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「喉頭がんの好発年齢」はご存知ですか?症状や予防法も解説!【医師監修】

 公開日:2024/12/08
「喉頭がんの好発年齢」はご存知ですか?症状や予防法も解説!【医師監修】

「喉頭がんは年齢と関係があるのか」と気になっていませんか?

喉頭がんは60代を中心に発症しやすい病気ですが、近年では若い年代でも発症するケースが増えています。

喫煙や飲酒などの生活習慣もリスクに関わるため、早めに症状を理解して対策しましょう。

この記事では、喉頭がんの好発年齢や症状、予防法について詳しく解説します。ぜひ、ご自身の健康管理に役立ててみてはいかがでしょうか。

山本 康博

監修医師
山本 康博(MYメディカルクリニック横浜みなとみらい)

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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい院長
東京大学医学部医学科卒業 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医 日本内科学会認定総合内科専門医

喉頭がんとは?

喉頭がんは、声を出す器官である喉頭(こうとう)にできるがんです。
喉には食べ物が通る咽頭(いんとう)と、空気が通る喉頭があり、咽頭にできる咽頭がんもあります。中高年の方に多く見られ、声がれや喉の違和感などの症状が特徴です。
喉頭がんは喉の表面を覆う粘膜細胞が、異常に増え続けることで発生します。通常、細胞は必要に応じて増えたり減ったりしますが、このがんでは細胞の増殖が止まりません。その結果、がん組織が形成され、周囲の正常な細胞に悪影響を及ぼします。
喫煙の習慣や過度の飲酒が喉頭がんのリスクを高めるとされ、まれに若い世代でも発症する可能性があるため注意が必要です。ある程度進行するまで症状がなく気付きにくい咽頭がんと異なり、喉頭がんは早期から喉の違和感や声のかすれなどの症状があります。
おかしいなと感じたら、早めに医療機関を受診して早期発見に努めましょう。

喉頭がんの好発年齢

喉頭がんの発症には、特定の年代に集中する傾向があります。生活習慣や年齢で発症する割合が大きく変わるため、発症しやすい年齢層やそのリスクを把握しておきましょう。
発症が多い年齢層とその背景は、次のとおりです。

  • 60代がピーク
  • 若年層の発症は稀
  • 男性の発症リスクが高い

それぞれ詳しく解説します。

60代がピーク

喉頭がんの発症は、60代がピークとされています。喫煙の習慣や過度の飲酒が長期間にわたって喉頭に影響を与え、細胞に異常をもたらし、喉頭がんを発症しやすくなるのです。
また、加齢による免疫機能の低下も、がんの発症に関連していると考えられます。特に喉頭がんの発症率が高い60代は、喉や声の異常に気を付けるようにしましょう。

若年層の発症は稀

喉頭がんは、60代がピークであり、若年層での発症は大変稀です。喫煙や過度の飲酒といった生活習慣が関係しているケースもあるものの、20〜30歳の若い世代で発症することは滅多にありません。
ただし、万一のために健康診断などで異常を感じた場合は、早期に医師に相談することが大切です。

男性の発症リスクが高い

喉頭がんは、女性に比べて男性の発症リスクが高いとされており、男女比は10:1です。
特に、喫煙や飲酒の習慣がある男性では、発症リスクがさらに高まる傾向が見られます。これは、喉頭がタバコやアルコールによる刺激を受け続けることで、がん細胞が発生しやすくなるためです。
喉頭がんのリスクを減らすためには、日常生活での予防が重要です。

喉頭がんの症状

喉頭がんは、初期段階で症状が現れやすいがんです。声のかすれや喉の違和感など、日常生活に影響を与える症状のため、早期に気付ける可能性があります。
喉頭がんの代表的な症状は、次のとおりです。

  • 喉の違和感
  • 出血
  • ざらざらした声のかすれ
  • 息苦しく感じる

それぞれの症状について詳しく説明します。

喉の違和感

喉頭がんの初期症状の一つは、喉に異物があるような違和感です。
この違和感は、食事や飲み込みの際に特に感じやすく、軽い痛みや圧迫感として現れることもあります。
喉が詰まるような感じが続く場合や、飲み込みにくさがある場合は、喉頭がんの可能性もあるため早めに医師の診察を受けましょう。

出血

喉頭がんの症状の一つに、出血が挙げられます。
がんが進行すると、喉頭の粘膜や周囲の組織が損傷しやすくなり、わずかな刺激で出血が生じることがあります。
初期には気づかないことも多いですが、進行するにつれて、痰や唾液に血が混じることが増えるのが特徴です。

