「子宮頚管ポリープの切除費用」はご存知ですか?症状についても解説!
子宮頚管ポリープは、30〜40代に多くみられる子宮の入り口から発生するポリープができる病気です。
その主な治療は手術で切除することですが、子宮頚管ポリープの切除には一体どれ程の費用がかかるのでしょうか。
今回は子宮頚管ポリープの症状・切除の具体的な3つの方法・切除にかかる費用についてを解説しています。
子宮頚管ポリープの切除にかかる費用や、ポリープ切除の手術が保険対象になるのかについて知りたい方の参考にしていただけますと幸いです。
監修医師:
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)
目次 -INDEX-
子宮頚管ポリープとは?
子宮は洋梨を逆さまにしたような形をしており、成人女性の場合は鶏卵大くらいの大きさの臓器です。この子宮の入口と膣をつないでいる部分を子宮頚管といいます。
子宮頚管ポリープは、子宮頚管の粘膜から発生するきのこ状の良性腫瘍です。大きさは、小さいものだと数mmから、10cm程の大きなものまで個人差があります。子宮頚管ポリープの発生原因は解明されていません。しかしその原因は、女性ホルモンとの関係が深いとされています。
子宮頚管ポリープは30〜40歳代での発生が多い病気です。発生しても子宮頸がん検診での異常や不正出血がなければ切除せずに経過観察になることもあるでしょう。
通常、切除した子宮頚管ポリープは検査に提出し、組織の性状を検査します。そのほとんどは良性の腫瘍で悪性のものは1%にも満たないほど少ないとされています。また子宮頚管ポリープは、切除しても再発する可能性も少なくない病気です。
子宮頚管ポリープの症状
子宮頚管ポリープの症状のなかで起こりやすいのは不正出血です。しかし症状が何も起こらないことも珍しくはありません。ここでは子宮頚管ポリープの症状を解説します。
無症状のことが多い
子宮頚管ポリープでは、ほとんどの場合で痛みなどの自覚しやすい症状がありません。無症状で健康診断を受けたときに、偶然発見されて受診へとつながることもあります。
性交時の出血
子宮頚管ポリープがあると、性交時に出血しやすくなります。性交だけでなく、激しい運動のときに出血がみられることもあります。
感染
子宮頚管ポリープは、感染による炎症がポリープの発生に関係していると考えられています。それだけでなくポリープ自体が感染を起こすこともあります。
子宮頚管ポリープの切除方法の種類
子宮頚管ポリープの切除には3つの方法があります。ここでは、子宮頚管ポリープの切除方法について紹介します。
ペアン鉗子を使用する捻除術
ポリープの形は、きのこのように茎があり先端が大きくなっています。この切除方法では、ポリープの茎の根元の部分をペアン鉗子という器械で挟み、一方向に回転させることで捻じ切って切除を行います。
通常、ポリープの大きさに対して切り取った部分の創部は小さく、出血もそれ程多くはありません。
メス・鋏を使用する結紮・切除術
ポリープの茎が太い場合には、茎の部分を糸で縛ってメスや鋏を用いて切除します。
電気メス・レーザーメスを使用する焼灼切除術
ポリープの茎の部分がはっきりしない場合や茎の根元が見えにくい場合には、電気メスやレーザーメスで焼灼して切除を行います。
子宮頚管ポリープの切除費用は?
子宮頚管ポリープの切除は一般的に日帰りで行われます。その際にかかる費用や入院で手術を受ける場合にかかる費用を解説します。
基本的には保険が適用される
子宮頚管ポリープの切除は、健康保険の保険適用となる手術です。そのため自己負担は3割で治療を受けることができます。
日帰りの場合の費用相場
日帰りで子宮頚管ポリープの手術を受ける場合、診療費用は6,000〜10,000円程度です。これには初診料・子宮頚管ポリープ切除手術の費用・病理組織検査の費用などが含まれます。
入院する場合の費用相場
一般的に子宮頚管ポリープの手術は、日帰りで行われます。切除にかかる時間も短く、出血のリスクも低いため入院しての手術はあまり行いません。入院して手術を受けたいと希望する場合には、費用は30,000円〜80,000円程度になります。
入院費用は受診する医療機関によって大きく異なるため、あらかじめ入院前に概算を確認するのがおすすめです。
子宮頚管ポリープの切除費用についてよくある質問
ここまで子宮頚管ポリープの症状・種類・切除費用などを紹介しました。ここでは「子宮頚管ポリープの切除費用」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
子宮頚管ポリープは悪性化することがありますか?
馬場 敦志医師
- 子宮粘膜ポリープ
- 子宮内膜ポリープ
- 子宮筋腫の下垂
- ポリープ状に発育した悪性腫瘍
子宮頚管ポリープ全体のうち、悪性の腫瘍は約0.1%、異形成は約0.5%にみられます。子宮頚管ポリープは大きくなる過程で悪性化するわけではなく、小さいものでも大きなものでも良性・悪性など組織の性質は変わりません。ポリープの診断は肉眼的な診断が難しいため、原則として切除後に採取した組織の検査を行います。
子宮頚管ポリープの切除で医療保険の給付金が下りますか?
馬場 敦志医師
子宮頚管ポリープの切除手術は、医療保険適用対象です。負担額は3割で、実際の負担額は6,000〜10,000円程度です。給付金は民間の医療保険から給付が行われますが、給付金の支払い対象は加入している保険内容によって異なります。そのためご自身の加入している保険会社での確認が必要です。
編集部まとめ
子宮頚管ポリープは、切除による治療が一般的です。そのほとんどは良性ですが稀に悪性の細胞が見つかることもあるため、健診などで発見された際には切除して病理学検査で確認することが勧められます。
子宮経験ポリープの切除は日帰り手術が可能です。健康保険の適応内で手術が受けられるため、3割負担で治療ができます。
子宮頚管ポリープは再発することもある病気で、人によっては無症状のまま長い間経過することも少なくありません。発見には健診を定期的に受けることが重要になります。
不正出血がある場合は少量でも看過せず、医療機関で受診をおすすめします。
子宮頚管ポリープと関連する病気
「子宮頚管ポリープ」と関連する病気は2個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
子宮頚管ポリープ同様に子宮に発生するポリープとして、子宮内膜ポリープがあります。その名のとおり、子宮内膜ポリープは子宮内膜から発生したポリープです。子宮頚管ポリープと異なり、子宮のなかにポリープがあるため、子宮鏡(ファイバースコープ)を使った検査が行われます。子宮筋腫は子宮から発生する良性の腫瘍です。子宮筋腫は、3人に1人はもっているといわれる程発生頻度の高い病気で、その治療法は病状によりさまざまです。子宮筋腫は放置すると大きくなる可能性を秘めているため、気になった場合は早めに医療機関で受診しましょう。
子宮頚管ポリープと関連する症状
「子宮頚管ポリープ」と関連している、似ている症状は1個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
不正出血とは、月経期間以外にみられる出血や通常より長引く月経を指します。不正出血を起こす原因はさまざまなものが考えられるため、少量でも不正出血がみられたときには医療機関の受診がおすすめです。具体的に原因として考えられるのは、病気・ストレス・ホルモンバランスの乱れ・妊娠・性交によって傷がついたものなどがあります。不正出血は自分で原因がわかりにくく、原因がわかっても解決しにくい病気です。出血の量によっては貧血の心配もあるため、早めに医療機関で受診しましょう。