「40代のEDの原因」はご存知ですか?医師が監修!
EDとは、男性の自信にも関係する病気です。さまざまな原因によって、発症の可能性があります。
特に年齢を重ねると病気や加齢によって発症の可能性は高まっていき、40代の約4割はEDといわれています。
今は病気にかかっていない40代の方でも、これからの不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、40代のEDの原因はどんなものが多いのかをご紹介します。治療で使われる薬や薬の副作用も詳しく解説するので、参考にしてください。
監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
目次 -INDEX-
40代のEDの原因は?
40代の約4割がEDを発症しているといわれていますが、どういった原因で多くの方が病気にかかっているのでしょうか。予防や治療方法を知ることはもちろんですが、原因が何かを知ることも非常に重要です。ここでは、40代のEDの原因についてご紹介します。
食生活
主な原因のひとつが、生活習慣病と密接に関係がある食生活です。その中でも原因となるのが、次のような食事内容です。
- 高カロリーな食事
- 塩分の多い食事
- 高脂肪な食事
高カロリーな食事を頻繁にとっていると、肥満・高血圧症・動脈硬化・糖尿病を引き起こすリスクが非常に高くなります。そして、これらの病気がEDへとつながります。30代~40代の男性が摂取すべきエネルギーの基準は、1日あたり2,250kal~3,050kalです。つまり、これ以上のエネルギーを摂取すると、徐々に生活習慣病などの疾患リスクが高まるということです。消費カロリーにも注意すべきですが、まずは摂取するカロリーに注意が必要となります。塩分の多い食事も、食生活の中で生活習慣病などのリスクを上げる要因です。塩分過多になると、主に高血圧・腎機能障害・心疾患にかかるリスクを高め、これらが起因してEDを発症します。和食は身体に優しいイメージをもつ方が多いですが、味噌汁や漬物などを中心に意外に塩分が多いです。
また、イクラ・タラコなどの塩漬けの魚卵、メザシや塩ジャケなどの塩漬けの魚なども塩分の多い食事であるため、食べすぎに注意が必要です。高脂肪な食事も原因のひとつとなります。これらをとりすぎると、前立腺がんなどの病気のリスクも高めるのです。食生活は身体を作る大切な要素になるため、EDの原因に大きく関係します。
ストレス
20代~40代にかけては、ストレスを原因としたケースも多いです。ストレスなどの精神的なダメージは脳内の神経伝達物質を減少させ、感覚の伝達に大きく影響します。通常、視覚や触覚からの性的な刺激が脳から陰茎に伝わって、勃起が起きます。しかし、神経伝達物質が減少すると性的な刺激が陰茎に伝わらず、EDの症状として現れるのです。つまり、身体の機能には問題ないにもかかわらず、精神的・心理的な不安やストレスで発症するといえます。
ストレスの要因となるものは人によってさまざまで、仕事・パートナーとの関係など多岐にわたります。特に30代・40代は、パートナーとの妊活なども始まることが多いです。これがプレッシャーとなり、パートナーとの関係がストレスに感じることもあるのです。実際に発症した方の中には、自慰行為は問題ないのに、パートナーとの性行為においては勃起しないという症状に悩まれている方もいます。
加齢によるもの
加齢も大きな原因のひとつです。これは、年齢を重ねることで男性ホルモンの低下・血管の老化を発生させてしまうためです。男性ホルモンは20代でピークを迎え、30代・40代と次第に減少していきます。性衝動や生殖機能など幅広く作用しているため、減少するとこれらの機能も低下し、十分な勃起が起きなくなるのです。勃起は、血液が陰茎海綿体に流れ込むことで起こる仕組みです。しかし、年齢を重ねると動脈硬化などを引き起こし血管が劣化します。
若い時の血管は、十分な血流が流れしなやかですが、動脈硬化になると血管のしなやかさが失われます。また、血管の内部が狭くなることで、血流が流れにくくなるのです。十分な血液が陰茎海綿体に流れないために、勃起しない・十分な硬さにならないなどの症状が発生します。また、加齢は生活習慣病とも密接に関係します。年齢を重ねていくと食事・運動の影響を受けやすく、高血圧・糖尿病などの生活習慣病を起こしやすくなるのです。加齢はさまざまな原因とも関係が深いため、発症リスクを高めてしまいます。
EDにNGな食べ物とは?
