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「大腸ポリープの検査」はどんなことをするの?症状・原因についても解説!

 公開日:2024/09/30
「大腸ポリープの検査」はどんなことをするの?症状・原因についても解説!

大腸ポリープが小さいうちは、自覚症状がほとんどないといわれています。しかし、大きくなったりがん化したりすると、便潜血検査が陽性になったり、血便が出たり、便が少ししか出なかったり、腸閉塞の症状が出たりすることもあります。
大腸にポリープができる原因は何なのでしょうか?また、大腸にポリープができた場合は、どうすればよいのでしょうか?

本記事では大腸ポリープの検査方法について、以下の点を中心にご紹介します。

  • ・大腸ポリープとは
  • ・大腸ポリープの検査方法
  • ・大腸ポリープの治療方法

大腸ポリープや検査方法について理解するためにも、ご参考頂けましたら幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

大腸ポリープについて

大腸ポリープは大腸の粘膜が隆起したもので、腫瘍性と非腫瘍性があります。
腫瘍性ポリープは大腸がんに進行する可能性があり、早期発見と治療が重要です。

大腸ポリープは巨大化すると、便の通過障害を引き起こすことがあります。
大腸ポリープの診断には便潜血検査や内視鏡検査が用いられ、内視鏡的手術による治療が行われます。早期発見のため、定期的な検査を受けることが推奨されます。

大腸ポリープが発症する原因

大腸ポリープが発症する原因は何でしょうか?以下で解説します。

生活習慣によるもの

大腸ポリープの発症は、生活習慣が影響するとされています。
例えば食生活では、牛肉や豚肉、ソーセージやハムなどの加工肉の過剰摂取は、リスクを高める要因になります。これらの食品には発がん性物質が含まれる場合があり、腸内環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
喫煙や飲酒もリスクを増加させる要因です。

持病によるもの

炎症性腸疾患(IBD)である潰瘍性大腸炎やクローン病なども、大腸ポリープの発症に影響します。これらの病気は腸内の慢性的な炎症を引き起こし、結果としてポリープが形成されることがあります。
糖尿病や肥満などの代謝性疾患も原因となり得ます。

遺伝子の異常によるもの

大腸ポリープが発症する原因には、遺伝子も関係しているのでしょうか?
以下で解説します。

①APC遺伝子

APC遺伝子に異常が生じると、ポリープ(大腸腺腫)の発生と、大腸がんへの進展を早める可能性があるといわれています。また、家族性大腸腺腫症(FAP)の原因となり得ます。
家族性大腸腺腫症は、100個以上の腺腫性ポリープが、結腸および直腸の一面を覆うように生じる疾患です。
APC遺伝子遺伝子は細胞のがん化を抑制しますが、変異が起こると機能が失われ、ポリープが多数形成されやすくなります。
家族性大腸腺腫症は遺伝性疾患で、親から子へ、約50%の確率で遺伝するとされています。

②K-ras遺伝子

K-ras遺伝子の変異も大腸ポリープの形成に関与しています。この遺伝子は細胞の増殖と分化を調節し、変異が生じると異常な細胞増殖が促進されます。
K-ras遺伝子の変異は腺腫性ポリープの進行に影響し、悪性化のリスクを高める場合があります。

③p53遺伝子

p53遺伝子は、細胞のDNA修復とアポトーシス(細胞死)を制御する重要な遺伝子です。
変異が起こると腫瘍抑制機能が失われ、大腸ポリープががん化するリスクが高くなる可能性があります。

大腸ポリープの症状

大腸ポリープは初期段階では症状が現れない傾向にありますが、大きくなると便に血が混じる血便や、便が細くなることがあります。肛門から血が出る場合もあります。
さらにポリープが大きくなると腸管が狭くなり、腹痛や腹部の膨満感を引き起こすことがあります。

これらの症状がでている場合は、早期に医療機関での検査を受けることが重要です。

大腸ポリープの検査方法

大腸ポリープの検査方法にはどのようなものがあるのでしょうか?代表的なものを紹介します。

便潜血検査

便潜血検査は、大腸ポリープや大腸がんの早期発見に役立つスクリーニング検査です。便中に血液が混じっているかを確認し、肉眼では見えない微量の血液を検出します。便の一部を検査キットに採取し、検査機関に送付します。

便潜血検査は感度が高いとされ、大腸がんの発見に役立ちますが、出血していないポリープやがんは検出できないことがあります。
陽性反応が出た場合は、さらに詳しい検査が必要です。

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査は、大腸ポリープや大腸がんを直接観察し診断する方法です。内視鏡を用いて直腸から大腸全体を観察します。大腸ポリープの組織をその場で採取したり、切除したりもできます。

大腸内視鏡検査は主に鎮静剤を使用して行われ、ポリープの大きさや形、位置を詳細に把握できるため、検査後の治療方針を立てる際に役立ちます。

その他

ほかにも、大腸CT検査や大腸カプセル内視鏡検査などの方法もあります。

大腸CT検査(CTコロノグラフィ)は、CTスキャンを用いて大腸の画像を取得し、ポリープや腫瘍の有無を確認する方法です。非侵襲的で、内視鏡の挿入が困難な場合に役立ちます。

