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「血豆とメラノーマの見分け方」はご存知ですか?メラノーマの治療法も解説!

 公開日:2024/09/09
「血豆とメラノーマの見分け方」はご存知ですか?メラノーマの治療法も解説!

メラノーマは皮膚がんの一種で、タイプによっては血豆のように丸い腫瘍が皮膚に生じるものもあります。そのため、血豆とメラノーマの判別が難しい場合が出てくるでしょう。

今回の記事では、血豆とメラノーマの見分け方・血豆の原因・メラノーマの治療法を紹介します。知らない間に血豆ができて気になっている人は参考にしてください。

高藤 円香

監修医師
高藤 円香(医師)

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防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

メラノーマとは

悪性黒色腫と呼ばれる皮膚がんの一種です。メラニン色素を作るメラノサイトががん化して発生します。
人種間で罹患率に差があり、白人の罹患率が高いのが特徴です。日本人では、10万人あたりに1〜2人程と罹患率が少ないため希少がんに含まれます。はっきりとした原因は不明ですが、外傷・紫外線・ストレスなどが誘因となっているそうです。
白色人種の方は日本人に比べて皮膚の色が薄く、紫外線への防御機能も弱いためメラノーマに罹患しやすいと考えられています。日本人では、足の裏にメラノーマができる方が多く、紫外線以外に皮膚の外的刺激がメラノーマの発生に関係している可能性があります。足の外的刺激をなくすことはできないため、足の裏や靴が当たる箇所などが変色していないか時折確認しておきましょう。
また、メラノーマは、皮膚以外にも鼻腔・口腔などの粘膜にも生じる場合があります。皮膚に生じるメラノーマよりも血管やリンパ管に影響するため、治療が難しく、予後が良くないのが特徴です。

血豆とメラノーマの見分け方と特徴

血豆とメラノーマは似ているため見分けがつきにくいでしょう。見分けるためのポイントを5つに絞って紹介します。

メラノーマは黒色や茶褐色です。稀に赤色調のものもあり、判別が難しい場合もあるでしょう。病変部に薄いところや濃いところがあるなど、色にむらがあるのも特徴です。血豆は赤紫色で、均一な形状をしていることがほとんどです。

感触

血豆は何らかの原因により出血し、血液が1箇所に集まるため皮膚が盛り上がります。血液の集まりのため感触はブヨブヨしているでしょう。メラノーマには、表面が硬いものやしこりを感じるものがあります。

痛み

メラノーマは痛みなど自覚症状に乏しいのが特徴です。病変部が拡大や潰瘍化して隆起したり割れたりすると出血し痛みがでる場合もあります。血豆は、ぶつけたなどの外傷の際に痛みが続くでしょう。

自然治癒の期間

血豆ができた箇所や大きさなどにもよりますが、血豆であれば1〜2週間程で自然治癒するでしょう。1ヵ月以上経っても治癒する気配がない血豆はメラノーマの可能性があります。

黒い点の増殖速度

血豆はできると徐々に吸収されるため、病変部が大きくなることは少ないです。メラノーマの進行は早く、急速に大きくなることがあります。手術を行っても再発・転移する可能性も少なくありません。
1〜2ヵ月と短期間で全身の状態が変わりやすいため、皮膚に気になる症状を見つけたら早めに医療機関で受診しましょう。

血豆の原因

血豆は指先やつま先だけではなく全身にできます。口腔内もできやすい部位の1つです。以下では、血豆が口腔内にできやすい原因を紹介します。

外傷

血豆は、打撲・圧迫などの外的刺激によってできます。転倒や固い物・熱い物を食べる、歯磨き、自分で粘膜を噛むなどの外傷で口腔内は血豆ができやすいため、注意が必要です。

アレルギー

特定の食物・薬などのアレルギー反応も血豆の原因と考えられています。アレルギー反応には、腫れ・かゆみ・水疱・くしゃみなどの軽い症状から意識障害に至る重い症状まで現れる場合があります。アレルギーを特定できていない方は、病院でアレルギーの検査を受けておくと不安も減るでしょう。

ストレス

ストレスも血豆ができる一因になるでしょう。ストレスが増えると食いしばりや睡眠の際の歯ぎしりが起こりやすくなります。食いしばりや歯ぎしりの際に口腔粘膜を噛むことで血豆ができる可能性が高くなるのです。

