診に二の足を踏む方も多いのではないでしょうか。

また、忙しい毎日の中で通院の時間を作れなかったり、遠方で通院が負担になったりする方も少なくありません。

そのような方はオンライン診療を検討されると良いでしょう。クリニックの診療時間や周りの目などを気にせず、医師と1対1で話ができるためおすすめの方法です。

今回はEDのオンライン診療について詳しく解説いたします。EDのオンライン診療が気になるという方は、ぜひご参考になさってください。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

EDはオンライン診療できる?

問診票に記入をする医者
昨今ではさまざまな診療科において、オンライン診療が増えつつあります。もちろん、EDに関してもオンラインでの診療が可能です。
これまでオンライン診療ではED処方薬を購入できませんでしたが、最近では薬の処方も可能となり、EDのオンライン診療はより一層便利なものとなりました。
多忙で診療時間内に病院へ行けない方・遠方などで通院が負担になる方・医療機関での診療をためらっている方などには、非常におすすめの診療方法だといえるでしょう。
ただし、ED治療の工程で検査や注射などが必要な場合には、実際に医療機関へ足を運ぶ必要があります。また、基本的に初診については来院する必要があるため、ED治療はオンライン診療のみで完結させられないことは把握しておきましょう。
加えて、持病や服用している薬の内容などによっては、オンライン診療を受けられないケースがあります。
オンライン診療を希望する際は、初診で医師に相談することをおすすめします。

ED処方薬の種類

薬の顔像
現在、日本において承認されている主なED処方薬は、レビトラバイアグラシアリスの3種類です。
どの薬もPDE5阻害剤という種類の薬であり、血管平滑筋を緊張させるPDE5という酵素を阻害することで勃起機能を改善するためのものです。作用はほとんど同じですが、少しずつ特徴が異なります。
ED処方薬の効果を十分に発揮させるには、医師の指示を守り正しい使い方をすることがポイントです。
間違った使い方をすると、効果を実感しづらくなったり、特に過剰摂取では昏睡などの重篤な症状があらわれたりする可能性があるため注意が必要となります。
また、ED処方薬は心血管疾患・緑内障・肝炎などの薬との併用が禁忌となっているため、飲み合わせには注意が必要です。
服用中の薬がある場合には、処方前に医師へ相談することが重要です。それでは、レビトラ・バイアグラ・シアリスのそれぞれの特徴について詳しく解説いたします。

レビトラ

レビトラ(Levitra)は、性行為の1~3時間前に服用することでおよそ1時間後に最も効果を発揮します。
効果の持続時間は4時間程度です。バイアグラやシアリスよりも比較的効果の発現が早く、2割の方が性行為10分前の服用でも効果を実感できています。
ただし、脂質の多い食事や過度の飲酒により効果が低下してしまう恐れがあるため注意が必要です。レビトラを服用した半数近くの方で、ほてり・頭痛・鼻炎・動悸などの副作用があらわれる可能性があります。
副作用がひどい場合には使用を中止し、医師に相談することが望ましいです。
またレビトラは他の薬に比べて、特に不整脈・水虫・HIV感染症の薬との相性が悪いため、これらの薬を服用されている場合は必ず処方前に医師へ相談するようにしましょう。

バイアグラ

バイアグラ(Viagra)はED処方薬として最初に承認された薬であり、ED処方薬として最も有名です。
レビトラと同様に、性行為の1~3時間前に服用することでおよそ1時間後に最も効果を実感できるでしょう。効果の持続時間も4時間程度と、レビトラと同等です。
バイアグラは脂質の多い食事に加えて、普通食でも効果が低下してしまう恐れがあります。過度な飲酒も効果を発揮しづらくなるため、バイアグラ服用時には避けるようにしましょう。
バイアグラの主な副作用としては、ほてり・頭痛・視覚障害などが挙げられ、およそ41%の方に症状があらわれる可能性があります。

シアリス

シアリス(Cialis)は、ED処方薬として最も新しく承認された薬です。
性行為の1時間~1日半前に服用することでおよそ2時間後に最も効果があらわれやすく、効果の持続時間はおよそ36時間です。他のED処方薬と比べて服用時間に幅があり、持続時間が長いという特徴があります。
また、過度な飲酒においては効果が低下しやすいですが、食事による影響がほとんどないことも他の薬とは異なる点です。
加えて、副作用の出現率も他の薬より低く、服用したおよそ27%の方でほてりや頭痛などの症状がみられます。

ED治療の費用相場

薬と電卓の画像
ED治療にはさまざまな方法があり、治療内容によって費用は大きく異なります。
不妊治療など一部を除き、ED治療は保険適用外であるため、費用は全額自己負担になることを把握しておきましょう。
先述したED処方薬の費用相場が、一錠あたり約1,200円~1,700円となり、そこへ各種検査・注射・場合によっては手術などの費用が加算されます。
そのため、治療費は高額になる可能性が高いです。具体的な費用に関しては、治療プランを立てる際に医療関係者から説明してもらいましょう。
最近では、インターネット上で個人輸入を理由に、ED処方薬を相場よりも安く提供できるとうたい販売しているサイトがみられますが、それらの半数以上が偽物であることが分かっています。
偽物のED処方薬は、過剰配合・不純物の混入・不衛生な製造などにより、重篤な健康被害がでることもあります。
個人輸入のED処方薬は極めて危険ですので、安さにつられて手を出さないようにしてください。ED処方薬は、医師から処方される正規品を服用するようにしましょう。