大腸カプセル内視鏡検査はカプセル型の内視鏡を飲み込み、消化管内を撮影するものです。

これらの検査は内視鏡検査と併用して行うことで、より正確な診断につながるとされています。

大腸ポリープの治療方法

大腸ポリープの治療方法にはどのようなものがあるのか、以下で紹介します。

ポリペクトミー

ポリペクトミーは、内視鏡を用いて大腸のポリープを切除する方法で、主に茎のないある、10mm未満のポリープに適用されます。コールドポリペクトミー(Cold polypectomy)という手法で、鉗子でつまむか、スネアでポリープの根元を絞めて切除します。
切除されたポリープは病理検査に回されます。

高周波電流を用いるポリープ切除術の場合は2泊3日程度の入院が必要ですが、ポリペクトミーは外来で行えることが多いようです。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、大腸ポリープや早期がんの治療に用いられる内視鏡手術です。茎のない平坦なポリープや、大きな病変に適用されます。
まず、粘膜の下に薬液を注入して病変部を持ち上げ、専用の電気メスを使用して粘膜下層を剥離しながらポリープを切除します。
技術的に難しいとされる手術で、専用の設備と熟練の技術が必要です。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

内視鏡的粘膜切除術(EMR)は、大腸ポリープの治療に広く用いられる方法です。
ポリープの下に生理食塩水を注入して持ち上げた後、スネアをポリープにかけ、高周波電流を流して切除します。
EMRは、外来で、短時間で治療できますが、切除後の出血や穿孔のリスクがあります。
また、大きなポリープを一括で切除することは難しいとされています。ポリープを分割して切除するため、ポリープの一部を取り残してしまうことがあるからです。
そのため、取り残しのないよう、20mm以下の小さながんを対象にEMRが適用されます。
大きなポリープに対しては、ESDが主に行われます。

大腸ポリープ発症のリスクを下げるために

大腸ポリープの発症リスクを下げる方法はあるのでしょうか?以下で解説します。

大腸がんの検診や遺伝子検査

大腸ポリープのリスクを下げるためには、定期的な大腸がん検診が重要です。
便潜血検査や大腸内視鏡検査は、早期の大腸ポリープやがんの発見につながります。特に、家族に大腸がんの病歴がある場合は、定期的な検診が推奨されます。

また、APC遺伝子やK-ras遺伝子、p53遺伝子を検査することで、大腸ポリープのがん化を早期に対策できる可能性があります。

生活習慣の見直し

生活習慣の見直しも重要です。バランスの取れた食事を心がけ、食物繊維を多く含む野菜や果物を摂取し、加工肉や赤身肉の過剰摂取を控えましょう。
また、過度の飲酒や喫煙を避け、定期的な運動を取り入れることも大切です。肥満を防ぎ、腸内環境を整えることにもつながります。

大腸ポリープについてよくある質問

ここまで大腸ポリープや検査方法などを紹介しました。ここでは「大腸ポリープと検査」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

大腸ポリープになりやすい年齢を教えてください。

中路 幸之助医師中路 幸之助(医師)

大腸ポリープは一般的に40歳以上の方に多いとされています。年齢を重ねるにつれてリスクが高まり、50代以降の方は定期的な検査が推奨されます。これは加齢により細胞の異常増殖が起こりやすくなるためです。また、家族に大腸ポリープや大腸がんの既往がある場合もリスクが高まる可能性があるため、早めの検査が重要です。

内視鏡検査、ポリープ切除をした場合の費用相場はどのくらいですか?

中路 幸之助医師中路 幸之助(医師)

内視鏡検査とポリープ切除の費用は、健康保険が適用されるかどうかで異なります。
3割負担の場合、費用の相場は以下のとおりです。
・大腸内視鏡検査のみ:6,000円〜1万円程度
・大腸内視鏡検査と病理組織検査:1万〜1万6,000円程度
・大腸ポリープ切除術:2万〜3万円程度
初診料や追加の検査費用が加わることもあるため、詳細は医療機関で確認しましょう。

まとめ

いかがでしたか?ここまで大腸ポリープについて、検査方法や治療方法などを紹介いたしました。
大腸ポリープや検査方法について、要点をまとめると以下のとおりです。

  • ・大腸ポリープとは大腸の粘膜が隆起したもので、発症する原因には生活習慣や持病、遺伝子が関係するとされている
  • ・大腸ポリープの検査方法には、便潜血検査、大腸内視鏡検査、大腸CT検査(CTコロノグラフィ)、大腸カプセル内視鏡検査などがある
  • ・大腸ポリープの治療方法には、ポリペクトミー、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、内視鏡的粘膜切除術(EMR)などがある

大腸ポリープと関連する病気

大腸ポリープと関連する病気は10個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法などの詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器内科

具体的な症状や治療法については、担当の医師と相談しましょう。

大腸ポリープと関連する症状

「大腸ポリープ」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 血便:便に血が混じることがあり、鮮血や暗赤色の血便が見られます。
  • 腹痛:大きなポリープが腸管を塞ぐと腹痛が起こることがあります。
  • 便秘や下痢の繰り返し:ポリープが腸管を狭くし、便通に影響を与えます。

これらの症状が持続する場合、または新たにあらわれた場合、医師の診察を受けることが大切です。

この記事の監修医師