小倉さん

私はこれまで9年間がんと付き合ってきました。最初は膀胱がんが発覚して肺の転移も経験し、最近では腎盂がんも見つかり去年の12月に左の腎臓を摘出しています。

小倉さん

はい。腎臓を摘出し検査した結果、進行する可能性が高く「余命は1年半、3年生きる確率は8%」だと言われました。

小倉さん

免疫チェックポイント阻害薬を投与しながら経過を見ています。

小倉さん

4回目の投与あたりから腎臓の数値が急激に下がり、一昨年には命が危ない状況も経験しました。

小倉さん

はい。今は右の腎臓しか残っておらず、人工透析も覚悟するよう言われています。

小倉さん

尿に赤い唐辛子みたいなものが浮いているのを発見したことがきっかけです。それをホームドクターに相談し細胞診をした結果、膀胱がんの可能性が高いと言われました。

小倉さん

番組でがんの特集などもやってきて、2人に1人はがんになる時代なので、そんなにショックは受けませんでした。

小倉さん

膀胱の摘出を勧められましたが、すぐには摘出せず、診断を受けた病院とは別のクリニックで海外から輸入した点滴での治療を始めました。

小倉さん

ある日、当時出演していた番組の開始直前に便器を真っ赤にするくらいの血尿がありました。さすがに手術を決意しました。

小倉さん

男としての未練がありましたね。膀胱を摘出する際に前立腺や精嚢も取ることで性機能が低下することを知っていたので、それを温存したいと思ったからです。

小倉さん

膀胱がんは肺がんなどと比べて書籍での情報も少ないので、SNSやネットの情報を信じて2年半もの間、摘出手術を先延ばししたことが大きな間違いでした。

小倉さん

そう思います。膀胱がんの初期症状についても教えてください。

小倉さん

痛みで気づくこともありますか？

小倉さん

がんは、よほどタチが悪くないと症状もありませんよね。それが発見を遅らせる原因になると感じます。膀胱がんの治療法についてはいかがですか？

小倉さん

私は最終的に膀胱を全て摘出し、代用膀胱を作りました。60cmくらいに切った小腸が膀胱の代わりとしてお腹に入っています。

小倉さん

ゴルフでお風呂に入ることもあるので、見た目も考えて自然に排尿できる方法を選びました。

小倉さん

尿意を感じないことや尿漏れで悩んでいます。初めのうちは椅子から立ち上がった時やゴルフのショットをした時に、気付いたらズボンが濡れていることもありました。

小倉さん

男性用トイレにはサニタリーボックスがなく、オムツの捨て場所にも苦労します。それを番組や新聞で伝えてもらった結果なのか、サニタリーボックスのある男性用トイレが増えてきて「やったぜ」と思いました。

小倉さん

当事者が積極的に発信することは大切だと思います。治療についても最終的には患者が決めるわけなので、理解を深めていくことが大切ですよね。

小倉さん

正しい知識を身につけることが大切ですね。