「くしゃみが勢い良く出る」のはどうして?勢い良く出る人の特徴も医師が解説!

くしゃみが勢い良く出る仕組みとは?メディカルドック監修医が勢い良く出る人の特徴・小さくする方法などを解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
目次 -INDEX-
くしゃみが勢い良く出る仕組み

くしゃみ反射は、環境からの刺激に対する反応です。くしゃみで放出される飛沫の平均速度は秒速2〜5.4m程度という報告もあります。
ここでは、くしゃみが勢いよく出る仕組みや、その理由について解説します。
くしゃみは「防御反射」のひとつ
くしゃみは、鼻の中に入った異物や刺激物を体の外へ排出するために起こる生理的な反射です。ほこりや花粉、ウイルス、冷たい空気などが鼻粘膜を刺激すると、その情報が三叉神経を介して脳に伝わり、「異物を外に出せ」という指令が出されます。この指令により、呼吸筋や顔面の筋肉が一斉に働き、勢いのあるくしゃみが起こります。
つまり、くしゃみの勢いがすごいのは、体を守るために必要な反応ともいえます。
空気を一気に吐き出す構造がある
くしゃみでは、まず大きく息を吸い込み、その後、声門(のどの奥)が一瞬閉じます。その直後に声門が急激に開き、肺の中の空気が鼻と口から一気に放出されます。このとき、秒速数十メートルにもなる空気の流れが生じるとされており、これが「勢い良く出る」「すごい音がする」と感じる理由です。
空気の圧力が高いほど、くしゃみの勢いも強くなります。
刺激に対する過敏な反応
鼻粘膜に炎症がある場合や、鼻水・鼻づまりがある場合には、刺激に対して反応が過敏になりやすくなります。その結果、くしゃみが連続して出たり、1回あたりの勢いが強くなったりすることがあります。
アレルギー性鼻炎や風邪の初期などで「くしゃみがすごい」と感じるのは、このためと考えられます。
自律神経との関係
くしゃみは自律神経とも関係しています。副交感神経が優位な状態では、鼻粘膜の血管が拡張し、刺激に対して反応しやすくなります。起床直後や入浴後、リラックスしているときにくしゃみが出やすいのは、自律神経の影響と考えられます。
体格や肺活量の違い
肺活量が大きい人や、呼吸筋が発達している人では、くしゃみの際に吐き出される空気量も多くなります。そのため、くしゃみの勢いが強く、「音が大きい」「周囲が驚くほどすごい」と感じられることがあります。
くしゃみが勢い良く出る人の特徴

ここでは、どのような人でくしゃみが勢いよく出るのかについてみていきましょう。
アレルギー体質の人
花粉症やハウスダストアレルギーがある人は、鼻粘膜が慢性的に炎症を起こしやすく、刺激に対して過敏な状態になっています。そのため、少量の花粉やほこり、温度変化といった軽い刺激でも強いくしゃみ反射が誘発されやすく、勢いのあるくしゃみが出ることがあります。特にアレルギー症状が強い時期には、くしゃみが連続して出ることも珍しくありません。
鼻やのどが乾燥しやすい人
空気が乾燥すると、鼻粘膜のうるおいが失われ、防御機能が低下しやすくなります。その結果、外からの刺激を受けやすくなり、くしゃみ反射が強く起こることがあります。冬場やエアコンの効いた室内で、くしゃみの勢いが強くなると感じる人は少なくありません。特に水分摂取が不足している場合、乾燥の影響を受けやすくなります。
体力や肺活量が比較的ある人
肺活量が大きい人や、呼吸に関わる筋肉がしっかりしている人では、くしゃみの際に吐き出される空気量が多くなります。そのため、くしゃみの音が大きくなったり、勢いが強く感じられたりすることがあります。これは病気によるものではなく、体格や呼吸機能といった個人差による生理的な特徴と考えられます。
体がくしゃみを勢い良く出すのは何から守るため?

