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「前立腺がん余命3ヶ月」の症状はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2025/09/29
「前立腺がん余命3ヶ月」の症状はご存知ですか?医師が徹底解説!
前立腺がん余命3ヶ月の症状とは?メディカルドック監修医が前立腺がん余命3ヶ月の症状・なりやすい人の特徴・原因・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
石川 智啓

監修医師
石川 智啓(医師)

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2013年名古屋大学医学部卒。初期研修修了後、JCHO中京病院泌尿器科、小牧市民病院泌尿器科、名古屋大学医学部附属病院泌尿器科を経て、現在水野内科クリニックで勤務。日本泌尿器科学会専門医、da Vinci Surgical System コンソールサージャン・サーティフィケートの資格を有する。

「前立腺がん」とは?

前立腺がんは、男性特有の臓器である前立腺に発生したがんです。 大半のケースではゆっくりと進行し、早期発見・早期治療によって治癒が見込めます。 しかしながら、なかにはリンパ節に転移したり、骨、肺、肝臓、脳などへの遠隔転移がみられたりするケースもあります。 今回の記事では、前立腺がん、特に進行した段階での症状や期待できる生存期間などについて解説します。

前立腺がん余命3ヶ月の症状

医師から余命3ヶ月程度の前立腺がんと告げられた場合、すでに前立腺がんそのものがかなり大きくなっていたり、遠隔転移がみられたりする状況が考えられます。 以下では、前立腺がんが進行した段階で現れる症状について解説します。

尿漏れ

前立腺がんそのものが大きくなることで、前立腺肥大症のような症状が出現することがあります。例えば、大きくなった前立腺が尿道を圧迫し、尿漏れや残尿感、頻尿などの症状が現れることがあります。これらの症状は、前立腺肥大などでも出現することがあるため、気になる場合には泌尿器科を受診するようにしましょう。

尿に血が混じる

前立腺がんが進行すると、尿に血が混じるといった症状が現れることがあります。 目で見て色の変化がわかるような肉眼的血尿、尿検査などでわかるレベルの顕微鏡的血尿があります。血尿は、前立腺がんの末期の段階でのみ現れる症状ではありません。しかし、膀胱炎や腎臓の病気、前立腺がんを含む悪性腫瘍の可能性もあります。そのため、血尿があると健康診断などで指摘された際や、尿の色が赤っぽい場合には、早めに腎臓内科や泌尿器科を受診しましょう。

腰の痛み

前立腺がんが骨に転移すると、その部分に痛みが生じることがあります。 頑固な腰痛がある際には、放置せずに医療機関での診察を受けるようにしましょう。

腕や脚の筋力低下

前立腺がんが腰の骨に転移し、脊髄などの神経にも影響が現れることがあります。その結果、腕や脚の筋力低下などの症状がみられるケースがあります。特に、前立腺がんは腰の骨や骨盤に転移しやすいため、下半身の筋力低下という症状が出現しやすいといえます。 筋力が低下する原因には、筋肉や神経の病気など、さまざまなものがあります。おかしいなと気づいた場合には、脳神経内科や整形外科などを受診するようにしましょう。

体重減少

がんが進行するにつれ、体重が減ることがあります。また、疲労感が強く現れるといった症状が現れることがあります。 特にBMI(Body mass index)が25kg /m2未満の肥満ではない方が、10%以上体重が減ってしまったという場合は要注意です。がん以外にも甲状腺の病気や糖尿病などが隠れていることもあります。医療機関を受診するようにしましょう。

前立腺がんステージ4の平均余命

前立腺がんのステージ4とは、リンパ節転移や骨、脳などに転移がみられる状態を指しています。 がん情報サービスが公開しているデータによれば、ステージ4の方の5年実測生存率は51.1%、5年ネットサバイバルは60.1%でした。 実測生存率は、がん以外による死亡も含めた生存率です。 ネットサバイバルは、実際にがんのみが死因となったと仮定し計算した数値です。 前立腺がんは、ステージごとに方針が定められています。 リンパ節転移や遠隔転移がみられるケースでは、内分泌療法(ホルモン療法)や細胞障害性抗がん薬などの投与が選択肢となります。 転移によって痛みなどの症状がある際には、放射線治療を行うこともあります。 完治は難しいかもしれませんが、こうした治療を組み合わせることで長期生存が見込める方もいます。定期的に検査を受け、きちんと治療を受けることが大切です。