ざらざらした声のかすれ

喉頭がんで代表的な症状の一つが、声のかすれです。ざらざらした声になり、これが数週間以上続く場合は、単なる喉の使いすぎではない可能性があります。
特に、喫煙や飲酒の習慣がある方は声の変化を気にするようにして、長期間続く場合には医師の検査を受けましょう。

息苦しく感じる

喉頭がんが進行すると、腫瘍が喉頭を圧迫するため、息苦しさを感じることがあります。
呼吸がしにくくなり、軽い運動でも息切れが生じる場合は、がんによる喉頭の圧迫の可能性があります。
日常生活にも支障をきたすため、息苦しさを感じたらできるだけ早く医師の診察を受けましょう。
 

喉頭がんのリスクを減らすための予防法

喉頭がんは、生活習慣と密接に関連しているがんの一つです。喫煙や飲酒などの習慣がリスクを高めるため、日常生活でも意識して予防しましょう。
喉頭がんのリスクを減らすための具体的な予防法は、次のとおりです。

  • 若いときから禁煙を心がける
  • 飲酒はほどほどに行う
  • 口腔ケアに意識して取り組む

それぞれ詳しく解説します。

若いときから禁煙を心がける

喉頭がんの大きなリスク要因は喫煙です。タバコに含まれる有害物質が、喉の粘膜に長期間影響を与えることで、がんが発生しやすくなります。
喉頭がんを予防するためには、若い段階での禁煙が効果的です。
すでに喫煙習慣がある方も、できるだけ早く禁煙に取り組みましょう。

飲酒はほどほどにする

過度な飲酒も、喉頭がんのリスクを高める要因の一つです。
アルコールは、喉の粘膜にダメージを与えやすく、がんの発症リスクを上昇させます。特に、喫煙と飲酒の併用により、リスクが倍増することが知られています。
健康を守るためには、飲酒の頻度や量を制限し、ほどほどに楽しみましょう。
節度を守り、喉への負担を軽減することが予防につながります。

口腔ケアに意識して取り組む

口腔ケア自体は喉頭がんの直接的な予防法ではありませんが、口腔内の健康を保つことは間接的にリスクを減らす可能性があります。
口腔内が不潔だと、歯周病などの口腔内疾患によって全身の健康に影響を与えかねません。日々の歯磨きや定期的な歯科検診を通じて、口腔内を清潔に保つことが大切です。
口腔内の健康の維持は、全身の免疫力を高め、がんのリスクも下げられます。

喉頭がんの年齢についてよくある質問

ここまで喉頭がんの好発年齢などを紹介しました。ここでは「喉頭がん」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

生活習慣が悪いと若くても発症しますか?

山本 康博医師山本 康博(医師)

喫煙や過度な飲酒などの生活習慣があると、若い年齢でも発症しかねません。若い頃からの喫煙や過度な飲酒は喉頭の粘膜にダメージを与え続け、リスクを蓄積します。できるだけ早く生活習慣を見直し、発症のリスクを下げましょう。

喉頭がんは若いほど寛解しやすいでしょうか?

山本 康博医師山本 康博(医師)

一般的に若い方が治療効果が高いとされています。体力や免疫力が強く、治療への反応もよいためです。ただし、若年層は自覚症状がないと診察を受ける機会が少ないため、がんの発見時にはある程度進行しており寛解が困難な場合もあります。そのため、早期発見と治療が重要です。

編集部まとめ

喉頭がんは生活習慣や年齢に深く関連するがんであり、喫煙や飲酒は大きなリスク要因です。

60代を中心に発症しやすいですが、若年層でも生活習慣によっては発症する可能性があります。

初期症状は、声のかすれや喉の違和感が現れやすいため、これらの症状が続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。

予防には、禁煙や適度な飲酒、健康的な生活習慣が大切です。また、定期的に医師の診察を受けると、早期発見と完治につながりやすくなります。

喉頭がんのリスクを理解し、生活習慣を見直して健康な生活を保ちましょう。

喉頭がんと関連する病気

「喉頭がん」と関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

喉頭がんと同様に、咽頭がんも喫煙や飲酒が主なリスク要因です。初期症状が似ているため、喉の異常が続く場合には早めの診察が必要です。
食道がんも、喫煙や飲酒がリスクを高めます。
また、喫煙は肺がんの直接的な原因です。喉頭がんの患者さんの肺がん併発も多く見られるので、早期の禁煙を検討しましょう。

喉頭がんと関連する症状

「喉頭がん」と関連する病気は4個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 喉の違和感
  • 声のかすれ
  • 飲み込みにくさ
  • 息苦しさ

喉頭がんの初期は、喉に異物があるような違和感や声のかすれが続くことがあります。
また、腫瘍が大きくなることで飲み込みにくさや息苦しさがあるのも特徴です。これらの症状が続く場合は、早期に医師の診断を受けましょう。

この記事の監修医師