「悪性リンパ腫」の「初期症状にかゆみ」はある?医師が徹底解説!

悪性リンパ腫の初期症状にかゆみはある?Medical DOC監修医が悪性リンパ腫の初期症状・進行すると現れる症状・原因・検査法・治療法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
今村 英利(タイムルクリニック)
目次 -INDEX-
「悪性リンパ腫」とは?
悪性リンパ腫は白血球の中のリンパ球ががん化した血液がんです。悪性リンパ腫には、がん細胞の形態や性質により100種類以上の病気のタイプに分かれています。大きく分けると、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に別れ、日本では非ホジキンリンパ腫が9割以上を占めています。
悪性リンパ腫の初期症状にかゆみはある?
悪性リンパ腫の初期症状として、だるさや発熱、発汗、リンパ節の腫れなどがみられることが多いです。また、これらの症状以外にリンパ節や臓器に発生した悪性リンパ腫が皮膚に浸潤することで皮膚にかゆみや発疹、しこりがみられることがあります。皮膚の赤みや発疹、しこりが続く場合には悪性リンパ腫の可能性もあります。皮膚科で相談をしてみましょう。
悪性リンパ腫の前兆となる初期症状
リンパ節の腫れ
リンパ系の組織は、リンパ液が流れる「リンパ管」とそのリンパ管についている「リンパ節」という小さな組織から成り立っています。このリンパ管とリンパ節は全身にはり巡らされています。悪性リンパ腫では、このリンパ節の腫れ、しこりで気が付くことが多いです。リンパ節の腫れは全身に分布するため、リンパ節の腫れがどこにでも起こる可能性があります。首やわき、足の付け根などのリンパ節が外から触れやすく、気がつくことが多いです。一般的に、悪性リンパ腫のリンパ節の腫れは痛みを伴わないことが多いです。また、ゴムのような硬さがあるのが特徴です。
表面から触れづらい、おなかの中のリンパ節が腫れる場合もあります。この場合、しこりが大きくなって初めてお腹の張りとして気が付くこともあります。
発熱
悪性リンパ腫に伴い、発熱が持続する場合も少なくありません。時に発熱は38℃以上の高熱が持続することもあります。発熱の症状が持続する場合、早めに病院を受診しましょう。
発熱のみでは、症状の区別がつかず、他の病気の可能性もあります。発熱が持続する場合には、まず内科を受診すると良いでしょう。
発汗・寝汗
悪性リンパ腫の特徴的な症状として、発汗が挙げられます。暑くもないのに、発汗が起こったり、寝ている間に大量の汗をかくことで異常に気が付くこともあります。大量の発汗や寝汗に気がついたときにはまず内科を受診して相談をしてみましょう。
悪性リンパ腫が進行すると現れる症状
体重減少
悪性リンパ腫の症状が進行すると、特に食事制限をしているわけではないのに体重が減少することも少なくありません。悪性リンパ腫に限らず、悪性疾患の合併がある場合、がんによりエネルギーが消費され食事がとれていても体重が減ってしまうこともあります。悪性リンパ腫で体重減少が起こることもありますが、そのほかのがんや甲状腺疾患の可能性もあるため気になる症状がある場合には、まず内科で相談をしてみましょう。
食欲不振
悪性リンパ腫が進行すると、食欲がなくなることもあります。また、悪性リンパ腫が胃にできた場合には食欲不振が起こりやすいです。そのほかにも腹腔内のリンパ節や小腸、大腸に悪性リンパ腫が発生し、大きくなるとおなかの張った感じや圧迫感が起こることもあります。また、便秘となり、さらに進行すると腸閉塞を起こし食べられなくなることも考えられます。悪性リンパ腫でなくとも、食欲不振が持続する場合には何か病気が隠れている可能性が高いです。症状が持続する場合には、内科・消化器内科を受診し、相談をしてみましょう。
倦怠感
悪性リンパ腫が進行すると、発熱が持続したり、がんにより体力が消耗されることで体のだるさが続きます。体のだるさが持続する場合には早めに医療機関を受診して相談をしましょう。
貧血
悪性リンパ腫が進行し、骨髄に広がると赤血球がつくられにくくなり貧血が起こることもあります。また、悪性リンパ腫の治療の経過中にも治療の副作用として骨髄抑制があり、貧血が起こることも少なくありません。貧血が進行すると、動悸やむくみ、立ち眩みなどさまざまな症状がみられます。また、貧血が重度となると心不全を合併することもあり注意が必要です。
感染症
悪性リンパ腫はリンパ球ががん化する病気です。正常な免疫機能が損なわれ、感染症に対する防御ができなくなります。このため、感染症が起こりやすくなり、重症化することもあります。また、薬物療法や放射線療法の治療による副作用によって、白血球数が減少し感染症にかかりやすくなることも少なくありません。悪性リンパ腫と診断されたり、治療中の場合には普段から感染症に気を付けて過ごしましょう。
悪性リンパ腫の主な原因
悪性リンパ腫の原因に関しては、いまのところ明らかになっていません。しかし、一部の悪性リンパ腫の原因として判明しているものについて解説いたします。
ウイルス感染
悪性リンパ腫の中で成人T細胞白血病リンパ腫の原因は、HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)ウイルスの感染が原因となって起こると考えられています。HTLV-1に感染したリンパ球のT細胞ががん化し増殖して発症します。HTLV-1は母乳による母子感染や性行為により感染します。九州を中心に感染者が多いですが、転居などで都市部でも感染者がみられます。ウイルス感染者がすべて発病するわけではありませんが、一旦発病すると治療は難渋することが多く注意が必要です。まず、ウイルスの感染を予防することが非常に重要です。