前立腺がんの主な原因

前立腺がんのリスクとして、以下のようなものが考えられています。

家族歴

近親者に前立腺がんの方がいると、本人の前立腺がんリスクも高まると考えられています。 第一度近親者に3人以上の前立腺がん患者さんがいる場合、55歳以下で発症する若年発症リスクが約9倍に高まるとも報告されています。なお、第一度近親者は、兄弟や両親、子のことを指します。

遺伝的な要因

いくつかの遺伝子変異が前立腺がんの発症に関与していることが指摘されています。 がん抑制遺伝子や、DNA修復遺伝子などがあります。

肥満

後天的な要因の一つとして、肥満が挙げられます。 BMIが25kg /m2未満(非肥満)とBMIが30kg /m2以上(肥満)の男性の前立腺がんへの罹患リスクを調べた研究があります。結果、肥満男性は低リスクの前立腺がんのリスクは低い一方、高リスクの前立腺がんリスクが約80%増加すると示されました。

前立腺がんになりやすい人の特徴

前立腺がんの原因として考えられていることを踏まえ、以下の方は前立腺がんの発症リスクが高まる可能性があります。

家族に前立腺がんの方がいる

家族に前立腺がんの方がおり、特に人数が多いケースでは、前立腺がんを患うリスクが上昇するとされています。

太っている

肥満は、特に悪性度の高い前立腺がんの発症と前立腺がんによる死亡のリスクを高めると考えられています。 カロリーを摂りすぎない、適度に運動するなど、過体重にならないように気を付けましょう。

タバコを吸っている

喫煙本数や年数が多い男性は前立腺がんのリスクが上がることが報告されています。 海外の研究では、1日25本以上タバコを吸う方や、40年以上の喫煙歴がある方は、前立腺がんによる死亡リスクが高まるという報告もあります。

前立腺がんの予防法

前立腺がんの予防法として、確立されているものは現時点ではありません。しかし、以下のような点は、前立腺がんの発症リスクを下げることに寄与する可能性があります。

食事内容の見直し

多価不飽和脂肪酸を積極的に摂取することで、前立腺がんの発症リスクを下げる可能性が示唆されています。多価不飽和脂肪酸は魚類に多く含まれており、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)などが代表的です。 また、玄米やオートミールなどの全粒穀物や、緑黄色野菜、果物なども体内の炎症を抑える効果が期待できるとされています。日々の食事に、これらの食品を加えるようにしてみるとよいでしょう。

適度な運動

海外での研究で、50歳前半に積極的に運動に取り組む事で前立腺がんのリスクを減少させることが報告されています。 適切な運動は肥満の予防にも役立ちます。 どのような運動が良いかの決まりはありませんが、週に150分(約2時間半)、中強度の運動を目指すとよいでしょう。週5回、30分ずつでもよいので、早歩きやサイクリングなど、心拍数が上がるような運動をしてみましょう。

禁煙

タバコを吸っている方は禁煙をしましょう。今吸っていない方は始めないようにしてください。タバコは前立腺がんのみならず、多くのがんのリスク因子となります。ご自身のみの意志で止めることが難しい場合には、禁煙外来などの受診も検討してみましょう。

「前立腺がんの余命3ヶ月」についてよくある質問

ここまで前立腺がんの余命3ヶ月について紹介しました。ここでは「前立腺がんの余命3ヶ月」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

前立腺がんステージ4でも長生きできる人はいるのでしょうか?

石川 智啓石川 智啓 医師

前立腺がんステージ4の方の5年生存率は、約50から60%とされています。薬物治療などによって、がんの進行を抑え、症状を和らげることで長期生存が期待できる場合もあります。

編集部まとめ

今回の記事では、前立腺がんで余命3ヶ月、つまり進行した段階と考えられる場合に現れうる症状や、前立腺がんの原因、予防方法について解説しました。 家族歴や遺伝的な要因などは、ご自身の力では変えることが難しいです。しかし、肥満予防や禁煙など、可能な範囲で取り組むことが大切と考えられます。

「前立腺がん」と関連する病気

「前立腺がん」と関連する病気は5個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

泌尿器科の病気

これらの病気は、前立腺がんと同様の症状が現れることがあります。

「前立腺がん」と関連する症状

「前立腺がん」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

前立腺がんは早期の段階ではほとんど症状がない場合もありますが、進行すると上記のような症状が出現するケースがあります。

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