メラノーマの治療法

メラノーマの治療法は、手術・放射線療法・薬物療法です。治療法ごとで特徴が異なるため、以下で詳しく紹介します。

手術

メラノーマの基本的な治療法は、病変部の切除です。メラノーマは、病変の厚みで進行度が変わるため、病変部から5mm〜2cm程広めに切除します。
所属リンパ節への転移の有無で対応は異なり、所属リンパ節への転移が明らかでない場合には、センチネルリンパ節生検を行います。画像検査などで所属リンパ節への転移が認められる場合には、リンパ節郭清術が行われるでしょう。
メラノーマで最初に転移すると考えられているのがセンチネルリンパ節です。このリンパ節への転移の有無が、ほかのリンパ節への転移の有無にも関係しているとされています。
メラノーマは、病変の厚み・潰瘍の有無・他臓器への転移の有無などにより治療法が変わります。通常のほくろや血豆と違うと感じたら、早期に医療機関で受診しましょう。

放射線療法

メラノーマは、ほかのがんに比べて放射線への耐性が強いため、効果が薄い治療法とされていました。しかし、近年では免疫チェックポイント阻害薬との併用で、通常の放射線治療よりも予後が1年以上長くなるなどの報告もされています。
また、脳転移や骨転移にも放射線治療は適応されており、脳転移で行われる定位放射線治療でも通常の放射線治療より予後が半年程伸びることが示されています。

薬物療法

手術後の再発や手術が困難な患者さんに行うのが薬物療法です。以前は、抗がん剤治療を行っていましたが、現在は免疫チェックポイント阻害薬・BRAF阻害薬などを中心に治療を行っています。
メラノーマに適応する免疫チェックポイント阻害薬には、抗PD-1抗体や抗CTLA-4抗体などがあります。免疫チェックポイント阻害薬は、免疫機能にブレーキをかけて増殖するがんの働きを抑える薬です。免疫機能へのブレーキを解除して患者さんの免疫機能を高めてくれます。
免疫チェックポイント阻害薬には副作用もあり、免疫が過剰に働くと発熱・咳・息切れ・吐き気・下痢などのさまざまな症状が現れるでしょう。
BRAF阻害薬は、メラノーマでがんの増殖に関与しているBRAF遺伝子を阻害してがんの増殖を抑える薬です。遺伝子異常の状態・有無などを確認してから投与されます。

血豆とメラノーマの見分け方についてよくある質問

ここまでメラノーマが背中にできた際の対処法・検査法・治療法などを紹介してきました。ここでは、メラノーマが背中にできる好発年齢・予後についてのよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

血豆やメラノーマの疑いがある場合は何科を受診すればよいでしょうか?

高藤 円香医師

皮膚科を受診しましょう。ただし、メラノーマは皮膚以外にも目・鼻腔・口腔などの粘膜に生じます。メラノーマが生じた箇所に応じて眼科・歯科・皮膚科を受診してください。

ほくろとメラノーマの見分け方を教えてください。

高藤 円香医師

メラノーマを疑うポイントに以下の5つがあります。

  • 非対称性
  • 境界が不明瞭
  • 色が不均一
  • 直径が大きい
  • 拡大している

上記の症状が4つ以上あてはまる場合はメラノーマの可能性があり、2つ以下の場合はほくろの可能性が高いでしょう。気になる症状がある際には、皮膚科で受診してください。

編集部まとめ

血豆とメラノーマは、色・感触・痛み・自然治癒の期間・増殖速度の点で違います。

血豆は、外傷やアレルギーが原因でできる可能性があるため、メラノーマに比べて気付きやすいでしょう。

しかし、メラノーマは初期の頃には痛みもないため、自覚症状がないまま進行していることもあります。

実際に、血豆とメラノーマを見分けるのは難しいかもしれません。血豆やほくろなどの異変に気付いた際には、早めに医療機関を受診しましょう。

メラノーマと関連する病気

メラノーマと関連する病気は4個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

上記は、すべて皮膚がんです。皮膚でもがんが生じる箇所が違うため、名称・特徴が異なります。がん全体での皮膚がんの発症率は低く、基底細胞がん以外は発症率の低さから希少がんとされています。

メラノーマと関連する症状

メラノーマと関連している、似ている症状は3個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 腫瘍
  • 色素斑
  • 腫瘤

メラノーマは、できた箇所やタイプによって進行度が異なります。皮膚の異変に気付いたら早めに医療機関で受診しましょう。

この記事の監修医師