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「肺がん」は”ステージ4でも完治”できる?ステージ4の症状と治療法も医師が解説!

 公開日:2026/01/12
「肺がん」は”ステージ4でも完治”できるのか?ステージ4の症状と治療法も医師が解説!

肺がんは初期症状があまりなく、気付いたときには転移などを起こし、かなり進行してしまっているということは少なくありません。

病気が進行してしまっている程、外科的治療の選択肢が少なくなり、延命目的の内科的治療しか選択肢にない場合があります。

完治を目的としている外科的治療を行えるかどうかは、生存率に大きく関わってくるでしょう。

今回は、肺がんのステージ4について、治療方法や症状に触れながら解説します。

松本 学

監修医師
松本 学(きだ呼吸器・リハビリクリニック)

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兵庫医科大学医学部卒業 。専門は呼吸器外科・内科・呼吸器リハビリテーション科。現在は「きだ呼吸器・リハビリクリニック」院長。日本外科学会専門医。日本医師会認定産業医。

肺がんとは

肺がんは肺胞や末梢気道、気管支から発生する病気で、肺がんはその総称です。発生する原因は完全には解明されていませんが、喫煙やアスベストなどがリスク因子であることが報告されています。
肺がんは組織型によって以下の4つに分類されます。

  • 小細胞がん
  • 扁平上皮がん
  • 腺がん
  • 大細胞がん

肺がんが肺の末梢部位に発生した場合、早期には無症状で経過しますが、進行してくると咳や血痰が発生します。
早期段階で無症状で進行するため、早期発見・早期治療が難しい点が、がん治療において厄介といえるでしょう。
進行度合いはステージで評価され、ステージ4に進行すると予後が悪いとされます。できるだけ早期の段階で治療を行うことが、肺がん治療では重要です。

肺がんのステージ4は完治する?

肺がんのステージ4では、手術などの外科的治療を行うことはせず、化学療法や放射線治療などの内科的治療が中心になります。内科的治療は生存期間を延長させることを目的としているため、完治することは難しいでしょう。
ここでは、そのような肺がんの種類やステージごとの生存率について解説します。

小細胞肺がんと非小細胞肺がんの違い

肺がんは、小細胞がんと非小細胞肺がんに大別することができます。非小細胞肺がんは、扁平上皮がん・腺がん・大細胞肺がんの総称です。
小細胞肺がんと非小細胞肺がんでは、治療方法が大きく違ってきます。小細胞肺がんでは非小細胞肺がんよりも手術を選択することが少なく、化学療法や放射線治療を組み合わせながら治療を行います。
一方、非小細胞肺がんはステージ4以外では手術を選択することがありますが、ステージ4では内科的治療が中心になるでしょう。

5年生存率

5年生存率とは、病気と診断された患者さんが5年後に何%の確率で生存しているかを示す値です。
がんの研究では、5年間生存した場合そのがんは治癒したと考えられています。2013年から2014年の診断では、肺がんのステージ4の5年生存率(相対生存率)は6.4%となっています。

ステージ4の余命

肺がんのステージ4の患者さんの余命がどの程度かは一概にはいえません。これは、診断された患者さんの健康状態や治療内容によって、余命は変わってくるからです。ただし、5年生存率のデータより、1年から2年程が平均的な余命だと予想されます。

肺がんのステージ4の治療法

肺がんのステージ4では組織型に関わらず、化学療法と放射線療法を組み合わせた治療が選択されます。
化学療法では患者さんが副作用に耐えられるだけの体力があるかどうかも、抗がん剤を継続して投与するうえで重要になるでしょう。抗がん剤の副作用が強すぎると、逆に寿命を縮めてしまう場合もあります。
ここでは、肺がんのステージ4での治療法について解説します。

放射線療法

放射線療法は、肺がんによる症状の抑制や疼痛の緩和目的に使用されます。化学療法と組み合わせながら治療を進めていく場合があり、その際は化学療法と放射線療法どちらの副作用も気にしておく必要があるでしょう。