この病気の発症のリスクを高める食事は、高カロリー・高塩分・高脂肪な食事であることをご紹介しました。それでは、具体的にどのような食べ物を避けるべきなのでしょうか。まず、高カロリーな食事の代表的な例としては、揚げ物・肉類・スナック菓子・カップ麺などが挙げられます。これらの食事が肥満などの原因となり、発症・悪化を招きます。
高塩分の食事としては、濃い味付けの料理全般・麺類のスープ・ファストフードなどが代表的です。塩辛なども塩分が多いです。高脂肪な食べ物は、肉・揚げ物・ファストフード・チーズ・バター・マヨネーズ・スイーツなどが挙げられます。いくつか共通している食べ物もあり、ファストフードなどは注意すべきことがわかるでしょう。NGな食べ物を把握して、摂取量を調整することが非常に大切です。
ED改善に効果的な栄養素
病気の発症リスクが高まるため、避けるべき食べ物もありますが、積極的に摂取して改善に効果のある栄養素もあります。改善に効果的な栄養素としては、次のとおりです。
- 亜鉛
- ビタミンC
- シトルリン
- DHA/EPA
亜鉛は、症状改善に役立つ栄養素です。この病気を発症する原因のひとつに男性ホルモンの低下があります。年齢を重ねると男性ホルモンの低下が起こるため、勃起が十分に行われないことがあります。しかし、亜鉛には男性ホルモンであるテストステロンの分泌を促す働きがあるのです。また、亜鉛の含まれる食材と組み合わせて、ビタミンCが豊富な食材も摂取すると良いです。ビタミンCは、亜鉛の吸収を高めてくれます。亜鉛を多く含む食材には、牡蠣・チーズ・豚肉・卵黄などがあります。これらをビタミンCが多く含まれるほうれん草・レモンなどの食材と組み合わせると、より吸収を高めて改善の効果を得られるでしょう。
シトルリンとは、遊離脂肪酸のひとつです。この栄養素は、陰茎の血管拡張に必要なNOという物質の生成を促す効果をもっています。シトルリンを多く含む食材としては、スイカ・メロン・きゅうり・冬瓜などのウリ科の植物が代表的です。DHA/EPAは、それぞれドコサヘキサエン酸・エイコサペンタエン酸といいます。必須脂肪酸のひとつであり、血液をサラサラにして中性脂肪を下げる効果をもっています。血行改善・肥満予防・脂質異常症予防につながるため、病気の発症リスクを下げることが可能です。体内ではほとんど生成されないため、食事から摂取するしかありません。多く含まれるサンマ・イワシ・サバなどの青魚を積極的に食べましょう。
ED治療でよく処方される薬
病気の改善が期待される栄養素をご紹介しましたが、実際に症状が現れると薬を使っての治療を行います。薬にはいくつか種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここではEDの治療でよく処方される薬を特徴とともにご紹介するので、薬選びの参考にしてください。
バイアグラ
バイアグラは、世界で初めて製品化された薬です。日本においても最初に厚生労働省から認められた薬であり、実績の長さから有効性・安全性の高い薬であることがわかります。薬の特徴として、持続時間が3時間~5時間・効果が得られる時間は30分~1時間程度となります。勃起力は強い部類の薬です。一方で、食事の影響を受けやすいため、服用のタイミングには注意が必要です。また、副作用も出やすい点が特徴に挙げられます。
シアリス
シアリスは、効果の持続時間が30時間~36時間と非常に長い点が特徴の薬です。効果を得られる時間は1時間~3時間程度であり、長時間効果が続くため服用のタイミングを調整しやすい点が魅力です。勃起力はマイルドで、強すぎて感覚が感じにくいといった心配がありません。食事の影響を受けにくい点・副作用が出にくい点も含めて、非常に扱いやすい点が特徴です。
レビトラ
レビトラは、バイアグラの次に開発された薬となります。勃起力は非常に強く、バイアグラよりも上です。また、即効性の高さも特徴です。効果を得られるまでの時間が15分~30分と、薬のなかで最も早く得られます。持続時間は5時間~8時間です。食事の影響については、バイアグラよりは受けにくい傾向です。副作用は出やすい特徴があります。
ステンドラ
ステンドラは、治療薬の中でも比較的新しい薬です。レビトラ同様に効果を得るまで15分~30分と即効性に優れており、持続時間は3時間~6時間ほどあります。また、勃起力は強い部類であり、効果の高い薬です。食事の影響を受けにくいため、飲むタイミングを調整しやすく、副作用も出にくいです。
ザイデナ
ザイデナは、薬の中でも特にアジア人向けに作られた薬となります。また、先述した薬の良いところを集めたような特徴をもちます。勃起力は比較的強いタイプの薬であり、30分~1時間程度の時間で効果を得ることが可能です。持続時間は11時間~13時間ほどあります。食事の影響は受けにくく、副作用も出にくいため、安心して使いやすいです。
薬の副作用はある?