遺伝子変異
悪性リンパ腫の一部の発症要因は遺伝子変異であると報告されています。BRCA1、BRCA2、ATM、TP53の病的変異が悪性リンパ腫の発症のリスクに関連していると報告されています。今後、原因遺伝子が解明されることで悪性リンパ腫の診断や治療が改善することが期待されます。
悪性リンパ腫の検査法
リンパ節生検
リンパ節が腫れている場合、その原因が何かを調べるために行うのがリンパ節生検です。局所麻酔をし、腫れているリンパ節の一部、もしくはリンパ節ごと取り出し、顕微鏡で観察をします。感染症などの炎症なのか、がんなのかを診断をします。また、がんの種類についても判別できることが多いです。
画像検査(CT・MRI・PET-CT)
リンパ節や脾臓の腫れがどこにあるのか、どこまで広がっているのかを調べる検査です。この検査により悪性リンパ腫の広がりが分かり、悪性リンパ腫の病期(ステージ)が分かります。病期が決定すると、今後の治療方針が決定されます。
骨髄検査
腰の骨や胸の中央にある骨に針を刺して、骨の中の骨髄組織を採取する検査です。採取する方法として、注射器で骨髄液を採取する骨髄穿刺と特殊な太い針を骨髄に刺して骨髄組織の一部を採取する骨髄生検があります。この採取した骨髄を顕微鏡で観察することで、悪性リンパ腫が骨髄に広がっているかを調べることができます。
悪性リンパ腫の治療法
悪性リンパ腫の治療は、そのリンパ腫のタイプにより標準の治療は異なります。治療法には薬物療法、放射線療法、造血幹細胞移植などがあります。また、中には進行が遅いリンパ腫ではすぐに治療せず経過観察をすることもあるため、詳しくは主治医に確認をしましょう。
薬物療法
悪性リンパ腫は複数の抗がん剤やステロイド剤などを組み合わせて治療を行います。また、近年は抗体薬を用いた治療も可能となりました。どのような薬を使用するかなどは、悪性リンパ腫のタイプやご自身の状態により異なります。ご自身の治療については、主治医によく確認をしましょう。また、場合により外来での治療が可能であることもあります。
放射線療法
悪性リンパ腫が1か所、あるいは限局している場合に放射線療法が有効です。病変部に放射線を当ててがんを死滅させることを目指します。正常な細胞へのダメージを最低限とするために、少量づつ週に3〜5回、何週かにわたり治療を行います。放射線療法単独、もしくは薬物療法と併用で行われます。また、痛みを軽減する目的で放射線療法を行うこともあります。
造血幹細胞移植
リンパ腫のタイプで中高悪性度の悪性リンパ腫であり、年齢や病状から強力多剤併用化学療法に耐えられる状態であれば、造血幹細胞移植を目指して化学療法を行うこともあります。造血幹細胞移植の適応などは、悪性リンパ腫のタイプやご自身の病状により異なりますので主治医と相談をしましょう。
すぐに病院へ行くべき「悪性リンパ腫の初期症状」
ここまでは悪性リンパ腫の初期症状などを紹介してきました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
リンパ節が腫れ、硬く、痛くない症状の場合は、血液内科へ
悪性リンパ腫の症状として、一番よくみられるものはリンパ節の腫脹です。リンパ節が腫れてきて、そのリンパ節がゴムのように固く痛みがない症状の場合には悪性リンパ腫の可能性があります。専門は血液内科です。まずは、内科で相談をしてみても良いでしょう。
受診・予防の目安となる「悪性リンパ腫」のセルフチェック法
・痛みのないリンパ節の腫脹の症状がある場合
・発熱が1週間以上つづく症状がある場合
・異常な発汗、寝汗が続く症状がある場合
・意図しない体重減少がある場合
このような症状がある場合、まずは内科もしくは血液内科を受診しましょう。
「悪性リンパ腫の初期症状とかゆみ」についてよくある質問
ここまで悪性リンパ腫の初期症状とかゆみなどを紹介しました。ここでは「悪性リンパ腫の初期症状とかゆみ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
悪性リンパ腫の寿命はどれくらいでしょうか?
今村 英利 医師
悪性リンパ腫全体の5年生存率は男性で86.9%、女性で87.1%と報告されています。しかし、悪性リンパ腫はタイプにより悪性度は異なります。そのため、生存率に関しても、リンパ腫のタイプにより異なります。ご自身の今後のことを考える際には、主治医とよく相談することをお勧めします。
まとめ
皮膚のかゆみや発赤が悪性リンパ腫の症状かも?気になる場合には皮膚科に相談しよう
悪性リンパ腫の初期症状としてよくみられるものは、リンパ節の腫脹、大量の寝汗、原因不明の発熱の持続、原因不明の体重減少などです。しかし、そのほかにも皮膚のかゆみや発赤などの症状が起こることもあります。思ってもみない症状が悪性リンパ腫と関連していることもあります。気になる症状がある場合には、まず内科・皮膚科を受診して相談をしましょう。
「悪性リンパ腫」と関連する病気
「悪性リンパ腫」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
これらの血液疾患は症状が似ており、なかなか区別がつきづらいです。血液検査で異常を指摘されたら、内科・血液内科を受診して相談しましょう。
「悪性リンパ腫」と関連する症状
「悪性リンパ腫」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
これらの症状は悪性リンパ腫でよくみられる症状です。しかし、ほかの病気でもみられるため症状のみでは区別がつきづらいです。気になる症状がみられた場合には内科・血液内科を受診しましょう。