化学療法

化学療法で使用する抗がん剤の種類は以下の3つです。

  • 殺細胞性抗がん剤
  • 分子標的薬
  • 免疫チェックポイント阻害剤

殺細胞性抗がん剤は、がんを直接攻撃する薬のことを指します。
分子標的薬は特定の遺伝子やタンパク質を標的として、がん細胞の分裂や増殖を抑制させる抗がん剤です。肺がんの種類によって特定の遺伝子変異の有無が報告されており、がん治療では有効な治療手段の一つで、単独で使用する場合と殺細胞性抗がん剤と併用しながら治療をする場合もあります。
免疫チェックポイント阻害剤は、身体の免疫システムを活性化させて、免疫によってがんの増殖を抑制させる治療方法です。こちらも分子標的薬と同様に、単独で治療する場合と殺細胞性抗がん剤と併用しながら治療をする場合があります。

光免疫療法

光免疫療法は光療法と免疫療法を組み合わせた治療法です。まず、光療法によってがん細胞に光感受性物質を集積させた後、体表面に近赤外線を照射することによってがん細胞を攻撃します。
こうすることによって、がん細胞が傷つき、抗原を発出させることができます。抗原が体内で発出された状態で、免疫チェックポイント阻害剤を使用すると免疫がよりがん細胞を攻撃しやすくなり、がん細胞の死滅に導くことができるでしょう。

肺がんのステージ4の症状

胸膜やリンパ節に転移しているため、息苦しさや咳など呼吸器系の症状が中心に現れます。また、肺がんのステージ4では肺以外の臓器に転移している場合が多く、転移先の臓器による症状も現れるでしょう。
ここでは、そのようなステージ4の肺がんの症状について解説します。

持続的な咳

肺がんでは、咳が末梢部位、中枢部位のどちらの部位で発生しても持続的に続きます。末梢部位では早期には無症状のことが多いですが、進行すると咳が現れます。

喀血

喀血は咳とともに血液を吐き出すことで、中枢型の早期からよく現れる症状です。喀血は日常生活ではなかなか現れない症状のため、身体の異常をすぐに察知しやすい症状といえるでしょう。
このような症状が現れた際は、すぐに受診することをおすすめします。

息切れ

中枢型が末梢の気道を閉鎖してしまう場合があり、そのとき、吸った空気が肺胞に届きづらくなり、息苦しさを感じることがあります。

体重減少

肺がんのステージ4では食欲不振や悪心嘔吐のような消化器系の症状も伴います。これにより、1日に必要な食事量を確保できず、体重減少が起こりやすくなるでしょう。

疲労感

呼吸状態や食事摂取量が減ってくるため、体力がどんどん削られていき疲労感を伴うことも少なくありません。そのような場合は無理せずに、安静に過ごすことが大切です。

肺がんのステージ4の完治についてよくある質問

ここまで肺がんのステージ4の症状や治療方法について紹介しました。ここでは「肺がんのステージ4」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

肺がん治療後の療養について教えてください。

身体の調子をみながら散歩や軽い運動などを行っても問題ありません。ただし、急な運動や作業をする場合は、息切れのような症状が強く出る場合もあるでしょう。担当医師とどの程度の生活が可能か、事前に相談することが重要です。

肺がんの再発率はどのくらいでしょうか?

肺がんの再発は、2年以内に起こることが多いです。しかし、5年以上再発しなければ、その後の再発率は大幅に低下するとされています。

編集部まとめ

今回、肺がんのステージ4になったときの治療方法や症状について解説しました。

ステージ4では手術といった外科的治療を選択できるケースが少なく、延命治療を目的とした内科的治療がメインになります。

ステージ4の段階で5年生存率が低いことから、完治することは難しいということがわかるでしょう。

そのため、早期発見・早期治療を行い、早期の段階で対処を行うことが生存率を上げることにもつながります。

今回紹介した症状がある方は、早めに近くの病院で受診して医師に相談することが大切です。

肺がんと関連する病気

「肺がん」と関連する病気は3つ程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気

これらはびまん性肺疾患に属し、肺がんと同様に咳や呼吸困難を伴います。それぞれの疾患の治療方法は異なるため、呼吸器系の症状で異常を感じている場合は早期に受診することが大切です。

肺がんと関連する症状

「肺がん」と関連する症状は4つ程あります。
各症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 時間帯や季節性に関係のない咳や血痰
  • 体重減少
  • 呼吸困難感

がん以外のほかの呼吸器疾患で、上記の症状に当てはまるものはありますが、肺がんではこれらの症状が現れます。このなかでも胸痛は特徴的です。これらの症状以外に、肺がんの発生場所や種類によってさまざまな症状が伴います。

この記事の監修医師