さて、くしゃみは何から体を守っているのでしょうか。くしゃみは単なる反射ではなく、呼吸器を外敵から守るための重要な防御反応です。ここでは、体がくしゃみを勢い良く出す主な理由について解説します。
気道・肺を異物・病原体から守る
くしゃみは、鼻腔に侵入した異物(ほこり・花粉・微粒子)や病原体(ウイルス・細菌など)を、勢い良く体外へ排出することで、気道や肺への侵入を防ぐ役割を担います。鼻粘膜は呼吸器の最前線に位置する防御壁であり、異物を感知すると即座に反応します。くしゃみによって異物を早期に排出できれば、気管や肺まで到達するリスクを下げることができます。
鼻腔・呼吸上部の組織を刺激から守る
鼻粘膜や副鼻腔、上気道(鼻腔・咽頭など)は、空気中の刺激物や温度変化に常にさらされています。くしゃみは、これらの組織を刺激物から守るための防御反射のひとつです。刺激物質を早い段階で外へ押し出すことで、粘膜へのダメージや炎症の悪化を防ぎ、鼻やのどの不快症状を軽減する働きがあります。
全身への炎症進展・感染拡大を防ぐ
鼻腔で起こった炎症や感染が、下気道や全身へ広がることを防ぐ意味でも、くしゃみは重要な役割を果たします。勢いのあるくしゃみによって病原体の量を減らすことは、体の免疫反応にかかる負担を軽くすることにつながります。結果として、感染症の重症化や長期化を防ぐ助けになると考えられています。
くしゃみの勢いを小さくする方法

くしゃみは、異物や病原体から身体を守るための大切な防御メカニズムです。そのため、無理にくしゃみを我慢すると、耳の違和感やめまい、場合によっては難聴など、健康への悪影響をもたらす可能性があると指摘されています。
一方で、会議中や公共の場などでは、大きなくしゃみが出ることをできるだけ避けたいと感じる場面もあるでしょう。ここでは、くしゃみを無理に抑え込まず、勢いを和らげるために役立つと考えられる方法を紹介します。
くしゃみを引き起こす誘因を避ける
花粉やほこり、ハウスダスト、香水などの強いにおいは、鼻粘膜を刺激し、くしゃみを誘発する要因となることがあります。また、香辛料を多く含む辛い食べ物も、鼻の感覚神経を刺激し、くしゃみが出やすくなることがあります。空気清浄機の使用やこまめな掃除によって室内環境を整えることで、刺激を減らし、くしゃみの勢いや頻度を抑えられる可能性があります。
鼻やのどの乾燥を防ぐ
空気が乾燥すると、鼻粘膜のバリア機能が低下し、刺激に対して過敏になりやすくなります。その結果、くしゃみが強く出やすくなることがあります。加湿器を使用して適度な湿度を保つことや、こまめな水分補給を心がけることは、鼻やのどの乾燥を防ぐうえで有効です。こうした対策により、くしゃみの頻度や勢いが和らぐことが期待できます。
我慢せず正しく出す
くしゃみを無理に止めると、耳やのど、胸部に強い圧がかかり、体に負担をかけるおそれがあります。そのため、くしゃみは我慢せず、正しく出すことが大切です。口と鼻をハンカチやマスク、あるいは肘の内側で覆い、周囲への配慮をしながら自然にくしゃみを出すことで、飛沫の拡散を抑えつつ、安全に対処することができます。
「くしゃみの勢い」についてよくある質問

ここまでくしゃみの勢いについて紹介しました。ここでは「くしゃみの勢い」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
マスクを着用せずにくしゃみを勢い良く出すと、周囲の人へ風邪や感染症を移すリスクは高まりますか?
木村 香菜(医師)
はい。くしゃみによって広がると考えられる感染症には、風邪やインフルエンザ、溶連菌感染症、RSウイルス、肺炎などがあります。くしゃみの勢いが強いほど、飛沫は遠くまで飛びやすくなります。風邪やインフルエンザなどの感染症は、飛沫を介して広がることがあるため、マスクの着用や咳エチケットを意識することが重要です。
まとめ
くしゃみが勢い良く出るのは、鼻に入った異物や病原体から体を守るための自然な防御反射です。アレルギーや乾燥、体格などによって「すごい」と感じるほど強く出ることもありますが、多くは心配のいらない生理現象です。一方で、周囲への配慮として咳エチケットを心がけることも大切です。くしゃみの仕組みを正しく理解し、必要以上に不安を感じないようにしましょう。
「くしゃみ」と関連する病気
「くしゃみ」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
耳鼻咽喉科系の病気
- アレルギー性鼻炎
- 副鼻腔炎(蓄膿症)
感染症
- かぜ症候群
- インフルエンザ
くしゃみは日常的によくみられる症状ですが、長引いたり強く出たりする場合には、背景に病気が隠れていることもあります。気になる症状があるときは、早めに医療機関へ相談しましょう。
「くしゃみ」と関連する症状
「くしゃみ」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 鼻水が出る
- 鼻づまりがある
- 目のかゆみや充血がある
くしゃみと一緒にどのような症状が出ているかを確認することで、アレルギーや感染症など原因の見当をつけやすくなります。
参考文献