薬の種類をご紹介しましたが、服用するにあたって多くの方が気になるのが副作用です。この病気の治療薬にも副作用はあります。主な副作用は、次のようなものが挙げられます。
- 頭痛
- 顔のほてり
- 消化不良
- 動悸
- めまい
これらの副作用は、軽度で一過性のものがほとんどです。しかし、稀に症状が落ち着かず、長引く場合があります。また、非常に稀ですが、視神経症・突発性難聴といった重篤な副作用が現れることがあります。軽度な症状でも長引いたり、少しでも異変を感じたりした場合は、すぐに専門の医療機関を受診しましょう。
40代のED治療の注意点
先述したように、40代の場合には、男性ホルモンの低下を原因として発症する可能性があります。そのため、まず男性ホルモンの低下を抑える方法をとる必要があります。これは、食生活などでは抑えられません。最も効果のある方法は運動です。筋肉トレーニングなどを行うことで、男性ホルモン増加につながります。
さらに、睡眠も男性ホルモン低下に大きく影響のある要素です。深く眠っている際に成長ホルモンが分泌され、このホルモンが男性ホルモン分泌につながります。生活習慣病ということから食生活ばかりに気を取られがちですが、運動・睡眠に注目する必要があります。
EDの予防法・改善方法
予防・改善方法としては、食生活の注意と定期的な健康診断を受けることです。食生活に気をつけることで生活習慣病の発症・悪化を防げます。特に、先述したような発症を招く恐れのある食べ物を沢山食べていると、生活習慣病を悪化させて合併症を引き起こす場合があります。
最悪の場合、命にかかわるような合併症もあるため、注意が必要です。身体を健康に保つために、改善が見込める栄養素を摂取し、発症・悪化を防ぎましょう。生活習慣病を改善させられれば、予防・改善の両方に効果を発揮します。また、定期的に健康診断を受けることも重要です。健康診断を受ければ、早期発見・予防・治療を行えます。生活習慣病にかかっていることや予備軍であることなど、自分の健康状態を把握できればそれだけ早く予防・治療の対策を講じられるのです。
40代のEDの原因に関するよくあるQ&A
この病気は、個人差はありますが、年齢を重ねるにつれて発症するリスクが高まります。正しく予防を行うためには、原因・予防方法・薬の種類などをしっかりと把握することが大切です。ここでは、40代のEDの原因に関するよくあるQ&Aをご紹介します。
40代はEDになりやすいのでしょうか?
40代は、若い世代と比べると発症のリスクが高まる傾向です。40代は、20代・30代と比べると男性ホルモンの低下・生活習慣病の発症・動脈硬化の発症を招くリスクが高いです。そして、これらの病気がED発症を招きます。若いころであれば、男性ホルモンは十分に分泌されています。
適度な運動が行われ食生活が乱れていなければ、生活習慣病となるリスクも低いでしょう。血管もしなやかで十分な血流があるため、動脈硬化の心配も少ないです。しかし、40代となると加齢が影響してこれら全てのリスクが高まります。そのため、年齢を重ねるとEDの発症リスクは高まります。
どのタイミングで受診したら良いのでしょう?
十分な硬さが感じられない・パートナーとの性行為では勃起しないなど、些細なことであっても異変を感じた場合はすぐに受診した方が良いです。この病気は放置しておくと、さらに勃起しにくくなる・性的に興奮しないなどの悪化を招く可能性があります。
また、放置によって動脈硬化や生活習慣病などの他の病気が悪化する危険もあります。放っておくことでのリスクが非常に高いため、異変を感じた場合はできるだけ早く受診しましょう。
どの種類の薬でも必ず副作用は出ますか?
副作用が出にくい薬もあります。しかし、完全に出ない薬はないため、多少の副作用が生じる可能性は考慮しておきましょう。主な副作用は、頭痛・めまい・顔のほてり・消化不良などさまざまです。しかし、一過性のものがほとんどで、軽度で済む場合が多いです。薬によっても生じやすい副作用が異なるため、服用する場合はしっかりと理解しておきましょう。
編集部まとめ
EDは男性特有の病気です。そのなかでも、40代になるとさまざまな原因から発症のリスクが高まります。
しかし、決して防げない病気ではありません。発症・悪化を招かないためにも、予防・治療薬・改善方法など、しっかりと把握しておきましょう。
また、万が一異変を感じた場合は、すぐに専門の医療機関を受診しましょう。