オンライン診療のメリット

宅配物の画像
先述したとおり、EDの診療は通院の他にオンラインでも可能です。通院でED治療を行う場合には、病院の診療時間内に受診する必要があります。
そのため、診療のたびに予定を調整したり休日が潰れてしまったりするのです。
また、移動時間や交通費もかかるなど、治療が長引くにつれ通院の負担も大きくなってしまいます。
このような点において、オンライン診療にはさまざまなメリットがあるのです。
それでは、オンライン診療のさまざまなメリットについて詳しくご説明いたします。

通院による負担の削減

オンライン診療によるメリットとして、通院による負担の削減が挙げられます。
遠方から通院する場合には、移動時間や往復交通費が多くかかってしまいます。
また、身体的な理由などから移動自体が難しいなど、通院が負担になってしまう方は決して少なくありません。
オンライン診療はインターネットを利用できる環境があれば、スマホやパソコンを通じてどこからでも受診できます。
オンライン診療を利用することで、遠隔地に住む方や移動な困難な方の通院負担を削減できるのです。

好きなタイミングでの予約

オンライン診療では、自分の好きなタイミングで予約を取れることもメリットの一つです。
オンライン診療の多くは、クリニック専用の予約フォームやオンライン診療アプリなどから24時間予約を受け付けています。
予約状況とスケジュールを確認しながら、好きなタイミングで予約を取れるのです。
また、オンライン診療は診療時間内での通院が難しい方に向けて診療時間外に行われることも少なくありません。
そのため、日中仕事をしている方にとって、非常に嬉しいメリットだといえるでしょう。

薬の郵送が可能

最近では、オンライン診療で出されたED処方薬を郵送してくれる病院が増えています。
薬を郵送してもらえることで、薬局へED処方薬を取りに行く必要がありません。診療から薬の受け取りまでを家にいながら行えるのです。
オンライン診療であれば、多忙で通院時間を作りにくい方でも気軽に診療を受けられるでしょう。

薬の郵送が可能

オンライン診療を利用すると、スマホやパソコンを通じて診療を受けられるため、医師をはじめとした他者との接触がなく感染症の予防にも繋がるでしょう。
また、EDは非常にプライベートな内容のため、医師以外の他者との接触がないことで悩みを相談しやすくなるかもしれません。
周りの目が気になりED治療をはばかる方にも、オンライン診療はおすすめです。

EDのオンライン診療の注意点

注意のマークを持つ男性医師
EDのオンライン診療は、多忙や遠方などで通院が難しい方にとって非常に便利です。
しかし、EDのオンライン診療にはデメリットや注意点もあるのです。
オンライン診療を受ける際には以下のポイントに注意しましょう。

  • 治療方法が制限される
  • 医師の診療を受けられない場合がある
  • 処方薬が適切でない場合がある

オンライン診療では医師と直接対面しないため、当然ホルモン補充の注射や手術などは受けられません。
診療は問診と薬の処方だけになってしまうのです。
問診や処方薬だけでは効果が得られにくい場合や検査が必要な場合には、病院で直接受診するようにしましょう。
また、オンライン診療の場合は医師の診療が受けられない可能性があります。
医師の代わりに相談員を名乗る方が聞き取りのみの診療を行うケースもあるため、十分な説明を受けられなかったりしっかり相談ができなかったりするのです。
それと同様に、医師ではない相談員が診療を行った場合、自分に合ったED処方薬を出してもらえないこともあります。
薬の説明が十分にされないまま処方されるケースも少なくないため、注意が必要です。
オンライン診療を受ける病院探しは慎重に行う必要があるといえるでしょう。
ED処方薬は飲み合わせや疾患の有無などによる禁忌が多いため、初診は対面で行うことが推奨されています。
そのため「初診からオンライン診療が可能」であるとうたっている病院は、不適切なオンライン診療である可能性が高いため避けることをおすすめします。
また、「通院は一切なし」と宣伝されている病院に関しても不適切だといえるでしょう。
先述したとおり、ED治療には必要な検査や詳しい説明などがあるため、基本的にはオンライン診療だけで治療が完結することはありません。
通院とオンライン診療を上手く組み合わせながら、ED改善へ向けて治療を行うようにしましょう。

編集部まとめ

グッドマークをする男性の手
EDのオンライン診療に関して詳しく解説いたしました。オンライン診療は特に通院負担を減らせるため、定期的な通院が難しい方にはおすすめのED治療法だといえます。

しかし、通常の病院と同じようにオンライン診療においても病院選びは慎重に行う必要があります。質の高い治療を受けるためにも、病院選びは重要なポイントです。

EDは男性にとって深刻な悩みの一つですが、非常にデリケートな問題でもあります。治療へ踏み出すまでに、ためらいが生じることもあるでしょう。

本記事の解説にて、ED治療を始める後押しとなりましたら幸いです。良好な性生活を送れるよう、ED治療を開始して改善を目指しましょう。

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